まあそれにしても、とプライベート・ジェットが羽田についてから(11月19日 16:35)、逮捕されるまで(19:32)おおよそ3時間がかかっている。まあ当然と言えば同然であるが、ゴーンとしても、逮捕容疑は何であるか、根掘り葉掘り確認したりして駄々をこねていたことであろう。
日産前会長逮捕
ゴーン容疑者、説明求め数時間 羽田で
毎日新聞2018年11月25日 07時00分(最終更新 11月25日 07時00分)
カルロス・ゴーン容疑者
日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者とともに金融商品取引法違反容疑で今月19日に逮捕された前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者が「(前会長の)報酬は適切に記載していた。問題はなかった」との趣旨の説明をしていることが24日、関係者への取材で明らかになった。今回の事件で容疑者側の主張が明らかになるのは初めて。
また、ケリー前代表取締役は「前会長から不正な指示は受けていない」とも語っているという。逮捕容疑の他に、ゴーン前会長が日産側に世界6カ国で高級住宅を無償提供させていた疑惑も浮かんでいるが、「社内の担当者が弁護士らに相談して(会計)処理しており、違法なことはしていない」とも話しているという。
一方、別の関係者によると、19日夕方にビジネスジェット機で羽田空港に到着したゴーン前会長は、機内に乗り込んできた東京地検特捜部の係官に任意同行を求められた際、長時間にわたって容疑などの詳しい説明を要求していた。結果、機外に出るまでに数時間を要したという。【遠山和宏、服部陽】
https://mainichi.jp/articles/20181125/k00/00m/040/129000c
新聞にも機外に出るまで数時間を要した、と書かれているが、TV朝日の放送では、ゴーンの入国審査後に任意同行を求めて、その後逮捕したと説明している。機内に入る捜査員は機内の捜索のためだと言っていた。この場合は、ゴーンはプライベート・ジェットからは降りた後のことになろう。どちらが正しいのであろうか、朝日のスクープらしいのでTV朝日の放送内容の方が正しいのであろう。しかし何はともあれ、ゴーンは不正行為の疑いで逮捕されたことに違いない。
ちなみにケリーはこの時、別便の民間機で成田に少し早く到着しているので、ゴーンが任意同行を求められるまで見失わないように追跡して、ゴーンと同時に身柄を確保したようだ。
ゴーンやケリーは、特捜部に対して、「何ら違法なことはしてない」と抗弁しているが、既に新聞・テレビで言いふらされているとはいえ、今一度その重大な不正行為のおさらいをしてみよう。
ゴーン会長ら逮捕 約50億円の報酬過少申告の疑い
- 2018/11/19 19:53 (2018/11/19 22:30更新)
- 日本経済新聞 電子版
東京地検特捜部は19日、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者(64)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。報酬を約50億円過少申告した疑い。日産は同日、「複数の重大な不正行為」があったとして、同会長らの解任を取締役会で提案すると発表した。販売台数で世界2位を誇る3社連合を率いてきたカリスマ経営者の逮捕は、グループの経営や体制に大きな打撃を与えそうだ。
特捜部によると、2015年3月期までの5年間で、実際にはゴーン会長の報酬が計約99億9800万円だったのに、計約49億8700万円だったとの虚偽の記載をした有価証券報告書を、5回にわたり関東財務局に提出した疑い。日産の代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)も同容疑で逮捕した。2人の認否は明らかにしていない。
特捜部は19日、関係先として横浜市の日産本社などを家宅捜索した。
関係者によると、オランダに設立された日産子会社が海外の高級住宅などを複数購入し、ゴーン会長は賃料を支払わずに無償で利用していた疑いがある。こうした利益供与が実質的な報酬に当たる可能性があるとして、日産の関係者が特捜部に相談していたという。
有価証券報告書の虚偽記載は粉飾決算に適用されることが多く、役員報酬の過少申告への適用は異例。罰則は10年以下の懲役か1千万円以下の罰金、またはその両方。法人は7億円以下の罰金と定められている。
日産の西川広人社長は19日夜の記者会見で、ゴーン会長の主な不正行為として(1)実際の報酬よりも少ない額を有価証券報告書に記載した(2)私的な目的で投資資金を支出した(3)私的な目的で経費を支出した――の3点が確認されたと述べた。
日産は同日、ゴーン会長らの不正行為について内部通報があり、数カ月間にわたって内部調査を行っていたことを明らかにした。ケリー役員もこうした不正行為に深く関与していたという。
日産は「これまで検察当局に情報を提供するとともに捜査に全面的に協力してきた。今後も協力していく」「株主をはじめとする関係者に多大な迷惑と心配をおかけすることを深くおわび申し上げます」などとするコメントを発表した。
各社の有価証券報告書などによると、ゴーン会長は17年度、日産から7億3500万円、三菱自から2億2700万円、ルノーから740万ユーロ(約9億5千万円)の報酬を受けたとされている。
ゴーン会長は1954年にブラジルで生まれ、ブラジルミシュラン社長、北米ミシュラン社長を経て、96年にルノーの副社長に就任。99年、経営危機に陥っていた日産の筆頭株主になったルノーから日産に派遣された。
99年10月、3年間で1兆円のコスト削減などを柱とする日産リバイバルプランを公表し、その後、日産の業績はV字回復。2000年に同社社長に就き、01~17年、最高経営責任者(CEO)を務めた。
ケリー役員は法務部門に詳しく、ゴーン会長の側近とされる。弁護士を経て1988年に北米日産に入社。2008年に日産の執行役員に就き、15年2月に代表取締役に就任した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37941650Z11C18A1MM8000/?n_cid=SPTMG053
(続く)