これによると、現在のトヨタの持ち株比率は、16.83% と表現されており、これに3.17% の株式(約700億円ほど)を購入する、と記載(合計で20% となる)されているので、16.5%ではなくて16.83%が正確な数字であろう。まあ持ち株比率は株数で計算する筈なので、株数さえわかっていれば比率は狂わない筈なのだが、二段階で持ち株を増やしたのならいざ知らず、(16.5%→)16.83% + 3.17% = 20% と言う事である。
8.7% から16.83% (+8.13%)の時の株の購入金額は約300億円と先の論考には記載されているので、その間スバルの株価は急上昇したことになる。スバルが業務の選択と集中を貫いてアメリカに集中した結果、業績を盛り返して株価も上昇したと言う事であろう。
ここで、トヨタとスバル(富士重工業)との関係を、整理しておこう。
1999/12 富士重工(株)がGMとの資本・戦略提携に合意
2005/10 富士重工、GM との提携関係を解消し、トヨタとの資本業務提携を締結・8.7%取得。
2006/03 トヨタからの生産委託や共同開発の業務提携を発表
2007/04 SIA(Subaru of Indiana Automotive,Inc. )でトヨタカムリの受託生産開始
2008/04 トヨタが300億円を出資し富士重株8.2%を取得、16.83%保有となる。
2008/04 共同記者会見でトヨタ86・スバルBRZ(BoxerEG RearWD Zenith)の共同開発を発表
2008/10 ダイハツから小型車「クー」、軽自動車をOEM供給。富士重工は軽より撤退する。
2012/04 86・BRZ発売開始
2016/05 SIAでのトヨタカムリの受託生産終了
2017/04 株式会社SUBARUに社名を変更する。
2017/12 完成検査を含む車両検査工程での不正に関する最終報告書を国交省に提出
2018/12 トヨタPHV技術を活用した日本名XVのPHEVを米国で販売(ZEV対策か)
2019/04 トヨタ、HV関係の電動化技術の特許を無償開放すると発表
2019/06 EVのSUVの共同開発を発表、トヨタの電動化技術とスバルの四駆技術を融合
2019/09 トヨタ、スバル株を16.83%から20%に買い増し(+3.17%)、持ち分法適用会社とする。
SUVのEVモデルの共同開発のニュースは次を参照のこと。
トヨタとスバル、「EV専用プラットフォーム」「SUVモデルのEV」共同開発
トヨタの電動化技術とスバルのAWD技術を活用
編集部:佐久間 秀 2019年6月6日 14:0
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2019年6月6日 発表
共同開発する「EV専用プラットフォーム」(イメージ)
トヨタ自動車とスバルは6月6日、中・大型乗用車向けの「EV専用プラットフォーム」と、Cセグメントクラスの「SUVモデルのEV」を共同開発することで合意した。共同開発した車両は両社のブランドで販売する予定。
共同開れるEV専用プラットフォームはCセグメント~DセグメントクラスのセダンやSUVなど、複数車種に幅広く応用可能として、効率的な派生車開発に対応できるよう開発するという。また、共同開発となるEVのCセグメントクラスSUVもこのEV専用プラットフォームをベースとして、両社のブランドで販売される。
なお、この合意を受けてスバルでは、これまで独自開発を中心に進めてきたEV(電気自動車)開発をトヨタとの共同開発にシフトして、技術・開発・調達などの面でさらなる効率化を図り、ユーザーにとって魅力あるEVの実現を目指すとしている。
これらのプラットフォーム/車両の共同開発においては、トヨタの電動化技術、スバルが培ってきたAWD(全輪駆動)技術を活用するなど、両社が持つ技術の強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力ある商品作りにチャレンジしていくという。
自動車業界は100年に1度と言われる大変革期にあり、両社はコネクティッド、自動化、シェアリング、電動化といった「CASE」と呼ばれる新しい領域への対応をはじめ、これまで以上に広い領域でスピード感を持った技術開発が求められているとしており、今回の合意はとくに対応が急がれるCASE領域の電動化に向けた新たな協業となっている。
スバルがトヨタの電動化技術を採用して開発したPHV「クロストレック」(国内未発売)
クロストレックに搭載されているスバル開発のトランスミッション「TH2A」。モーターはトヨタから供給を受け、基本方式としてTHSIIを採用