だから頓珍漢な訳の分からない題名で、取締役会に掛けたのである。他のボードメンバーは何のことがさっぱりわからなかったのではないのかな、ただゴーンの言う事だからと言って賛成に回ったものと思われる。
損失含む契約 日産取締役会で“付け替え”決議
[2018/12/23 11:51]
日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が特別背任の疑いで再逮捕された事件で、ゴーン容疑者の損失を含む契約の日産への付け替えが取締役会で決議されていたことが分かりました。
ゴーン容疑者は、金融商品で生じた約18億5000万円の損失を含む自らの資産管理会社と新生銀行との契約を日産に付け替えたなどの疑いが持たれています。その後の関係者への取材で、日産はこの付け替えを取締役会で決議をしていたことが分かりました。(2008年10月の)取締役会では個人情報を理由にゴーン容疑者の名前は伏せられ、「役職員の報酬に関する金融商品の契約」と説明されたということです。ゴーン容疑者側は取締役会の過程で「一部の幹部は付け替えを認識していたのではないか」と主張しています。また、東京地裁は23日にゴーン容疑者の10日間の勾留を認めるか判断します。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000143774.html
「役職員の報酬に関する金融商品の契約」などと言っても、その内容の説明がなければ他の取締役には何のことかさっぱり解らなかったことでしょう。
「取引の経緯を知る関係者は「議事録は、取締役会で実際に諮られたとしても、他の取締役たちは何の決議をしたか分かっていないだろうなと思われる内容。日産という会社はゴーンさんに逆らえないんだなと思った」と話した。」と言われるように、しかも英語で会議が進行されているので、ちょっとした専門用語をゴーンが適当にしゃべれば、他の取締役が質問しても煙に巻いたことでしょう。
この取引の経緯を知る関係者とは、きっと新生銀行の関係者なのであろう。
まさにゴーンは、任に背いたのである。
だから、マレー系英国人で英国弁護士資格を持つ専務執行役員は、「もう耐えられない」と2018年5月、日本人幹部にそれらのことを打ち明けたのではないのかな。
そして、2018年5月18日にはCFOを務めていたジョセフ・ピーター氏(Joseph-G.Peter)も、ゴーンに嫌気がさして退社して(させられて)いったのではないのかな。だから、W.S.Journalもこの退社事件を、もっと詳しく調べるべきであったのである。
この案件を見ても、如何にゴーンが傍若無人に振る舞っていたかが、わかるのである。傍若無人にと言うよりも、不正、不法に振る舞っていたと言う事である。
そしてこの件で、勾留が更に10日間延長となっている。
2019.1.1までの勾留期限だったものが、1月11日までの勾留となった訳である。正月元旦に手続きをするよりもよかろう、と言う事で一日前出しで大みそかの手続きとなった訳である。
ゴーン元会長、1月11日まで勾留延長認める 東京地裁
- 2018/12/31 11:10
- 日本経済新聞 電子版
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の特別背任事件で、東京地裁は31日、ゴーン元会長について勾留期限だった2019年1月1日を前に、10日間の勾留延長を認める決定をした。延長後の期限は1月11日。東京地検特捜部は同日までにゴーン元会長の起訴の可否を判断する。
東京地裁は12月23日にゴーン元会長の10日間の勾留を認め、19年1月1日に期限を迎える予定だった。特捜部は期限に先立ち、地裁に勾留延長を請求した。
ゴーン元会長を巡っては、直近3年分の報酬を有価証券報告書に過少に記載した疑いで再逮捕された後、12月20日に地裁が勾留延長を却下した。保釈の可能性が出たため、特捜部は捜査日程を前倒しして同21日に会社法違反(特別背任)容疑で3度目の逮捕に踏み切った。
ゴーン元会長は私的な金融取引の契約で損失を抱えて銀行側から追加担保を求められ、08年10月、損失ごと契約を日産に一時移転し、評価損約18億5000万円を負担する義務を日産に負わせた疑いが持たれている。
この契約はゴーン元会長の資産管理会社に再移転されたが、この際にサウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏が信用保証で協力。ゴーン元会長は、日産子会社からジュファリ氏側に約1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させ、日産に損害を与えた疑いも持たれている。
弁護人によると、ゴーン元会長は損失付け替えについて「一時的に信用を借りただけで、日産に実損はない」と主張。ジュファリ氏側への支出は「日産のための仕事に対する正当な対価だった」とし、特別背任の容疑を否認している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39590260R31C18A2CC1000/?n_cid=SPTMG053
これで勾留の再延長はなくなったことになる。あとは「起訴」されるだけとなる。きっと東京地検特捜部は、2019.1.12(土)に、ゴーンをこの件で起訴することになる。
そしてこの件での、特捜部とゴーンの争いは、裁判の場に移ることになろう。
そのためゴーンは、サウジアラビアの実業家の知人ハリド・ジュファリ氏に中東日産から支払わせた1470万ドル(現在のレートで約16億円)は、販売促進費だと嘯いている。
今回の逮捕容疑は、金融商品取引法違反ではなくて、自己の損失を日産に移転させ更には同社の資金を第三者に流出させた疑いである。
さて本日(2019.1.8)ゴーンが法廷に出たのでそのことに少し言及しよう。
2019.1.8の10:30過ぎ東京地裁の425号法廷において、日産前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の「勾留理由開示手続き」が開かれた。
