Ghosn,Gone with the Money(4)

ただ、こうも排ガスに関する不正が続くようでは、そうも言ってはいられない。どこか欠けているところもあるのではないのかな、だからゴーンにしてやられるのである。

 

 

日産、排ガス測定値改ざん 国内5工場で1171

2018/7/9 17:34
日本経済新聞 電子版

 日産自動車は9日、国内の5工場で、新車の出荷前に行う排ガス検査の試験で、測定値を改ざんしていたと発表した。試験環境が決められたルールから逸脱していたものがあったほか、排気ガスの成分の測定値の一部を書き換えていた。対象は1171。日産は再発防止を急ぐが、イメージダウンによる国内販売への影響は避けられない。

VTR

 完成検査工程の一環で、出荷前の車の性能を評価するために抜き取り検査を実施する際に不正があった。排ガス測定で想定したような結果が出ない場合に、都合のいい数値に書き換える不正が行われていたとみられる。

 同日に横浜市内の本社で記者会見した日産の山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサーは「(2017年に発覚した)完成検査問題への再発防止に取り組むなか、こうした事案が起こり、お客様や関係者に深くおわび申し上げる」と述べた。

 国内工場のうち栃木工場(栃木県上三川町)、追浜工場(神奈川県横須賀市)、日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)、日産車体九州(福岡県苅田町)、オートワークス京都京都府宇治市)の5工場不正を確認した。データは2013年4月からのものを対象としている。

 日産は車両の品質について大きな問題が生じるとはしていない。不正の有無の検証を終えていない「GT―R」を除くすべての車種で、国の保安基準を満たしていることを確認したという。山内氏は「カタログで公表している燃費の数値に誤りはない」と説明した。

 これらの不正行為について9日に国土交通省に報告した。日産では17に無資格者が完成検査を行っていた不正が発覚している。山内氏は「原因や背景について、徹底的に調査を進めている」と話した。「調査を受けて適切な再発防止策をとりたい」と説明した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32768220Z00C18A7TJC000/?n_cid=NMAIL006

 

 

そんななか日産の親会社のルノーのフランスでも、半ばゴーンの不正行為を予想していたような冷ややかな雰囲気だそうだ。フランスでもルノーやゴーンには、問題があった様だ。

 

 

 

ゴーン氏逮捕、フランスのメディアは「それ見たことか」と冷ややかな論調

プラド夏樹  パリ在住ライター、ジャーナリスト 201811/22() 8:03

 

ルノー日産自動車三菱自動車工業の会長を兼務するカルロス・ゴーン氏が19日、金融商品取引法違反容疑東京地検特捜部に逮捕された。ところで、フランスの一般メディアではどのように報道されているのだろうか?

慎重、かつ冷ややかな反応

メディア上では右派左派を含め、全体的に冷ややかな論調だ。フランスの庶民はもともと「億万長者アレルギー症」なうえに、折しも先週末に17日に、ガソリン価格高騰と購買力低下に反対する「21世紀の一揆」と呼ばれるデモが全国的レベルで起き、約28万人が「車がなかったら仕事に行けない、でもそうしたら食えなくなる!」と各地の主要道路を占拠して国中を大渋滞に陥れたばかりである。国民の頭に血が昇っている、そんな週末明けに届いたゴーン氏逮捕に関する報道には、左派・右派を問わず、「どうせそんなことだろうと思ってた」感が漂う。

19日、右派フィガロでさえ『栄光の頂点でなぎ倒されたゴーン』というタイトルで記事を発表。サブタイトルは「金欲と権力欲という2つの欠点の代償を支払う羽目に」というものだ。本文では「ゴーン氏は古代ローマ史に通じていたから知っていたはずだ。歴代の皇帝たちはいつも裏切り者ブルータスが現れるのを恐れていたことを。栄光の頂点にありながら、この月曜日、その最も忠実な側近であった日産自動車社長西川広人氏が放った矢に倒れた」と。

