Ghosn,Gone with the Money(13)

この検査は車の構造や性能を調べる「精密車両測定検査」と言われるもらしい。改ざんの他に、検査そのものをパスしてしていなかったと言う。それでもクルマの性能には影響がない、と言っている。まあ品質は工程で作り込むと言う事で、生産工程で品質は作り込んでいるので、検査工程での再検査は念のためと言う事らしいのであるが、法律で決まったいることなので疎かにしてもらっては困るのである。

 

 

日産、構造検査も改ざん スズキは燃費測定で2700台

2018927日 朝刊

 日産自動車は二十六日、新車出荷前の検査の不正に関する調査報告書を公表した。七月にデータ改ざんが発覚した燃費・排ガス検査に加え、車の構造や性能などを調べる「精密車両測定検査」でも、推定で延べ二百五十三台のデータ改ざんが判明。八月に燃費・排ガス検査の不正が発覚したスズキも同日、再調査の結果、新たに二酸化炭素(CO2)排出量を意図的に小さくするなどの改ざんが二千七百三十七台であったと発表した。

 同様の検査不正があったSUBARU(スバル)も早ければ月内に再発防止策を国に提出する方針だが、大手自動車メーカーの検査の不正の発覚に歯止めがかからない状況だ。

 日産の完成車検査で不正が分かったのは昨年九月以降、三回目。横浜市の本社で記者会見した山内康裕執行役員は「今回でうみは出し切ったと考えている。今後は二度と起こさないことがポイントだ」と述べた。

 日産の精密車両測定検査では、十一項目で不正を確認。車体の全幅など六項目でデータ改ざんがあり、ブレーキ液の残量警告灯の点灯確認など三項目は検査そのものをしていなかった。これらの不正は最初の不正が発覚した昨年九月以降も続いていた。再検証の結果、車の性能に問題がないことは確認できたという。

 不正が相次いだ要因を日産は「検査員の人員不足」「完成車検査軽視の風潮」などと分析。山内氏は再発防止策として、今後六年で千七百億~千八百億円の設備投資をし、本年度中に検査担当者など六百七十人を増員する方針を示した。

 スズキは「過去一年の測定データに不正はない」と説明していたが、検査成績書の数値と元の測定データが食い違う例が判明。二〇〇九年五月以降の測定データが残る車のうち、14・6%の二千七百三十七台で新たにCO2の排出量などの改ざんが発覚した。 (森本智之)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201809/CK2018092702000171.html

 

 

 

次の記事では、設備投資の遅れを挽回するためなのか、今後の6年間で1700~1800億円の設備投資と、首切りで不足した約670人の増員を行うと言っているが、これこそがゴーンによるリストラの悪影響以外の何物でもないのであろう。検査軽視の風潮が蔓延していたと言うことは、まさにその証なのである。

 

だからカルロス・ゴーン自らが出てきて、説明謝罪すべきものである。このことを指摘されるのが怖くて、ゴーンは出てこれなかったのである。

 

 

 

日産自:計画通りの生産優先、検査軽視の風潮ー排ガス不正で報告

鈴木偉知郎、馬杰、平野和

201892615:00 JST 更新日時 201892618:02 JST

  • 役員から現場監督者まで重大性の認識が極めて薄かった

  • 再発防止を目指し、工場での人員増強や老朽化した設備の更新を予定

日産自動車26日、7月に発覚した排ガスや燃費測定の検査結果を改ざんするなどしていた不正についての原因分析と再発防止策をまとめた報告書を発表した。報告書では不正が起きた原因として、完成検査員の人員不足や計画通りの生産出荷を優先する検査軽視の風潮があったなどと指摘した。

  日産自は7月、国内の五つの工場で決められた環境とは異なる条件の下で排ガス・燃費の測定試験を行ったり、測定値を改ざんしたりするなどの不正行為があったと発表。対象車種は19車種、1171台としていたが、調査の結果1205となった。国が定める保安基準は満たしているとして、リコール(無料の回収・修理)は実施していない。 

 

  今回の報告書によると、検査員は規範に違反することを認識しながら、測定値の改ざんを行っていたほか、検査員を監督する立場にある工長が、検査の実務を経験したことがなく、検査内容を理解していなかった。また、一部工場で検査に使用する設備に不具合があったことも、影響したという。

 

