世界自動車大戦争(31)

但しホンダの名誉のために、次の論考を紹介しておこう。ホンダは航続距離500km超のEVを開発していると言う。楽しみである。

 

 

 

ホンダ、不退転の決意

航続距離500km超の中型車投入

Part3 EVの“現実解”

2019/08/09 20:00   清水 直茂=日経 xTECH
 
ホンダが、エンジン車並みの航続距離に達する電気自動車(EV)を開発する。EVは近距離用途のニッチな車両と位置付けていた考えを転換。欧州の環境規制中国のEV推進政策を考慮した。新しく開発するEV専用プラットフォームは、可変領域を大きくしてVWを追撃する。
 

 ホンダ電気自動車(EV)専用のプラットフォーム(PF)を新しく開発すると発表した(1)。EV航続距離は明かさないが、500kmを視野に入れる。中型車向けで、後部モーター・後輪駆動(RRを基本にする。投入時期は、2022年ごろになりそうだ。

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 1 開発中の中型EV用プラットフォーム
電池を床下に配置し、後輪駆動を基本とする。(出所:ホンダ)[画像のクリックで拡大表示]

 「都市間で移動できるCからDセグメントの車両」(本田技術研究所常務執行役員オートモービルセンターパワーユニット開発統括の松尾歩氏)を想定したPFになる。車種として、「SUV(多目的スポーツ車)やCUV(クロスオーバー・ユーティリティービークル)、セダン」(松尾氏)を用意すると明かす。

 2030に世界販売の15%近くをEVにする戦略を掲げるホンダ。新PFは、達成に向けた切り札になる。

 ホンダはかねて、EV近距離用と考えて、中長距離用には燃料電池車(FCVが“最適解”と見ていた。質量の大きな電池を大量に搭載する中長距離用のEVは、「電池を運ぶためのクルマ」(ホンダ関係者)と言える非効率な側面があり、どちらかといえば否定的だった。

 ホンダの根底にある考えは、今も変わっていないようだ。それでも中長距離用EVの開発に本腰を入れるのは、規制を強化する中国米国の一部の州の方針に対応するためだ。EVを大量に販売しなければならず、エンジン車と同等の距離を走れるEVを投入することが“現実解”だった。

 開発中の新しいPFは後ろにモーターを搭載し、後輪を駆動するRRを基本とした(2)。「ホンダらしい走り」(松尾氏)を狙う。前と後ろで操舵輪と駆動輪を分けて、操縦安定性を高めやすくなる。

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 2 後輪側のモーターとインバーター、減速機
後輪駆動を基本とする。(出所:ホンダ)[画像のクリックで拡大表示

 4輪駆動(4WD)にするときは、前側にモーターを追加して2モーター構成とし、前後輪をそれぞれ駆動する(3)。PF可変領域固定領域に分ける注1)。固定領域は全車種で共通として部品を共用しやすくする(4)。

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 3 前輪側の部品配置
充電口やインバーターを配置する。4輪駆動にするときは前輪側にもモーターを搭載する。(出所:ホンダ)[画像のクリックで拡大表示]

1)可変領域は外板や内装などで、外観などを差異化する。固定領域は例えば、電池パックの幅や後輪駆動モーターの搭載位置などである。また、車両の全幅や地上高、運転席の位置、電池搭載量などは可変領域である。

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 4 開発中の中型EV用プラットフォームの概要
電池を床下に配置し、後輪駆動を基本とする。固定領域と可変領域、選択領域に分ける。ホンダの資料を基に日経Automotive作成。[画像のクリックで拡大表示

(略)

 

 

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/at/18/00046/00003/?i_cid=nbpnxt_reco

 

 

 

ホンダはC,Dセグメントの中型車クラスのEVを開発中だと言う。航続距離は500km超だと言うので、これがホンダの本命なのでしょう。先のホンダeは、いわゆるシティコミューター的な使い方を想定したもので、環境対策用の車両なのだ。

 

何はともあれ、電気自動車の一つや二つないと、投資家に見放されてしまう世の中なので、ホンダもマツダも背に腹は変えられなかった訳だ。

(続く)