加計問題を紐解いてみれば!(48・総選挙)(8)

会議報告

平 成 27 年 度 第 2 回 理 事 会 の 開 催

http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06808/a3.pdf

 

27年度 第2回理事会の議事概要

Ⅰ 日 時:平成27622日(月) 10301200

Ⅱ 場 所:明治記念館・丹頂の間

Ⅲ 出席者:

【会  長】 藏内勇夫

【副 会 長】 近藤信雄,砂原和文 酒井健夫( 学術・教育・研究兼獣医学術 学会担当職域理事) 【専務理事】 矢ケ崎忠夫

【地区理事】 髙橋 徹(北海道地区) 山内正孝(東北地区) 髙橋三男(関東地区) 小松泰史(東京地区) 土屋孝介(中部地区) 三野營治郎(近畿地区) 上岡英和(四国地区) 坂本 紘(九州地区)

【職域理事】 麻生 哲(開業・産業動物臨床) 細井戸大成(開業・小動物臨床) 横尾 彰(家畜共済) 平井清司(家畜防疫・衛生) 森田邦雄(公衆衛生) 木村芳之(動物福祉・愛護)

【監  事】 玉井公宏,岩上一紘,波岸裕光

【オブザーバー】  北村直人日本獣医師政治連盟委員長) 今井裕三(島根県獣医師会長)

Ⅳ 議 事

【協議事項】 第72通常総会対応に関する件

【説明・報告事項】

1 部会委員会の開催に関する件

2 職務執行状況に関する件(業務運営概況等を含む)

3 その他

【連絡事項】

1 当面の主要会議等の開催計画に関する件

 

・・・・・・

 

2 そ の 他

日本獣医師政治連盟の活動報告

1北村日本獣医師政治連盟委員長から次のとおり説 明がなされた.

 

内閣府が取り組んでいる成長戦略特区については,構 造改革特区は文部科学省が窓口であるが,成長戦略特区 は内閣府が窓口だとして,今回は静観している.いずれ にしても特区設置の際は,文部科学省が担当することに なるが,これまでの獣医学教育の改善・充実に関する調 査研究協力者会議においても特区にはなじまないという 結論である.

 

内閣府では,4月末から65日までの間,成長戦略特区の公募をしていたが,愛媛県今治市に新設を望む岡山の学校法人文部科学大臣にも説明をし,内閣府に申請したという.藏内会長は麻生財務大臣,下村文部科学大臣へ,担当である石破大臣へは私が折衝を続けてい る.内閣府では,方針の最終案を公表していないが, 藏内会長の強い政治力等により,財務省の担当主計官が文部科学省担当官へ対応のあり方を指摘した.石破大臣は,ライフサイエンスなどは獣医師が新たに対応すべき分野なのか,その需要があるのか,これら基礎データが示されなければ検討できないとしている.しかし,新設希望側は,510年間の計画でデータを作り上げるこ とも視野に置きながら,藏内会長は麻生大臣,下村大臣に,私は石破大臣と折衝をし,一つ大きな壁を作ってい ただいている状況である

 

まず,既存の獣医師養成でない構想が具体化するこ と,次にライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること,さらに既存の大学で対応が困難であることの3つの壁をク リアして初めて,獣医師の需要の動向を考慮しつつ,全国的な見地から平成27年度中に検討を行うというスケ ジュールとなる.内閣府としては平成27年度内に規制 緩和を実施し,数字を残したいという思いがあり,文部科学大臣も官邸も同様の意向である.今後も強い政治力により,この3つの壁を突き崩すよう論議が展開されることも想定され,気が抜けない状況である.藏内会長も私も進退をかけるくらいの覚悟を持っている.

 

本日,総会の新役員の選定の間に藏内会長の許可を得 て,会場の皆さまに共通した認識だけは持っていただく よう説明をさせていただく予定である.

 

2藏内会長から次のとおり補足説明がなされた. 北村委員長の説明のとおり,きわめて厳しい攻防が連日続いており,委員長をはじめ,政治連盟の役員の方々 には,毎日,官邸をはじめ,さまざまな情報をいただき, ともに対応してきた.

 

先ほどの方針の原案はきわめて厳しいもので,「獣医師養成系大学学部の新設に関する検討.既存の獣医師養成とは異なる獣医師養成系大学学部の新設については, 食の安全や人獣共通感染症への国際的対応等の公共獣医師や,応用ライフサイエンスなど,獣医師が新たに対応 すべき分野への対応を含め,近年の獣医師の需要の動向や,全国的な影響等を勘案しつつ,検討し,速やかに結論を得る」と記載されており,北村委員長の努力により, 石破大臣等からいくつかの規制がかけられた.また麻生財務大臣財務省経由で文部科学省に強い対応を求めている.基本的に文部科学省農林水産省も本件に反対であるが,官邸の成長戦略特区を審議するグループが政治的な力を働かせている.要は日本全国での大学新設希望 は,この学校法人だけとなり,新たに今までの大学,あ るいは今までの獣医師で対応できないような新たな分 野,たとえばライフサイエンス等の分野に獣医師の必要性が生じて,既存の獣医学教育の中では対応できないのであれば検討するという解釈である.なお,農協改革で全中の萬歳会長が辞任をされたが,まるで全中は農協改革に抵抗しているように,マスコミを使って悪者にされたのと同様,われわれが大きく反対を表明すると,政治力を使って獣医師に対する悪い風評を流し,獣医師会を悪者にすることも考える必要がある.そのため大学関係者がしっかりと大学での教育は充足しているので,新設には反対する等を明確に表明するとともに,獣医学関係者が獣医師の需給は十分足りていること,たとえば獣医師が地方公務員を志向しないことは,処遇の問題である等を訴えることが重要である.われわれも何十年という時間をかけて獣医学教育の整備,充実に取り組んできたことを理解してもらう必要があり,医師会も新しい医学部の新設に反対をしていることから,できれば医師会との情報交換も行い,場面においては共闘も考慮すべきと 考える.

 

近々,方針の原案が発表されると思われるが,その結果によってきわめて厳しい状況も予測され,少なくともわれわれ,日本獣医師会の中から異論が出ないよう認 識を共有することが不可欠である.

http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06808/a3.pdf

 

 

この議事録によれば、日本獣医師会の諸大臣への「規制墨守」への働きかけにより、石破茂地方創生大臣獣医学部新設に対する難しい条件設定をし、麻生太郎財務大臣下村治文科大臣などが所轄官庁へ許認可を厳しくするよう画策したのである。

 

しかし国家戦略特区諮問会議のメンバー達は、真っ当にこの問題を議論していった様だ。

 

この議事録は、加計学園が「岡山理科大学の今治キャンパス」として獣医学部の設置を申請した後で、6/30に「石破4条件日本再興戦略閣議決定される前のことである。

 

生々しい働きかけと癒着の状況が手に取るように(とはいかないが)解るものである。

 

 

次に、2015(H27).9.104回理事会の議事録を示そう。ここでは6/30の「石破4条件」の閣議決定の状況が、示されている。

(続く)