Ghosn,Gone with the Money(15)

 

そんなわけで、「悪い奴ほど勾留期間が長くなる」の喩がある訳ではないが、クリスマスイブの現時点(2018.12.24)では、カルロス・ゴーンは来年の2019.1.1まで勾留されることになっている。ゴーンは拘置所で年を越すことになる。

 

ここで今一度カルロス・ゴーンとグレッグ・ケリーの逮捕の状況を整理しておこう。

 

 

2018.11.19 金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)容疑で逮捕される。'11/3~'15/3

2018.11.21 10日間の拘留が認められる。2018.11.30まで。

2018.11.30 10日間の拘置延長が認められる。勾留期間は、2018.12.10まで。

2018.12.10 ゴーン・ケリーと日産が金商法違反で起訴される。'16/3~'18/3有価証券報告書
        の虚偽記載で、再逮捕する。

2018.12.11 再逮捕されたゴーン・ケリーの10日間拘留を認める。2018.12.20まで。

2018.12.20 ゴーン・ケリーの拘留延長請求が却下される。東京地検準抗告も棄却。

2018.12.21 ゴーンを会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕する。自身の損失を日産に付け替え

        更に資金を第三者に流出させた罪。

2018.12.23 ゴーンの10日間の拘留を認める。2019.1.1まで。

2018.12.25 グレッグ・ケリー保釈される予定。(実際に同日22:45拘置所から出て来た。)

2019.01.01 ゴーン、拘留延長、2019.1.11までの予定。

 

 

ゴーン容疑者、年末年始も勾留の公算 

   2018.12.23 00:51社会事件・疑惑

日産・ゴーン事件の波紋

(https://www.sankei.com/main/topics/main-35939-t.html)

  ゴーン容疑者をめぐる逮捕後の刑事手続きゴーン容疑者をめぐる逮捕後の刑事手続き

 

 特別背任容疑で再逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者は、クリスマスや年末年始を拘置所の中で過ごす公算が大きくなった。東京地裁東京地検特捜部の勾留延長請求を却下する異例の事態から、急転直下の3度目の逮捕。海外メディアの「長期勾留」批判に押される形で地裁が特捜部の捜査手法に「ノー」を突きつけたことへの「反発」のようにも映るが、捜査の狙いは世界的なカリスマ経営者の企業犯罪の摘発だ。

 経営危機に陥った日産を大胆なリストラでV字回復に導いたゴーン容疑者。特捜部は社内の権力が集中したことで「会社の私物化」を重ねてきたとみた。

 

 最初の逮捕容疑となった報酬の過少記載は、1億円以上の役員報酬の個別開示が義務付けられたことを契機に始まった。世界の潮流である株式市場の透明性確保と企業統治の向上を目的に作った規制を、いきなり破った疑いがある。法定刑も10年以下と重く、「形式犯」との批判は当たらない。

 そして、特捜部が会社私物化の「本丸」とみたのが特別背任での立件会社法に規定され、企業のトップが任務に背き会社に損害を与える悪質性の高い犯罪だ。

 ただ、特別背任には「自己または第三者の利益を図る目的で会社に損害を与える意図」という高い立証ハードルが存在する。確実に摘発するためには慎重な裏付け捜査が必要で、身柄を拘束しない任意捜査では限界がある。情報が漏れればゴーン容疑者や側近らに証拠隠滅される恐れがあるためだ。

 このため特捜部は報酬過少記載事件で逮捕してから一気に並行して企業犯罪の捜査も加速させたのだが、その過程で裁判所の理解を得られなかった。背景には海外からの日本の刑事司法制度への批判もあったとみられる。特捜部は法と証拠に基づき捜査しており、萎縮する必要はないが、そうした批判に耐えうるような結果を出さなければならない。(大竹直樹)

https://www.sankei.com/affairs/news/181223/afr1812230002-n1.html

 

 

今回の背任容疑での逮捕では、一回目の拘留が2019.1.1までで、二回目の拘留が許可されれば、2019.1.11まで勾留することが出来る。しかし更なる何らかの事情が出てこない限り、拘留はここまでになるかもしれない。

 

これに反して、グレッグ・ケリー2018.12.2522:45頃保釈されて拘置所から出てきた。

 

 

1カ月ぶり ケリー被告保釈 茨城県内の病院で治療へ

カテゴリ:国内 20181226日 水曜 午前6:37

 

日産自動車の前代表取締役、グレッグ・ケリー被告は25日夜、およそ1カ月ぶりに東京拘置所から保釈され、そのまま茨城県内の病院に入った。

ケリー被告は、手を後ろに組んだようにして東京拘置所から出てくると、車に乗り込み、大勢の報道陣が駆け付けた中、保釈された。

その後、26日午前0時ごろに茨城県内の病院に入った。

持病の首の治療を受けるためとみられている。

ケリー被告は、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者の5年間の報酬を、有価証券報告書に少なく記載していた罪で起訴された。

ケリー被告は保釈後、「保釈によって外の世界に戻ることができました。言われるような虚偽記載は一切やっていません。わたしが無実であることは、法廷の場で明らかにされていくでしょう」とのコメントを発表した。

関係者によると、ケリー被告は保釈に際し、住居は日本国内の特定の場所に制限され、海外の渡航や、一部の日産関係者との接触が禁止され、日産の株主総会や取締役会への出席には、裁判所の許可が必要だという。

日産自動車・西川社長は、「(ケリー被告保釈の受け止めは?)司法の手続きにのっとりやっていることなので、それはそれで」と述べた。

日産の西川社長は、ケリー被告が「虚偽記載は、一切やっていない」とのコメントを発表したことに対し、「コメントすることはない」と述べた。

また、日産の全従業員に、ケリー被告側と接触しないよう指示したことを問われると、「(従業員が)動揺しない方がいいから、配慮すべきことだと思う」と答えた。

https://www.fnn.jp/posts/00408560CX

 

 

 

「悪い奴ほどよく眠る」の喩の通りに、 「私は、言われるような虚偽記載は一切やっていません」と嘯いている。「私」が有罪であることは、法定の場で明らかにされることでしょう。

 

保釈には四条件が付いている。

(1) 国内の一定の場所に居住すること。(2) 海外渡航は禁止。(3) 日産関係者との接触は禁止。(4)

株主総会・取締役会への出席は裁判所の許可必要。

 

では、よいお年をお迎えください。ゴーンさんも!

(続く)