osn,Gone with the Money(83)

経営の監視機能を強化するため、取締役の過半数社外取締役にすることも盛り込んだ。」としているが、本当に社外取締役設置が監視機能を強化することになるのか。

 

監視機能を発揮しなかったと言う例も存在している。

 

 

 

社外取締役は役立たず? 不正見逃しに怒るTATERU株主

 

奥平 力

日経ビジネス記者

2019327



 アパートの施工・管理を手がけるTATERU326日に開いた株主総会は、株主たちの不満の声が相次いだという。昨年8月にアパート建設希望者に対する融資資料を社員が改ざんしていたことが発覚。これ以降、業績は悪化、足元の株価は1年前の10分の1の水準に低迷しているのだから無理もない。

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不正発覚で業績が急速に悪化しているTATERU

 同社は不正発覚を受け、昨年9月に弁護士などで構成する第三者委員会を設置。同12月にまとめた調査結果報告書によると、預金残高を水増ししたり、他人の預金通帳の写しを顧客のものとして金融機関に提出したりするなどして、融資に通りやすくしていた。こうした改ざんは350件にのぼり、社員31人が関与していた。

 不正の横行が明らかになった状況で開かれた今回の株主総会。出席した株主によると、「常勤の監査等委員の設置を求める」との声が出たという。同社で監査・監督の役割を担うのは3人の社外取締役が務める監査等委員3人とも他の企業の社外監査役社外取締役を兼ねており、これではTATERUをしっかり監査・監督できない、との不満があるようだ。

 そもそもTATERUは「監査等委員会設置会社」と呼ばれる会社形態だ。2015年の会社法改正で導入されたもので、3人以上で構成する「監査等委員会」が経営をチェックする仕組み。委員の過半を社外取締役にすることが求められており、TATERUでは3人の委員がいずれも社外取締役と、独立性の高い体制を整えていた。それでも、不正は見逃されたことになる。

 企業統治の強化が求められる中、取締役会で投票権を持たない監査役を置く「監査役会設置会社」から、監査等委員会設置会社に移行する上場企業は増えている。日本取締役協会の調べでは、20188月時点で東証1部上場企業のうち513社が移行、全体の4分の1を占めている。

 会社の意思決定に外部の見方を取り入れ、ガバナンスの透明性を確保する役割が期待される社外取締役。今秋の臨時国会に提出される見込みの会社法改正案では、上場会社や非上場の大会社を対象に社外取締役の設置を義務付ける方向だ。

 だが、カタチを整えても、中身が伴わなければ、不正は防げない。TATERUの株主が提起したように、常勤の取締役がいれば、チェック機能が働くかは分からないが、社外取締役ありきのガバナンス論に一石を投じたのは確かだろう。

 

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/032700192/

 

 

株式会社TATERUとは、アパート経営のノーハウを開発・提供する会社の様だが、Wikipediaによれば、資本金72億円余、売上高670億円余(2017/12月期)、従業員数500名弱と言う会社であるが、いわゆる大企業と言うほどでもないが、それなりの規模の会社である。

 

だから社外取締役過半数だからと言って、管理・監督が行き届いている状態が確保できると言う訳ではない。要はその人の能力と資質が問題なのではないのかな。

 

だから社外取締役のレベルアップを図るくらいなら、取締役の能力と資質とやる気を高めることの方が、重要なのではないのかな。

 

 

だから日産としては、優秀な社外取締役の確保自身の取締役の教育と言うか能力と正しい感性の向上に取り掛かることであろう。要は日産としての人づくりの問題である。

 

そうでもしないと、ルノーに飲み込まれてしまうよ。ルノー一年以内に経営統合に取り掛かるつもりの様だから。

 

 

日産と統合交渉再開の意向か

ルノー1年以内と報道

2019/3/27 21:07

©一般社団法人共同通信社

 【ロンドン共同】英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は27日、フランス自動車大手ルノー日産自動車との経営統合交渉1年以内に再開する意向だと報じた。経営トップだったカルロス・ゴーン被告の不正発覚と逮捕で崩れた信頼関係の再構築が進み、再び協議する環境が整いつつあると判断したとみられる。

 ルノーは日産との統合後、欧米大手フィアット・クライスラー・オートモービルズFCAとの統合も目指しているという。経営規模を拡大して電気自動車(EV)などへの投資を進め、ドイツ大手フォルクスワーゲンVW)やトヨタ自動車対抗する狙いがありそうだ。

https://this.kiji.is/483608503075980385

 

 

ルノーは虎視眈々としている時に、日産は「ガバナンス改善特別委員会」の提言とは言え、取締役候補の選定を社外取締役に任せてしまうと言う暴挙に出るようだ。自分の会社の役員も決められないような会社なら、辞めてしまえ、と言いたい。

 

それほど日産の社長や副社長は、人を見る目がないと言うのか。それほど人材教育が出来ていないと言うのか。後継者の育成をなおざりにしていたと言うのか。

 

それこそこんな会社では、未来はないのではないのかな。これではますます日産の将来は暗い、と言わざるを得ない。

 

この新しい取締役候補の選定を司ると言う「社外取締役3人で構成する「暫定指名・報酬諮問委員会」」なるものが何をするものかは詳らかではないが、ここでは候補者と言っているので直接役員を指名すると言う訳でもなさそうではあるが、自分の会社を任せる役員候補は自分(社長や副社長他)で決めたいものだ。

 

こんな形で日産は大丈夫なのか、はなはだ疑問である。

 

 

日産、取締役選定で暫定委=統治改革を加速へ

201903292249

 日産自動車は29日、新しい取締役候補の選定などに向け、社外取締役3人で構成する「暫定指名・報酬諮問委員会」を設置すると発表した。アドバイザーとして榊原定征経団連会長らから助言を受ける。外部有識者らの特別委員会が27日にまとめた企業統治改革の提言を踏まえ、新たな経営体制への移行を加速させる。
 特別委の提言は、現在は全体の3分の1にとどまる社外取締役過半数に増やし、経営の監視機能を強化することが柱。社外取締役が人事や役員報酬といった重要事項の決定を主導する「指名委員会等設置会社」となることも求めた。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019032901349&g=eco

 

 

次の記事にある「日産の代表執行役が企業連合を組む仏ルノー三菱自動車執行役を兼務することも禁止」と言う事は、解らないでもないが、「日産とルノーの取締役を兼ねることについては問題ない」と言う事は理解できない。

 

この「ガバナンス改善特別委員会」は日産に対してだけ有効となる委員会であると理解しているが、ルノーに対しては何の影響も持たないものだ。とするとルノーの執行役は、日産の執行役を兼務しても問題ないことになってしまい、いくら資本関係が絡んでいるとしても、不公平ではないのかな。

 

だからこんな条件は無意味となってしまうのではないのかな、と言うよりも、日産にかなり不利に働く提言となってしまうのではないのかな。

 

特にこの提言「日産の代表執行役は、ルノーその他の主要株主または三菱自動車工業の取締役、執行役その他の役職員を兼任してはならない」の意味は、何を言っているのか理解できない。

 

この意味を、だれかわかる人は教えてほしいものだ。ただ単純に、「日産の代表執行役は、ルノーその他の主要株主または三菱自動車工業の取締役、執行役その他の役職員を兼任してはならない」とすれば、その意味はよくわかるのであるが。

(続く)