世界自動車大戦争(40)

もともと日産はルノーとの関係もあまり芳しくなく、フランス政府の意のままに動くルノーのジャンドミニク・スナール会長としては、今回の日産の役員人事に関しては、あまりよい気持ちは持っていない様だったが、ルノーも日産も業績回復が最優先課題なので、しぶしぶ受け入れたと言う事のようだ。

 

こいつは煮てもも焼いても食えない奴だと思っておくことだ。

 

 

日産新経営陣と「連携強化を最優先」 ルノー会長

2019/10/9 10:29
日本経済新聞 電子版

 

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ルノーのジャンドミニク・スナール会長は日産の新経営陣について「素晴らしい結果になった」と語った(9日、横浜市  

日産自動車筆頭株主である仏ルノーのジャンドミニク・スナール会長は9日、日産との資本関係の見直しについて「優先事項ではない。まずは(事業面の)アライアンス強化を最優先すべきだ」と述べ、急がない考えを示した。横浜市内で日本経済新聞などの取材に答えた。

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ルノーは日産に約43%出資し、日産はルノー株の15%保有している。関係をより深めようとルノー側は4月、日産側に経営統合を提案した。一方、日産はより「対等」な関係にするためルノーの出資比率引き下げを望んでおり、水面下で断続的に協議を続けている。

日産の新経営陣についてスナール会長は「非常に満足している。ベストなミックスだと思う」と述べた。日産は8日、内田誠専務執行役員が社長兼最高経営責任者CEO)に昇格し、最高執行責任者COO)には三菱自動車のアシュワニ・グプタCOOが就く人事を発表した。副COOになる関潤専務執行役員を加えた3人による集団指導体制とする。

ルノーを巡っては仏紙フィガロなどが8日、ティエリー・ボロレCEOの交代をスナール会長が計画していると報じた。ボロレ氏は日産やルノーのトップを務めたカルロス・ゴーン被告に近く、日産との信頼回復の障害になっているとの判断から、18日の取締役会で議題に含めることを検討しているという。スナール氏は9日、「色々な噂がある。ノーコメント」と述べるにとどめた。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50777950Z01C19A0MM0000/?n_cid=NMAIL006

 

 

 

ルノーのジャンドミニク・スナール会長は日産の新経営陣について「素晴らしい結果になった」と語った様だが、実態はそうでもなかったようだ。

スナール氏は、ルノー色の強いCOOに選出されたグプタ氏をCEOに推薦していたのだ。グプタ氏はルノー出身で、日産・三菱自動車と渡り歩いた人物で、ルノー・日産アライアンスの業務にも精通しているため、スナール氏はCEOにと強力に押していたが、ゴーン元会長と同じルノー出身と言う事で、日産社内の理解が得られないとの理由でCEOから外れたようだ。

だが、COOに収まっているので、いつかは日産・ルノーの統合案を持ち出してくる可能性は高い。

ひと悶着もふた悶着も、今後有りそうだ。

 

日産、集団指導体制へリスト100人 新社長に内田氏

2019/10/8 19:36 (2019/10/8 22:24更新)
日本経済新聞 電子版

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 日産の社長兼CEOに就く内田誠氏(中)、COOに就くグプタ氏(左)、副COOとなる関氏(右)

日産自動車8日、内田誠専務執行役員53が社長兼最高経営責任者CEO)に就く人事を発表した。最高執行責任者COO)には三菱自動車アシュワニ・グプタCOO49が就く。日産のトップは2代続けて事実上、解任された。新体制で業績立て直しやガバナンス(企業統治)改善、筆頭株主の仏ルノーとの関係再構築などに取り組む。

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内田氏は日産の成長戦略に深く関わってきた

日産は元会長のカルロス・ゴーン被告を201811月に会長から解任した。その後、日産の人事などを巡り、日産とルノーの駆け引きが続いた。新体制では互いに譲歩し集団指導体制とする。

 

