女々しいぞハリル、代表監督不適格(4)

理解者減り、孤立深め

 一方で(*4)「選手のことを語る時のまなざしは本当に温かい」「今の態度は選手の精神面を変えるためにあえてやっている」と擁護するスタッフもいた。しかし、ハリルホジッチ監督を招へいした前任の強化担当者らが派閥争いで協会を去らざるを得なくなる不運もあり、徐々に理解者が減り、孤立を深めたことも響いた。

(*2) ハリルホジッチ監督は世界基準を掲げ、ゴールを目指す縦方向のスピードが速いサッカーを日本代表に植え付けようとした。これに対し、田嶋会長は「全否定はしないが『日本のサッカー』を大事にしないと。ボールをつないでいくサッカーを志向してほしい」と方向転換を示唆した。徹底した分析に基づいた戦術と巧みな用兵を真骨頂とする策士は、(*6)温めていたであろう秘策をW杯で披露することがないまま、戦いの場から去った。

8年前にも「直前解任」

 W杯を約2カ月後に控え、7日に日本代表監督を解任されたハリルホジッチ監督。コートジボワール代表を率いていた2010年にも、W杯を前に代表を離れ、本番で指揮をとることができなかったことがあった。W杯開幕前に代表を離れるのは2度目となった。

 ハリルホジッチ監督は08年にコートジボワール代表監督に就任し、10年W杯南アフリカ大会のアフリカ予選を突破した。だが、同年1月のアフリカ選手権では準々決勝で敗退。このため、W杯開幕約3カ月前の同年2月に解任された。

意思疎通は重要/予選突破の監督、続投すべきだ

 ハリルホジッチ監督の突然の解任に、サッカーファンらからは「なぜ今なのか」と驚きの声が上がり、賛否両論が聞かれた。

 札幌市中央区の幼稚園教諭、幸坂優衣さん(20)は解任のニュースを聞き「なぜ、このタイミングなのか」と思ったという。ただ、監督の采配には疑問を感じていて「香川(真司)選手ら有名選手が出なくなり、サッカーを見なくなった。解任で良かったのでは」と歓迎する。福岡市中央区の自営業、小鳥居(ことりい)美穂さん(56)も「若手の起用に明確な方針が見えなかった」と話す。

 選手との信頼関係を重視し、交代を肯定的に受け止める人も。名古屋市千種区の無職、西村洋和さん(70)は「言葉やサッカーに対する考え方などで選手との間に壁があった。スポーツも仕事と同じでコミュニケーションが重要。できないのなら解任は仕方ない」と見る。愛知県長久手市の会社員、加藤久雄さん(46)は「選手の士気が下がっていたのでリセットせざるを得なかったと思う」と言う。

 奈良県田原本町の会社員、小泉良輔さん(29)は西野朗新監督の手腕に期待する。「本番まで時間がなく信頼関係を築くのは大変だと思うが、かつてガンバ大阪をJリーグ優勝に導いた指導力を生かして勝利をつかみ取ってほしい」

 一方で、ハリルホジッチ監督を擁護するファンもいる。「世界で勝つための現実的なサッカーを目指していたのでがっかりした」というのは山口市の居酒屋店長、山下泰明さん(35)。さいたま市南区の無職、鈴木雅之さん(71)も「チームを強くするために一生懸命だった。予選を突破した監督についていくべきだった」と語る。

 京都市西京区の会社員、吉田夏葉(なつは)さん(33)は「もう少し早く決断すべきだったのではないか」と協会に批判的だ。大阪府枚方市の会社員、工藤まみさん(47)も「協会幹部たちも責任を取って辞めるべきではないか。幹部の西野さんが監督になるのはおかしいが、他に適任者がいなかったのかもしれない」と話した。【まとめ・竹内麻子】

https://mainichi.jp/articles/20180410/ddm/041/050/158000c

 

 

 

(*1)「ワールドカップ(W杯)で勝つ確率を1%でも2%でも高めたいから--」とは、将に藁をもすがる思いではなかったかな、日本サッカー協会は。

 

(*2) ハリルホジッチ監督は世界基準を掲げ、ゴールを目指す縦方向のスピードが速いサッカーを日本代表に植え付けようとした。これに対し、田嶋会長は「全否定はしないが『日本のサッカー』を大事にしないと。ボールをつないでいくサッカーを志向してほしい」と方向転換を示唆した。と言ったところに、今回のポイントがあるのではないかと、小生は感じている。

 

ハリルホジッチのやろうとしたことは、どうも現在の日本チームのパラダイムに全くあっていなかったものと思われる。どうもハリルホジッチのアフリカでの経験をそのまま、と言ったら語弊があるかもしれないが、日本チームに(無意識的に)植え付けようとしていたのではないのかな。

 

それは、日本人の体格・体力や考え方に、全く合わなかったのではなかったのかな。

 

田嶋幸三会長がハリル解任を決断させたものは、(*3)・・・こんなにうまくいかなかったことは今までないと協会にも強い危機感があり、 スタッフ、選手の声を聞き入れない高圧的な態度は反発を生み・・・」とあるように、監督とチームメンバー間の軋轢が無視できないほどに膨らんでいたからに他ならない。

 

しかも監督の采配に文句とは言わないまでも、意見を唱える者は実力があっても、容赦なく代表から外されていったのである。(*4)「選手のことを語る時のまなざしは本当に温かいとは本当であろうか。それは表面だけのことであり、本質的には温かくはなかったのではないのかな。温かければ選手の意見もよく聞いた筈である。スタッフ、選手の声を聞き入れない高圧的な態度は反発を生み・・・」とあるように、全く聞き入れなかったようだ。

 

これでは、日本代表チームがうまくいくはずがない。このままW杯に向かって行っても、目ぼしいものは何も得られなかった、と言う事になったことであろう。進歩どころか退行でしかない、と言う事になりはしないかと、心配であった。

 

この論考では(*5)2018.12.17(東アジアE-1選手権の韓国戦惨敗の翌日)に、日本サッカー協会の「トップ3」が緊急に会合して、ハリルホジッチ監督の解任を決めた様であるが、そのかなり以前からハリルの監督としての評判は、芳しくなかったようだ。

 

監督とチームメンバー間の軋轢のために、だから2018.3.23マリ戦での負けに等しい引き分け、2018.3.27ウクライナでの惨敗へとつながっていったのである。

 

これより前の韓国戦の翌日の2017.12.17には、田嶋幸三会長はハリル解任の腹を固めていたのではあるが、そのために確認の場が、ベルギーだったのである。

 

協会としては、ベルギーでの親善試合で、韓国戦の惨敗をどのように建て直したかを見たかったものと思われる。日本サッカー協会としては、石橋をたたいたのであろう。

 

(*6)温めていた秘策がどのようなものであったかは知らないが、あればこの場でハリルは示すべきであった。それを示していればベルギーでの戦いも少しは変わったかも知れないのであるが、そんな秘策はなかったのである、と思われる。

 

かくしてヴァイッド・ハリルホジッチは、首を切られたのである。当然である、何の改善も見られなかったからである。

 

かなり以前からハリルの監督としての評判は、芳しくなかったと言う事は、(*7)次の記事を読めばよくわかる。

(続く)