だからミシュランなどでのリストラは、かなりバッサリとやったようだ。だから「偽善的」と言う批判もあると言うし、ゴーン並の「コストカッター」だと言う、これも理解できるものである。
果たして「対話重視」と「国益重視」と、どちらが強く出てくるのか、見ものである。きっと国益重視の対話を仕掛けてくるのであろう、と推察できるのである。
だから「合議制維持」は、一種の目くらましではないのかな。日産はスナール氏に、取り込まれないことだ。
合議制維持の記事は以前にも掲載したが、今一度新聞社が異なるので、参考のために載せておく。
ルノー・日産・三菱自トップ、連合の合議制維持で合意
- 2019/1/31 22:07
- ニュースソース
- 日本経済新聞 電子版
仏ルノーと日産自動車、三菱自動車は31日、ルノーが新体制に移行してから初の会合をオランダで開いた。ルノーのティエリー・ボロレ新最高経営責任者(CEO)、日産の西川広人社長兼CEOらが出席。連合の重要決定を3社のトップが相談して決める「合議制」を続けることで一致した。3社連合を維持、発展させていくことでも合意した。
ルノー・日産・三菱自連合のトップ会談が開かれた統括会社(オランダ・アムステルダム)
ルノー・日産の統括会社があるアムステルダムで会議を開き、ボロレCEOと西川社長は現地で、三菱自の益子修会長兼CEOはテレビ電話で参加した。カルロス・ゴーン被告の後任の連合トップの人事は議論にならなかったという。
ルノーのジャンドミニク・スナール新会長は3社のトップ会談に参加しなかった。スナール氏は益子氏と電話会談し、西川氏とも個別で会談したとみられる。
3社連合はカルロス・ゴーン被告が逮捕された直後の2018年11月末、当時ルノーの副CEOだったボロレ氏と西川氏、益子氏の会談で、連合の運営を合議で進める方針を決めた。ルノーの新体制移行後も踏襲することで合意した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40751380R30C19A1TJC000/?n_cid=SPTMG002
そうこうしているうちに、またゴーンが物言いを言い始めた。
既に過去の人になってしまっているので厄介なことにと言う訳でもないが、ルノーの役職を罷免(実質)されたので、ゴーン被告は気軽にマスコミのインタビューを受けている。そこでは、ゴーンは散々、日産や日本の検察に文句をたらたら垂れている。それが海外に発信されて、日本への非難として返ってきているようだ。
先ずは2019.1.30には日本経済新聞が、東京拘置所でゴーン被告にインタビューしている。
ゴーンは自身の不正には一切言及せずに、正当性を主張している。
「日産に尽くしたのに、裏切られた」とゴーン節を披露している。更には、サウジのハリド・ジュファリ氏に支払いは、「正式な手続きを踏んでいる、幹部が決裁している」と自身を擁護している。
ゴーン元会長インタビュー、専門家も注目
- 2019/2/1 0:29
- 日本経済新聞 電子版
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(64)が30日に勾留先の東京拘置所で日本経済新聞のインタビューに応じたが、その発言に国内外の注目が集まっている。検察側との対決姿勢を鮮明にしたほか、日産とルノーの経営統合案を巡る議論にまで言及し、海外の主要メディアが一斉に報じた。カリスマ性と発信力の強さを示す一方で、無罪主張などを疑問視する声もある。
【関連記事】日産ゴーン元会長、逮捕後初のインタビュー
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40664680Q9A130C1MM8000/?n_cid=DSREA001
ゴーン元会長の発信力はなお強い
ゴーン元会長は仏ルノー、日産、三菱自動車の経営統合計画があったことを明言した。日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)に統合案を伝えたのは2018年9月としている。
自動車業界に詳しいナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表は「持ち株会社方式を打ち出したことは自然の流れだ」と話す。M&A(合併・買収)に詳しいギブンズ外国法事務弁護士事務所のスティーブン・ギブンズ代表は「3社の株主が一本化され、利害関係が一致する」と評価する。
元会長は持ち株会社の詳細案は明言しなかったが、ルノー出身者が取締役会で多数を占めると、日産や三菱自動車の戦略や方向性と一致しなくなる恐れがあった。西川社長はゴーン元会長の逮捕後、「今は(統合などの)形態を議論するときではない」と発言した。
「この件はみな知っていた」。会社の「私物化」疑惑に対し、ゴーン元会長は他の幹部と情報を共有していたとして批判の矛先をかわそうとした。企業の危機管理に詳しい国広正弁護士は「本来はトップの不正行為を止めるか、辞任させるなど自浄作用を発揮しなければならない。日産のガバナンスの欠如が事件の本質だ」と指摘した。
ゴーン元会長は逮捕に至った日産社内の不正調査について「策略であり、反逆だ」と批判した。これに対し、日産関係者は31日、「不正は不正。お門違いだ」と反論した。
ゴーン元会長のこの発言は海外メディアに大きく取り上げられた。仏主要紙のルモンドやフィガロはそれぞれ電子版のトップで「ゴーン氏、日本の拘置所から日産の『謀略と裏切り』を批判」などと報じた。ゴーン元会長の母国ブラジルでも、大手紙フォーリャ・デ・サンパウロが「ゴーン氏が陰謀の犠牲者であると主張」と報じた。
海外メディアの関心の高さからすれば、ルノー、日産のトップを退任した後でも元会長の発言の影響力の大きさを改めて印象づけたといえる。一方で、自らが多くを語るのは発言の整合性が問われかねず、今後の捜査や裁判で不利になるリスクもつきまとう。
その一つが保釈が認められるかどうかの判断だ。「なぜ、勾留が続いているのか理解できない。どうやって証拠隠滅するのか」。ゴーン元会長は、70日超の長期勾留への不満をあらわにした。
元東京高裁部総括判事の門野博弁護士は「関係者と司法取引で合意したとされ、検察側も十分、証拠を固めているはず。証拠隠滅を否定する元会長の主張には説得力がある」と話した。
勾留への疑問を投げかけた発言の背景には、海外を中心に巻き起こった長期勾留への批判の再燃を狙うとの見方がある。刑事弁護に詳しい弁護士は「長期勾留に批判的な国際世論に再び訴えかける狙いだろうが、裁判所の姿勢を変化させるのは難しい」と指摘する。
ゴーン元会長はサウジアラビアの知人側に約12億8千万円を支払い、日産に損害を与えたとの会社法違反(特別背任)罪に問われている。「必要な幹部が(決裁に)サインした」。ゴーン元会長が強調したのは、手続きの正当性だ。
元特捜検事の高井康行弁護士は「社内手続きを踏んでいるから任務に背いていないと言いたいのだろう。実際の使途を知らせず決裁するケースがあり、無罪主張としては成立していない」と批判。その上で「元会長側は知人の活動で具体的に成果が上がったことや支払った金額も妥当だったことまで立証する必要がある」と指摘する。海外を舞台にした事件の証拠集めの難しさもあり、立証を巡る双方のせめぎ合いが激しさを増しそうだ。
【関連記事】
・「これは反逆だ」 ゴーン元会長の会見全文
・ゴーン元会長、潔白主張 強気崩さず「正当な決裁」
・本紙ゴーン元会長インタビュー、各国メディアが報道
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40756460R00C19A2EA2000/?n_cid=NMAIL006
(続く)