内田氏は長くルノーとの共同事業に携わったほか、重点市場の中国でも現地法人トップを務めるなど日産の成長戦略に深く関わってきた。グプタ氏はインド出身でルノー入社後、日産での勤務経験もある。関潤専務執行役員58が副COOに就く。いずれも発令は2011日付を目指す。

 

 

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グプタ氏はルノーから日産、三菱自動車と渡り歩いた

日産はゴーン被告の解任に次いで、前社長兼CEOの西川広人氏が不正にかさ上げされた報酬を受け取っていたことなどから、取締役会の要請を受けて916日付で辞任した。後任にはCOOの山内康裕氏が暫定的に就任し、10月末までに正式な社長を選ぶとしていた。期限内に1カ月あまりで新体制を固めたが、すんなり決まったわけではない。

 

日産の指名委員会は6月に発足するとすぐに後継トップの選定を始めた。当初はサントリーホールディングス新浪剛史社長ら外部の人材を含む100人の「ロングリスト」を用意。西川氏の退任を発表した段階までに10人になっていた。同日の記者会見後に開いた指名委では、さらに6人に絞った。リストには山内康裕暫定CEO(当時COO)などが含まれていた。

 



指名委メンバーは各候補者と面談していく。海外の委員はテレビ電話システムも使って感触を確かめていった。9月末までには山内氏は候補から外れ、3人に絞られた。

 

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関氏は構造改革などの手腕を評価された

 

それが内田氏、関氏、グプタ氏だ。関氏は構造改革などの手腕を評価された。内田氏は中国の現地法人トップとして「ビジネスに最も強い」と信頼も厚い。グプタ氏はルノーから日産、三菱自と渡り歩いた。日仏連合の購買業務や商用車部門の統括などを歴任し「アライアンスの機微を最も理解している」(日産幹部)とされる。 

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攻防が本格化したのはここからだ。指名委委員でルノー会長のジャンドミニク・スナール氏らはグプタ氏を推した。一方、指名委員会委員長の豊田正和氏らは関氏、内田氏の「日本人トップ」を主張する。

「内田氏は最もビジネスを分かっているが若い」「グプタ氏はアライアンスを熟知しているが、日本人ではないことは気にかかる」「関氏は優秀でアライアンスも分かっているが、西川氏に近い」――。激しい議論が繰り広げられた。

10月初旬、まず関氏がトップに就く案が消えた。決定打は西川氏と共に作った経営再建策だ。12500人の人員削減などのリストラ策を打ち出していた。「関氏がトップになれば西川体制と大きく変わらない」(日産幹部)という懸念が広がった。

最後に残ったのは、内田氏とグプタ氏。ルノーと日産の溝は深く、108日の指名委まで決まらなかった。そこで編み出されたのが、両氏をCEOCOOに置く折衷案だ。

重視したのは社員の感情だ。日産はルノーから送り込まれた外国人トップ、元会長のカルロス・ゴーン被告によっていったんは再生を果たしたが、足元の混乱の原因にもなった。グプタ氏もルノー出身の外国人だ。ゴーン元会長に対するアレルギー反応が再び表面化しかねない。

日本人の内田氏をCEOに置き、アライアンスに強いグプタ氏をCOOにして両輪で回していく方が社内外の理解も得やすい。折衷案は8日午後の取締役会で全会一致で承認された。

 内田 誠氏(うちだ・まこと)91年(平3年)同志社大神卒、日商岩井(現双日)入社。03日産自動車入社。16年常務執行役員18年専務執行役員、中国・東風汽車総裁。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50754700Y9A001C1MM8000/?n_cid=SPTMG053

 

 

 

2019.10.8に、日産は、内田誠専務執行役員53)が社長兼CEO三菱自動車COOのアシュワニ・グプタ氏(49)がCOO最高執行責任者)、そして副COOに関潤専務執行役員58)が、新経営陣となる人事案を発表した。発令は遅くとも2020.1.1までである、と言う。

 

従って、早速このトロイカ」体制に疑問を投げかける論考も見受けられた。

 

それでは良いお年を!(来年に続く)