Ghosn,Gone with the Money(64)

いくらスナールの猫なで声の効果があっても、フランス側の言い分だけが通る様ではこの話はまとまらない筈だ。

 

さてもう一つ、ゴーンと検察との戦いの行方も気がかりである。

 

大鶴弁護士から「無罪請負人」と言われる弘中弁護士に変わったことでもあり、どのように動くか見ものである。初公判まで半年はかかると言われているので、ゴーンもおりの中で、これも当分の間は静観せざるを得ないであろう。

 

 

裁判もゴーン流、「無罪請負人」起用で徹底抗戦の布陣

 

北西 厚一

日経ビジネス記者

2019220

 

会社法違反(特別背任)などの罪に問われた日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の弁護人が交代した。213日付で新たに就任したのは「無罪請負人」といわれる弘中惇一郎弁護士らだ。目標達成のために人事を尽くして最適布陣を敷く。そんなゴーン流を裁判でも見せつけている。

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ゴーン被告の弁護人は大鶴氏(右)から「無罪請負人」の弘中氏(左)に(写真=3点:AFP /アフロ) 

 仏ルノー会長に124日に就いたジャンドミニク・スナール氏が初来日し、日産自動車の西川広人社長兼CEO最高経営責任者)、三菱自動車の益子修会長兼CEOと会談した214日。3者が融和ムードを演出して結束の強さをアピールしたのと同じ日、東京地検では日産元会長、カルロス・ゴーン被告らの刑事裁判に向けた初協議が開かれていた。

 ゴーン氏の弁護人として出席したのが弘中惇一郎弁護士。郵便料金不正事件の村木厚子・元厚生労働事務次官や、ロス疑惑の故三浦和義氏、陸山会事件の小沢一郎自由党代表らの弁護人を務め、いずれも無罪判決を勝ち取ってきた「無罪請負人」だ。

 東京・小菅の東京拘置所で日本の寒い冬を過ごすゴーン氏。勾留期間は219日で3カ月となった。その周辺に突如、動きがあったのは同13日。勾留以来、弁護人を務めてきた大鶴基成弁護士と押久保公人弁護士が辞任、新たに弘中氏らが就いた。

 元東京地検特捜部長の大鶴弁護士はなぜ、辞めたのか。同氏が所属する弁護士事務所は「特にこちらから話をする予定はない」と口を閉ざす。ほかの弁護士らはゴーン氏と大鶴氏の信頼関係の欠如や、ゴーン氏の側近だったグレッグ・ケリー被告の弁護人の喜田村洋一弁護士大鶴氏の相性の悪さなどを勘ぐる。

変わる弁護人の役割

 ただし、一つだけはっきりしていることがある。ゴーン氏は裁判で徹底的に争う意思があることだ。

 そもそも起訴後の弁護人の交代は珍しいことではない。捜査の際の弁護人と起訴後の弁護人では役割が違うからだ。具体的には容疑者が捜査段階で狙うのは不起訴で「特捜OB大鶴氏なら検察にも顔が利くだろうとみられる」(元特捜検事の弁護士)。時には駆け引きをしながら、不起訴に持ち込むのが弁護人の役割となる。だが、起訴後は無罪を勝ち取ることが最大の仕事。特捜OBである必要性は薄れる。

 この点、弘中弁護士は「反権力で徹底的に戦う人」という評を持つ。弘中氏と共にゴーン氏の弁護にあたるとされる高野隆弁護士も「刑事弁護のプロ中のプロ」として有名で、全面対決するには理想的な態勢といえそうだ。

 さらに弘中氏は過去の裁判で喜田村弁護士と多くタッグを組んできた。「2人は気心が知れている。緻密な作業を行う喜田村氏の能力が発揮される」(ある弁護士)といった指摘もある。

 14日の裁判所、検察、弁護人による協議では弁護側は争点を絞り込む「公判前整理手続き」を求めた。「大鶴氏なら認めたような調書でも、弘中氏は徹底的に不同意にするのでは」との見方も法曹界にはある。

 今後、刑事裁判のスケジュールが詰められるが、初公判までには半年ほどかかる可能性もあるという。それでも今のゴーン氏にとっては勾留の更なる長期化はもはや問題ではないのだろう。必達目標の達成に向け、人事を尽くして最適な布陣を敷く。そんな「ゴーン流」が裁判でも貫かれようとしている。

 

コメント2

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  •  

    janky

    再生請負人としての秀逸な資質の持ち主だから、検察も死に物狂いで対処しないと有罪判決が得られなくなるね。
    ゴーンさんにとって会社は自分の目的を達成するための手段に過ぎないから、法に触れるか触れない微妙なグレーゾーンで利益を得ようとしたんじゃない?

    2019/02/21 08:24:59返信いいね!

  •  

    nonaokun

    ゴーンの裏の顔がこれから続々出て来るでしょう。
    新書「ニッサンVSゴーン」のなかで、コストカッターだけでなく
    反論する者を左遷し、会社の資産を私有化し、各国首脳と対等に話しあう
    姿は製造会社のトオプから逸脱。
    法的な無罪があっても、二度とビジネスマンに復帰出来ないでしょう。

    2019/02/21 09:52:26返信いいね

 

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00050/?P=2&mds

 

 

 

その無罪請負人といわれる弘中惇一郎弁護士が、2/28にゴーンの保釈を請求したと言う。

特にゴーンを取り巻く状況は変わっていない(前2回の保釈請求時点と)ので、今回も保釈は許可されないだろうと思われるが、一端ここでこのテーマは終了としておこう。

 

 

ゴーン元会長の保釈を請求 弁護人が東京地裁

2019/2/28 16:12
日本経済新聞 電子版

 日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(64)の弁護人は28東京地裁保釈を請求した。請求は3回目で、同地裁が保釈の可否を判断する。保釈が認められた場合も、検察が不服として準抗告する可能性がある。

 ゴーン元会長は1月11日の追起訴後に2回、保釈を請求したが、いずれも同地裁が却下。逮捕後から弁護人を務めていた大鶴基成弁護士が2月13日に辞任し、新たに弘中惇一郎弁護士らを選任していた。

 同地裁はゴーン元会長と元代表取締役のグレッグ・ケリー被告(62)、法人としての日産について争点を絞り込む公判前整理手続きを行うことを決定。初公判までに半年程度かかる可能性もある。

 東京地検特捜部は20181119日にゴーン元会長を逮捕。これまでに会社法違反(特別背任)と金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴した。ゴーン元会長は東京・小菅の東京拘置所100日以上、勾留が続いている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41869030Y9A220C1CC1000/?n_cid=NMAIL006

 

 

 

今後保釈が許可されるなどの特段の事態が発生したら、また続けてゆきたいと思っている。

(終わり)