Ghosn,Gone with the Money(85)

ゴーンのことはフランスにおいてもいろいろとボロが出てきている様であるが、一緒にいた妻の携帯やパスポートも押収されている。ゴーン一家一団となって、ルノーと日産から金をむしり取っていた構図のようだ。

 

オマーンへ不適切支出か=ゴーン被告、ルノーが通報-仏報道

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 【パリ時事】フランス紙フィガロ(電子版)は1日、カルロス・ゴーン被告が会長兼最高経営責任者(CEO)を務めていた仏自動車大手ルノーからオマーンの販売代理店に対し、数百万ユーロが不適切に支払われていたと報じた。資金の大半はゴーン被告の関係者が管理するレバノンの企業に渡ったという。同紙によれば、ルノー仏検察当局に通報した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040200123&g=int

 

 

ゴーン容疑者妻の携帯、パスポートも押収=再逮捕伴い特捜部-弁護人会見

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カルロス・ゴーン容疑者の再逮捕を受け、記者会見する弁護人の弘中惇一郎弁護士=4日午後、東京都千代田

 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)の4度目の逮捕に伴う捜索差し押さえで、東京地検特捜部が同容疑者の日記やノートなどに加え、制限住居に一緒にいた妻の携帯電話やパスポートも押収していたことが分かった。弁護人の弘中惇一郎弁護士が4日の記者会見で明らかにした。

【特集】108日続いたゴーン拘留、仏メディアが日本の司法制度をやり玉に

 弘中弁護士は、「これまで3回逮捕されており、事件に関連する資料はとっくに持っていかれている」と指摘。制限住居としていた都内のマンションにあるのは今後の裁判に向けた資料などで、「押収に合理性はなく、防御権・弁護権の侵害だ」と特捜部を強く批判した。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040400914&g=soc&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit

 

 

更には、オマーンに送金した金の一部は、米国にいる長男の会社へも相当な額が流れていた様だ。ゴーンは抜け目なくあらゆるところに、金を隠そうとしていた様だ。

 

 

ゴーン被告長男に出資=報奨金流用か-仏紙報道

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 【パリ時事】フランスの経済紙レゼコー(電子版)は2日、仏自動車大手ルノーからオマーンの販売代理店に不適切な支出があったとされる問題に絡み、当時会長兼最高経営責任者(CEO)だったカルロス・ゴーン被告の長男が米国で設立した会社資金が流れていたと報じた。同被告に近い弁護士が管理し、販売代理店を経由して資金が渡ったとされるレバノン企業が2015~18年、約2750万ドル(約30億円)を長男の会社に出資したという。

【特集】「ゴーン」だけではない「強欲経営者」列伝

 長男が資金の出どころを把握していたのかは明らかになっていない。
 仏紙フィガロなどによると、ルノーからオマーンの販売代理店に対し、営業成績への報奨金名目で約1000万ユーロ(約12億円)が送金された。ルノーの内部調査で判明したもので、同社は仏検察に通報した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040201080&g=int

 

 

特捜部は中東各国に捜査共助を要請したが、当然、いずれもゴーンの息のかかったところなので、証言などは得られる筈がない。そのため、日産関係の会計記録やメールなどの膨大な資料を丹念に分析すると言う、地道な努力を続けた結果、「誰からも文句を言われる筋合いはない」と言う確固たる証拠をつかんだと言う。

 

それはGFI・「グッド・フェイス・インベストメント」と言うゴーン関連の一種の隠れ口座であった。

 

日産「CEOリザーブ」(会長予備費)-→UAEの「中東日産」-→オマーン販売代理店「SBA」(スヘイル・バウワン・オートモービルズ)-→ゴーン関連のレバノンの投資関連会社「GFI」(グッド・フェイス・インベストメンツ)〓実質ゴーンの管理する口座・妻や米国の息子にも送金

 

と言う複雑なルートでゴーンに金が渡っていたことを、突きとめたと言う。

 

このルートでは、ルノーからの金も送られていたと言う。日産とルノーからの二つのルート、と言うことになる。これが「オマーンルート」である。次の記事にはそのことがよく説明されている。

 

 

 