「容疑者の供述などにてらすと、関係者に働きかけ、証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由が認められる」との内容で、多田裕一裁判官はゴーンに勾留理由を告げた。
事実ゴーンは、日産名義のリオデジャネイロのマンションから、ブラジル裁判所を動かして書類を持ち出させている。日産は書類が日産のものである可能性があるとして、内容確認を求めたが、拒否されている。
この件は2019.1.5の当ブログNO.18を参照願いたいが、ゴーンが外に出れば必ずや大々的に証拠隠滅を行う事は、目に見えている。だから勾留を続けることは当然な事である。
ゴーンは手錠と腰縄を付けられ入廷したが、意見陳述ではそれらは外されている。
そして「私にかけられている容疑は無実です」と鋭い眼光を発しながら、しゃべっている。
「カリスマ経営者」法廷に姿 よく通る声で自ら名前読み上げ
毎日新聞2019年1月8日 11時29分(最終更新 1月8日 12時55分)
傍聴券を求めて列を作る人たち=東京都千代田区で2019年1月8日午前8時31分、藤井達也撮
国内外に衝撃を与えた東京地検特捜部の逮捕から50日。かつての「カリスマ経営者」が法廷に姿を現した。「私にかけられている容疑は無実です」。日産自動車前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)は勾留生活でやや痩せた印象だったが、裁判官を見据え、よく通る声で自らの正当性を主張した。【巽賢司、遠山和宏、金寿英】
「私は日産に関して、心から親愛と感謝の気持ちがある」「人生の20年を日産の復活にささげてきた」「日産に損害を与えていない」――。8日午前、東京地裁425号法廷。傍聴席を埋めた約40人の視線は、証言席で熱弁を振るい、無実を訴えるゴーン前会長の姿に注がれた。
逮捕時と同じとみられる黒いスーツに白いシャツ姿で、足元は青いスリッパ。ネクタイはつけていない。午前10時半、手錠と腰縄を付けられ、拘置所職員2人に誘導され入廷。傍聴席を見渡し、最前列に座った大使館関係者を見て軽くうなずいた。「職業は会社役員ですか」。裁判官に問われると「イット イズ(そうです)」と短く答えた。
前会長は弁護人に促されると、通訳を介して約30分間、意見陳述した。「昼夜を問わず、飛行機の中でも働いた。私たちは日産を変革した」。A4の紙を手に特別背任容疑を否定するとともに、会社をV字回復に導いた実績を誇示した。
勾留理由開示手続きについて、弁護人がゴーン前会長に説明したのは昨年末。前会長は「そういう場があるなら発言したい。裁判官に私の意見を聞いてもらいたい」と請求に同意したという。
前会長の出廷について、ある日産関係者は「会社から事件の具体的な説明はなくモヤモヤとした気持ち。会社を私物化したとされているが、本当はどうだったのか。前会長には真実を語ってほしい」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20190108/k00/00m/040/070000c#cxrecs_s
この「勾留理由開示手続き」に関しては、ゴーンの長男がフランス紙のインタビューで大きなことをしゃべっている。
ゴーンの息子のアンソニーは前妻のリタの一男二女の長男で、アメリカで不動産融資関連の会社を営んでいると言うが、日本のメディアの報道によると、世間がびっくりするようなことを言うだろう的なことが報道されていたのだが、Bloombergによれば「力強く反論」するだろう、と表現されているだけだ。何もびっくりするような隠し玉を発表するような言い草ではなかった。
ゴーンは、世界各地での不倫がばれて、リタとは離婚している。今でももめている様だがこの件も追々述べてゆくつもり。
まあ、ゴーンが「力強く反論」することは当たり前のことだ。
ゴーン容疑者は「力強く反論」へ、8日の出廷で-息子が仏紙に語る
William Horobin2019年1月7日 3:55 JST
日産自動車前会長で、会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕・勾留されているカルロス・ゴーン氏(金融商品取引法違反で起訴済み)は、今週行われる勾留理由開示の手続きで「力強く反論」する考えだ。ゴーン氏の息子アンソニーさんがフランス紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)とのインタビューで語った。
ゴーン容疑者は8日に東京地裁での勾留理由開示手続きに出廷する。11月19日の逮捕以降、勾留が続いていることに関して、ゴーン氏の弁護団が理由の開示を請求していた。
ゴーン容疑者と息子のアンソニーさん
写真家:Jim Spellman / Wire Image
アンソニーさんはJDDに対し、「父の話を聞けば誰もが非常に驚くだろう」とし、「これまでは疑惑についてしか伝えられていない」と語った。
一方、フランスのルメール経済・財務相は、仏政府としてゴーン氏のルノー会長辞任は求めていないと発言。不正行為の証拠が見つかっていないためだと説明した。同相は「推定無罪だ。ゴーン氏の辞任要求が必要になるような情報は何も持ち合わせていない」と仏ラジオ局ヨーロッパ1で語った。
原題:Ghosn to Mount Vigorous Defense at Hearing, Son Tells JDD (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-06/PKX78H6TTDS001
結局この「勾留理由開示手続き」は、何事もなく終わったようだ。
午後には、都内の外国特派員協会でゴーン氏の弁護人を務める大鶴基成氏が記者会見を開いたのであるが、これも目新しいことは何もなかった。
「大鶴弁護士が話したことは一つ一つが説得的で、検察への直接的な批判は避けた。今後の裁判を考えると(検察との全面対決を避けたことは)賢明な判断だった思う」と言った
ような見解も見られるが、そのことが反対に不気味に感じられなくもない。(https://dot.asahi.com/dot/2019010800078.html?page=1参照のこと。)
2019.1.11にゴーンの再逮捕があるのか、保釈されるのかが今後の焦点となるであろう。
(続く)