  検査員の証言から排ガス・燃費に関する不正以外にも検査の不実施やデータ改ざんが行われていたことも新たに分かった。一部工場においてブレーキ液残量警告灯の確認を実施していなかったほか、車体の全幅が検査規格を逸脱した場合、法令の規制を逸脱していないことを確認の上、測定値を検査規格内の数値に書き換えるなどしていた。対象車数は延べ253台。

  再発防止策では、排出ガス測定装置のプログラムのデータが書き換えられないようにするほか、同測定での試験条件を逸脱したデータを自動的に無効化するなどの仕組みを取り入れる。老朽化した設備の更新や再発防止のため取り組みも含めて、今後6年で1700億ー1800億円の設備投資を計画している。工場での人員は管理者も含めて今年度に670人を増員する予定。

 

  同日午後、横浜市内の本社で会見した山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は「役員から管理職、工場の監督者層にいたるまで完成検査の基準・規定に反することの重大性の認識が極めて薄かったという点において、昨年の問題と根が同じと認識している」と語った。経営陣の責任については「まずは再発防止策に集中して取り組んでいきたい」と述べた。

  日産自の不正をめぐっては昨年9月、無資格の作業員が新車の完成検査を行っていたことも判明している。その後も同様の行為を繰り返していたことが発覚している。

(会見の内容などを追加します.)

 

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-26/PFN9BH6JTSG101

 

 

 

完成検査の基準・規定に反することの重大性の認識が極めて薄かった」と言い繕っている(様に見える)が、実際のところ手当てされていなかったために、やろうとしても出来なかったのが根本原因ではなかったのかな。

 

以上みてきたニュースには、ゴーンの構造改革(日産リバイバルプランなど)に関しての論評は見当たらないが、マスコミも少々報道の仕方が偏っているのではないのかな。かなり偏向している、と言った方が正解なのであろう。総じて日本のマスコミは、基本に立脚した正しい報道が出来ていない。



次の産経のニュースにはかろうじて、ゴーンのリストラに関する問題点を指摘する論調が載っていたので、紹介しよう。

 

 

【主張】新車検査の不正 構造改革へ危機感あるか

  2018.9.29 05:00

 自動車の完成検査をめぐる不正が、またも拡大した。日産自動車で新たな検査項目での不正が判明し、スズキでは排ガスや燃費の測定データで改竄(かいざん)がみつかった。

 一連の検査不正は昨年9月、日産で資格を持たない担当者による検査が発覚して以降、各社が調査するたびに新たな不正が明らかになる。

 そのたびに経営トップが法令順守の徹底を約束するが、不正の根絶はできない。

 とくに懸念されるのが、人手不足による検査体制の不備である。人員削減などのコスト対策を優先し、必要な検査要員を確保していないなど、構造的な問題が明らかになっている。

 

 これは日本の自動車産業への信頼失墜だけでなく、国際的な産業競争力の低下にも直結する深刻な事態だ。業界全体で、厳しく受け止めるべきである。

 日産がまとめた調査報告によると、すでに判明している燃費や排ガスの測定データの改竄に加え、ブレーキ液残量の警告灯でも検査をしていなかったり、ラクションの音量データを偽ったりしていたスズキは8月時点の燃費・排ガス検査の不正報告で「データの改竄はない」と説明していたが、さらなる調査で、改竄の事実が判明したのだという。

 

 いずれも、当初の社内調査では自らの検査不正を発見できていなかった。「本当に不正は根絶されるのか」という消費者の疑念は深まるばかりである。検査不正を排除するには、全社的な意識、構造の改革が必要である。その危機感があまりに希薄ではないか。

 とくに日産は、2000年代以降に排ガス測定値の改竄が常態化したという。仏ルノー出身のカルロス・ゴーン氏が主導してリストラを進め、新興国で相次ぎ工場を建設した時期と重なる。厳しいコスト削減が不正を招く要因になったのは確かだろう。

 

 スズキでも、少ない検査要員が膨大な完成検査に従事していた実態が判明している。SUBARUも検査設備などに対する投資が不十分だった。各社とも厳しい国際競争の中で完成検査をおろそかにしてきた構図が読み取れる。

 独アウディ輸入車でも検査不正がみつかるなど、問題は拡大するばかりだ。国土交通省は、検査の実効性を高め、業界全体に構造改革を強く促してほしい。

https://www.sankei.com/column/news/180929/clm1809290001-n2.html

(続く)