2つのオマーンルート ゴーン元会長、狭まる包囲網

2019/4/5 1:58
日本経済新聞 電子版

 日産自動車側から巨額資金が支出された「オマーンルート」の捜査で、東京地検特捜部はカルロス・ゴーン元会長(65)の4度目の逮捕に踏み切った。元会長側への資金還流先の口座を特定したことが決め手になった。仏ルノーでも同様の不正疑惑が浮上。ゴーン元会長は自身の潔白を主張し続けているが、国内外で包囲網は狭まってきている。



 「確実に立証できるよう慎重に判断した。これなら誰からも文句を言われない内容だ」。検察幹部は胸を張った。

 捜査関係者によると、ゴーン元会長の指示により、アラブ首長国連邦(UAE)にある日産子会社中東日産会社」からオマーンの販売代理店「スヘイル・バウワン・オートモービルズ」(SBA)に支出された資金の一部は、レバノンにある投資関連会社「グッド・フェイス・インベストメンツ」(GFI)名義の預金口座に流れていた。

 レバノンはゴーン元会長の出身地であり、GFIの所在地も元会長と関連があった。GFIの経営者はSBA幹部のインド人となっているが、特捜部は「実質的にゴーン元会長が管理していた」と判断している。GFIからは、さらに元会長の息子が経営する米国の企業などに資金が移動した疑いもあるという。

 2004年から日産車の販売を手がけるSBAのオーナー、スヘイル・バウワン氏は、40社超の企業を擁するオマーン有数の財閥「スヘイル・バウワン・グループの創業者だ。

 オマーンルートを追っていた特捜部は中東各国に捜査共助を要請したが、ゴーン元会長の知人であるバウワン氏などから有力な証言を得るのは難しかった。そこで焦点となったのが、SBAに支出された資金のその後の流れの捜査だった。

 通常、海外の預金口座の捜査では口座のある国に捜査共助を要請したり、国内企業を通じて任意提出などの形で情報を得たりする。今回の場合、捜査共助で目立った成果は得られず、主として日産が提供したメールや会計記録などの膨大な資料を分析することによって、GFI名義の口座にたどり着いたという。

 フランスメディアによると、ゴーン元会長は11年ごろから、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めたルノーでもSBAに送金。SBAはその多くをやはりGFIに送金していたという。

 仏経済紙レゼコーは、SBAへの送金総額は1千万ユーロ(約12億5千万円)近いと指摘している。

 社内の記録ではマーケティング関連費用とされているが、資金は「会長予備費リザーブ」と呼ばれるゴーン元会長の裁量が及ぶ予算枠から捻出されたという。

 仏側からゴーン元会長を巡る疑惑が相次いで発覚していることを受け、仏メディアの論調も変わりつつある。当初あった「日産自動車の陰謀」「日本による外国人の狙い撃ち」などの指摘は大幅に減っている。

 仏紙フィガロは相次ぐ疑惑などを受け「ルノーでのゴーン前CEOの時代は終わった」と論じた。仏紙ルモンドは日本での4度目の逮捕のニュースを淡々と解説し、捜査を批判するような分析はしていない

 フランスのルメール経済・財務相は4日、仏テレビBFMで、ゴーン元会長について「推定無罪の原則を享受する権利がある。それ以上でも以下でもない」とするにとどめ、「私の役目はルノーのガバナンスがうまくいくよう注意を払うことだ」と述べた。

 日産は8日の臨時株主総会で、ゴーン元会長を取締役から解任する予定。ルノーは、本人が申し出た取締役の辞任を承諾している。

 検察幹部は「状況としてゴーン元会長に対する包囲網は狭まっているが、検察としての立証のハードルが下がるわけではない」とし、目前の捜査に集中する姿勢を示している。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43359960U9A400C1EA2000/?n_cid=NMAIL006

 

 

この金の流れが解明出来た事で、「誰からも文句を言われない」と検察が胸を張った訳だ。

 

この「GFI」はゴーン自身が管理する口座であり、将にゴーン自身の利益のために金を還流させたものであり、ゴーンの特別背任罪が明々白々になったわけで、特捜部としては自信満々の4度目の逮捕であったわけだ。

(続く)