これまでにもゴーン氏の巨額報酬に対して批判的な記事を何度も発表してきた左派デジタル新聞メディアパールは、同日、『神聖不可侵と思い込んでいたゴーン氏の転落』というタイトルで、「これまでうまいこと疑惑をもみ消して来たが」で始まる手厳しい記事を発表。そして、過去のゴーン氏に関する数々の疑惑に言及した後、「経営者の給与を厳密検査して株主に情報を提供するコンサルタント会社Proxinvestが、ここ10年、ゴーン氏の給与が不透明なものであることを告発し続けて来たが、取締役会からなんの反応も得られなかった」とし、取締役会の怠慢を告発している。

実際、フランスの大企業経営者が巨額報酬を欲しいままにしている理由に、経営者の給与を定める取締役員会において、従業員代表が役員の1/3(ドイツでは1/2まで)までしか占めることができず発言力が少ないこと、そしてまた多くの場合、役員というのが経営者とナアナアの関係にある人物という実態がある。「今回、私の昇給に挙手してくれたら、次回は君のところの取締役員会で君の言うとおりにするから」というようなことになりがちなのだそうだ。

20日夕方に発売された中道左派ル・モンド紙経済版21日付け)の一面見出しは、ルノー:パリはゴーン時代を終え、後継者を準備』。『太陽王の転落』とタイトルした記事では、2016年にヴェルサイユ宮殿のグラン・トリアノンで開かれたゴーン氏の再婚パーティーの場面の描写から始まり、「今や財政不正の疑いで東京の拘置所に捕らわれた王様は裸だ。日産自動車の後継者、西川広人会長は、ゴーン氏をあらゆる罪で告発し、なかでも、ヴェルサイユ宮殿でのパーティー費用を会社に支払わせたことを非難している。日本で大人気だったゴーン氏だが、ルイ14世が言ったとされている、『私が役職に就けてやった者は恩知らずな振る舞いをするようになり、残りの100人は不満を漏らす輩になる』という言葉を思い出すべきだった」と皮肉っている。

クーデター説

もちろん、日産自動車内部のクーデター説もある。

前出のル・モンドでは慎重に、「確かに西川広人氏の権限は限られていただけに、フラストレーションもあったであろう。……西川社長19年続いたゴーン独裁の末に父殺しをした」として、幾分か理解を示しているのに対し、経済紙レ・ゼコー紙20日版の『カルロス・ゴーン氏はどのようにして司法の罠に落ちたか』という記事は、他紙には見られない激しい語調で日本側を詰(ナジ)っている。

「東電は2011年の福島原発事故の後に職務怠慢で有罪判決を受けなかった。20人近くが死亡した欠陥エアバッグを製造したタカタは、日本では告訴されていないなど、近年の日本経済界でのスキャンダルはいくつかあったが、今回のゴーン氏逮捕のような捕物劇はこれまでになかったではないか。……横浜の日産自動車本社では、多くの外国人管理職がゴーン氏に対する告訴の動機について疑問を抱き、西川広人社長が会見に際してゴーン氏を厳しく非難したことに驚いたであろう。…(中略)…結局のところ、東京ではゴーン氏の逮捕は皆を満足させた。かつてあれほどの人気があったゴーン氏だが、結局真の友人は少なかったようだ」と。

また、同紙21日版カルロス・ゴーンなきルノー暫定経営陣を』では、ゴーン氏は逮捕前にルノー日産自動車合併の計画をしていたが、日産自動車の取締役会はそれに反対していたというイギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズの報道をもとに、クーデター説を展開している。

ルノーの取締役員会は、20日、ティエリー・ボロレ最高執行責任者をトップとする暫定的経営体制を決めた。しかし、このボロレ氏、またまた複合企業ボロレ・グループの会長で億万長者、かつ疑惑多いヴァンサン・ボロレ氏の親戚とか……

https://news.yahoo.co.jp/byline/puradonatsuki/20181122-00105016/

 

 

小生も、ゴーンにはどこか怪しい影があることを感じていたのである。

 

だから冒頭では、”吃驚した…と言う事でもないが”と表現したのであるが、それと言うのもVWの排ガス不正に絡んで、ルノーにも検察の捜査が入っていたことを知っていたからである。

(続く)