相当膨大な資料となったことであろうから、その中での問題個所は誰が見ても、見つけ出すことは不可能であろう。総理の指示や考えで、各大臣が麾下(きか)の議員や官僚を使って、作り上げるものであるから、安倍首相としては、任せているわけである。
総理の部下である地方創生担当大臣の石破茂が、悪意を持って小細工をしたものは、よほどのことがない限り見分けることは不可能である。 だから石破茂は最高の悪(わる)なのである。
石破は閣内にいながら、安倍首相の「規制改革」「岩盤規制に風穴を開ける」政策に、見事に反旗を翻していたことになる。
それが、石破と日本獣医師会との癒着の成せる技(わざ)だったのである。
これがなぜ「岩盤規制」を守ることになるのか、と言う事を示そう。
このことは、「月刊Hanada9月焦熱号」の『加計学園問題の”主犯”は石破茂(告発スクープ)』(文芸評論家・社団法人日本平和学研究所理事長 小川榮太郎)に、詳しく書かれている。
小生はそれを参考にしている。
先ずは、日本獣医師会とは、私立大学獣医学部を卒業して獣医師となった人たちの、公益社団法人である。(間違っていたら訂正願います。)
日本には私立の獣医学部は次の五つである。何れも関東以北に所在している。偏在である。
2017(H29)年度入試 獣医師試験
募集 合格者 H27年度(合格)
1.日本大学生物資源科学部獣医学科、神奈川県東藤沢市 60 637 129(117) 90.7%
2.日本獣医生命科学大学獣医学部、東京都武蔵野市 56 174 93( 82) 88.2%
3.麻布大学獣医学部、神奈川県相模原市 86 278 142(118) 83.1%
4.酪農学園大学獣医学科、北海道江別市 93 289 146(125) 85.6%
5.北里大学獣医学部、青森県十和田市 120 490 130(115) 88.5%
415 1868人 640(557) 87.0%
これに対して、今回 岡山理科大学今治キャンパスとして獣医学部が愛媛県今治市に出来ることになる。初めての関東以西の地に、獣医学部が設けられることになる。
ちなみに国立大学としては、次の11校である。
H27年度 (合格者)
2.北海道大学獣医学部共同獣医学過程 41(34) 82.9%
3.東京農工大学農学部共同獣医学科 36(36) 100.0%
4.帯広畜産大学農学部共同獣医学過程 38(32) 84.2%
5.大阪府立大学生命環境科学域獣医学類 39(35) 89.7%
7.鹿児島大学共同獣医学部獣医学科 30(28) 93.9%
9.岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科 33(31) 93.9%
獣医師国家試験受験者数 369(331)人89.7%
(国家試験合格者数は http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/tikusui/pdf/160311-03.pdf より)
私立の獣医学部に関しては、入学年(2017年度)と獣医師国家試験受験年(2015年度)と異なっているので、完全な比較はできないが、大学入学者数と獣医師国家試験受験者数との隔たりがかなり大きいことに気が付く。
もう一度言うが、年度が異なるので完全な比較とはならないが、入学者数1868人に対して、国家試験受験者数640人となるので、おおよそ三分の一の人数しか国家試験を受けていないことになる。6~7割の人達は、進路を変更しているか脱落していることになるのではないのか。
私大の獣医学部への合格者数は定員の4.5倍となっているので、私学は入学金目当ての合格者増と見られても仕方がないのではないのかな。しかも合格者数の1/3の人数しか、国家試験を受けていない。2/3は、いわば脱落したことにならないのかな。
これでは真面な大学の体をなしていない、と言われても致し方ないことになる。
私立の獣医学部では、定員の4~5倍の合格者を出して入学金をがっぽり稼ぐことが常態化しているようだ。しかもそれだけ学内で育成しているかと言うと、2/3の人数が脱落しているのだ。これが大学と言えるのかと、普通の感覚をしていれば、怪しんでも当たり前ではないのかな。
こんな状態のところに新たに今治に加計学園の獣医学部が出来てしまえば、受験者がそちらへ流れてしまう。入学金をがっぽりと稼ぐことが出来なくなってしまう。
これを日本獣医師会は、極端に恐れたのではないのかな。しかも関東以西には獣医学部は一校もないのだから、次々と建てられてしまっては、私立の獣医学部の存亡の危機となってしまう。
日本獣医師会会長の蔵内勇夫や 日本獣医師会顧問で獣医師・日本獣医師政治連盟委員長 北村直人達の私大出の日本獣医師会の面々は、この日本獣医師会と言う業界の保護のために、その利権を墨守するために死に物狂いで、石破茂を使って「規制緩和」と戦っていたのであろう。
そして加計学園のこの状況に危機感を募らせた日本獣医師会は、更に「新設反対」のロビー活動を激烈に行い、獣医師会顧問の北村なる人物が、くだんの安倍・加計のゴルフ場での写真を持ち込むことになる。
そして加計学園の獣医学部が、安倍首相の推進する国家戦略特区諮問会議で今治市に設立されることが許可されそうになると、地方創生担当大臣の山本幸三に直談判をして、「新設は1カ所1校」と認めさせたのである。
さて話が長くなってしまったが、日本獣医師会はどのようにしてこの「岩盤規制」を守ろうとしていったか、と言う事を示そう。
それは、日本獣医師会の理事会の議事録を見ればよくわかる。
先ずは、2015(H27).6.22の第2回理事会の議事録を示そう。
(続く)