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刑事裁判を考える:高野隆@ブログ

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2019年03月08日

昨日の騒動について

カルロス・ゴーン氏の釈放に際して行われた「変装劇」はすべて私が計画して実行したものです。
依頼人を理不尽な身柄拘束から解放し、正常な社会生活に復帰させて、来るべき刑事裁判の準備に主体的に取り組む機会を与えることは、公正な裁判の実現にとって不可欠なことです。それは刑事弁護人が全力で取り組むべき課題でもあります。
何とかゴーン氏の保釈決定を確定させることができましたが、それには厳しい遵守事項がたくさんあります。一つでも履行できなければ保釈は取り消され、彼は再びあの過酷な拘禁生活に舞い戻ることになります。多額の保釈金を没収されることにもなります。保釈決定を受けた弁護人の最初の課題は、釈放後速やかにかつ安全に依頼人を「制限住居」に届けることです。彼にそこで家族とともに社会生活を再建してもらわなければなりません。
ゴーン氏が素顔をさらして住居に向かったとすれば、間違いなく膨大な数のカメラがバイクやハイヤーやヘリコプターに乗って彼を追いかけたでしょう。彼の小さな住居は全世界に知れ渡ります。生活を取り戻すどころか、健康すら損なわれてしまうでしょう。彼だけではありません。彼の家族、そして近隣住民の生活すら脅かされてしまいます。そのような事態は絶対に避けなければなりません。
その方法として、私の頭に閃いたのが昨日の方法でした。それは失敗しました。しかし、その後に奇跡が起こり、どうにかゴーン氏とその家族は「制限住居」において自由人として再会することができました。しかし、私の未熟な計画のために彼が生涯をかけて築き上げてきた名声に泥を塗る結果となってしまいました。
また、今回私の計画に進んで協力してくれた私の友人たちに大きな迷惑をかけてしまいました。私はたくさんの人に有形無形の損害を与えてしまいました。とても申し訳なく思っています。
最後にマスコミの皆さんにお願いします。どんな著名人にも身近な人と心安らぐ場所が必要です。心おきなく疲れをいやす場所が必要です。どのような庶民にも生活の糧を得るために安全に働く権利があります。この当たり前のことをご理解ください。

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未決拘禁日数の本刑算入について:「一部算入説」批判

http://blog.livedoor.jp/plltakano/archives/65941053.html

 

このことは次の asahi.com にも載せられているので、ご承知の方もおられることでしょう。


高野弁護士のブログ全文

 「昨日の騒動について」と題する高野隆弁護士のブログは以下の通り(3月8日付)。https://www.asahi.com/articles/ASM383SHTM38UTIL00W.html

 

先程TVでやっていたが、野村監督の奥さんの知代さんは脱税で、200112月に逮捕されているが、それまでマスコミに追っかけられており、マスコミに囲まれてさるレストランから出るに出られずにいたときに、担当弁護人だった弘中惇一郎弁護士クリーニング屋(の偽物)を店に派遣して、クリーニング用の大袋に沙知代夫人をいれて、堂々と正面から抜け出したと言う逸話があったと言うから、きっと柳の下のドジョウを狙って両弁護士が共謀して考案したゴーン変装事案だったのでしょう。

 

だから、弘中弁護士が「ゴーンの変装」を知らなかったと言うことは、絶対にないと小生は思っている。

 

このように弁護人と言う輩は、常識外のことを考え実施して犯罪者を無罪にする職業と見受けられる。要は、悪人であろうが善人であろうがお構いなく、法律を駆使して無罪にする職業と見た。

 

有体に言えば、六法全書の中で、戦争ゲームもどきの条文ゲームを遊んでいるのである。そのため道徳とか倫理と言うものが、一般人のものとは少し異なっていると見受けられる。

 

と言うよりも、一般的な道徳観や倫理観が麻痺していると言うか、薄れているのではないのかな、薄れていると言うよりも欠如していると言った方が正しいかも知れない。そうでもしなければ、条文ゲームなんぞはやっていられないかも知れないのだ、と思っている

 

極悪人を無罪にすれば、(本来は悪いことであるが)褒められると言う真逆なことが行われる職業なのである。

 

とは、少し極端な考えではあるが、実態ではないのかな。正直者が馬鹿を見る、ことが平気で行われようとする職業なのである。

 

と言う事は悪い奴は悪い、悪ければその罪の程度で罰を受ける、その程度を査定し少しは軽減させると言うものではなく、悪くても罪を受けることなく世の中に押し出して(例えば又悪事を働かせて)しまう職業なのであろう。

 

世の中は、これでは困るのである。だから弁護士と言う職業は、よく見れば合法的なマフィアまがいの職業と言う側面を持ち合わせている、と評価されてもおかしくないのであろう。

 

弘中惇一郎弁護士は、政治資金規制法違反で起訴された小沢一郎を、無罪にしてしまった。明らかに悪いことに手を染めて金を貯めこんでいたのに、無罪放免としたのだ。だから小沢一郎は、落ちぶれてはいるが、いまだに大きな顔をしている。

 

この件については、小生のブログ「小沢資金問題」(2010.2.18~)などを参照願う。

 

また薬害エイズ事件帝京大ルートの安部英(元)教授を無罪にしたのも弘中惇一郎弁護士でした。

 

帝京大附属病院の内科責任者であった安部英教授は、問題があると判っていた非加熱の血液製剤血友病患者に積極的に投与して、HIVを発病させた責任を問われた。他人事ながらひどい話だ、と当時は悲憤慷慨していたが、これにも弘中淳一郎弁護士が絡んでいたと言う事を、今回報道で知ったが、彼(安部英)は明らかに罪を犯していた人物であった、と小生は思っている。

 

この非加熱製剤を投与された(そのために死んでいった)人達のやるせなさは如何ばかりかと、想像される。亡くなられた方のご冥福をお祈りするほかないが、だから弘中淳一郎弁護士は、安部英教授と共に、恨んでも恨みきれない対象なのではないのかな。何と言っても、彼はまだ生きている。

 

 

(続く)