世界自動車大戦争(71)

トヨタブランドとしては、2019.4.16~4.25に開催された上海モーターショーで、C-HREVIZOA・イゾアの新型EVモデルを世界初披露している。発売は2020年前半となっている。

 

 

トヨタ C-HR EV & イゾアEV、中国EV戦略の先陣を切る…上海モーターショー2019

 

2019418日(木)0930

トヨタ C-HR EV(上海モーターショー2019)

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トヨタ自動車は上海モーターショー2019で『C-HR EV』と、その兄弟車の『イゾアEV』を初公開。ガソリン車とは異なる専用のフロントマスクがお披露目となった。

C-HRは中国では、トヨタ自動車と広汽集団の中国合弁、広汽トヨタから発売されている。一方、トヨタ自動車第一汽車の中国合弁、一汽トヨタ向けに用意されるC-HRの兄弟車が、イゾアとなる。両車の違いは、基本的に車名のみ。

このC-HRとイゾアをベースに開発したEVが、C-HR EVとイゾアEVだ。トヨタブランドとしては、中国初投入となるEVで、2020年に販売を開始する。

トヨタは、このC-HRとイゾアのEV2車種を皮切りに、2020年代前半には、グローバルで10車種以上のEVの展開を計画。2030年には、グローバル電動車販売550万台以上の目標を掲げている。

     《ショーカーライブラリー》

 

https://response.jp/article/2019/04/18/321518.html

 

 

 

そしてレクサス初のEVは、SUVの「UX300e」である。2019/11/22中国の広州モーターショーで初披露となった。中国では、レクサスはかなり健闘しているようで、販売も上々と言う。だからEVのレクサスを初披露したわけだ。

 

 

レクサスとHVが武器 トヨタEV、中国でVW猛追

2019/11/29 6:30
日本経済新聞 電子版

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 トヨタの高級ブランド「レクサス」が発表した初のEV22日、広州モーターショー)

トヨタ自動車が世界最大の自動車市場、中国で電気自動車(EV)需要の取り込みに動く。11月下旬に広州国際自動車展覧会(広州モーターショー)で世界初披露した高級ブランド「レクサス」や、「C-HR」などのEV2020年に一斉投入する。補助金削減で足元で逆風が吹く中国EV市場だが、レクサスブランドや長年培ったハイブリッド(HV)技術を武器に先行する独フォルクスワーゲンVW)を追撃する。

日本市場の5倍にあたる年間2千万台以上の新車販売がある世界最大の自動車市場の中国。南部、広東省省都である広州では年1度、国際自動車ショーが開かれる。22日開幕の今年の広州モーターショーでは、広汽トヨタなど中国で製造・販売を手掛ける現地合弁はブースを構え、その入り口の目立つ「一等地」にはEVがあった。

中国はEV経済振興の国策の目玉に位置付けてきた。177英政府40年までにガソリン車やディーゼル車の販売を全面的に禁止すると発表。その直後に中国もガソリン車やディーゼル車の製造・販売を禁止する方針を示した。すぐに反応したのがVWで、中国でのEV戦略を打ち出した。規制を作るワーキンググループのトップにVW出身者が就くなど、中国のEV市場での先行を目指す動きを強めた。

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欧州発のEVシフトが中国にも波及し、EV市場の争奪戦が始まったのがまさに17年だった。そのころトヨタなど日系メーカーのほとんどはEVの事業性や普及ペースを慎重にみていたEVシフトを打ち出す欧州勢を横目に「準備は虎視眈々(たんたん)としている」と、日系メーカー幹部は当時話していた。

そこから約3年、準備をしてきたトヨタ本格的にEVを中国市場に投入する。中国で最初に市販するとみられるEVレクサスにする狙いの一つは「中国で勢いのあるブランドだけに、その力でEVに初速をつける」(関係者)ことだ。米JDパワーが実施した19年の中国自動車商品魅力度調査によると、高級車部門でレクサスは「ポルシェ」「BMW」に次いで第3位で、中国の消費者の支持を集めている。国内で生産するため品質のコントロールをしやすく「日本製」と銘打って販売できることも追い風となった。

レクサスの沢良宏執行役員は同ブランドとして初となるEVの発売時期を20年春に決めたことについて「本当の意味で技術力が問われる。HVで培った技術が強みになる」と強調する。補助金が縮小し、EV市場に追い風が弱まる中での投入になるためだ。

中国で初披露したレクサスEVは「UX300e」で、SUV(多目的スポーツ車航続距離は約400キロメートルだ。価格は未定だが、20年春の中国以降、同年夏に欧州、21年前半に日本でも販売を始める。電池を床下に配置し、低重心化することで操縦性を高め、運転の楽しさをより感じられるようにした。

中国でのレクサスのマーケティング責任者は「EVに対して、航続距離や安全性に不安を抱える消費者は多い」と説明。品質や安全性への要望に応える設計とした。そのうえで「レクサスの『匠』のDNAを受け継ぎながら、HVで蓄積した電池管理のノウハウを生かし安心できる利用体験を提供したい」と強調した。

1997年に発売され一世を風靡した「プリウス」に代表されるHVの技術は、トヨタに一日の長がある。20年以上にわたって培ってきたのは、電池の劣化を抑え長く安定して使えるようにしたり、モーターをきめ細かく制御し速度を微調整したりする技術だ。この点を強調することで消費者の信頼を勝ち取る構えだ。

走行中車内の騒音や揺れを抑えるといったデザインにとどまらないこだわりも中国人に受けたという。110月のレクサスの販売台数は181年間の実績を上回っており、沢執行役員は「ものづくりの品質が受け入れられ、中国の人が共感している」と分析する。

その一方、ライバルで中国乗用車市場でシェアトップのVWは、広州モーターショー開幕の前日に独自の発表会を開き、かねて重視してきた中国市場の重要性を改めて訴えた。中国子会社のステファン・ウオーレンシュタイン最高経営責任者CEO)は「20年に40億ユーロ(約4800億円)以上を中国市場に投じる」と中国事業を強化する方針を強調した。

VWと比べると中国でのEVシフトに出遅れた印象のあるトヨタだが、EVを想定した仲間作りも加速する。7月には電池分野で世界最大手の中国・寧徳時代新能源科技CATL)と包括提携をした。電池の安定調達の体制を整える考えだ。

さらに中国EV大手の比亜迪(BYD)とはEVの共同開発で合意しており、研究開発の合弁会社20年後半に設立する。EVやプラットホーム(車台)、関連部品を共同で開発する。両社は20年代前半にトヨタブランドEVを中国で投入する方針を示しており、中国などで進む自動車への環境規制に対応する。

HVで当面の収益を稼ぎながらブランドを浸透させ、仲間作りなどを通じて製品としての水準を高めたEVを順次投入する――。中国でのシェア7%トヨタが、約20%を握るVWを猛追する戦略だ。本格的に幕を開けたEV時代。世界最大の中国市場で熱を帯びる両社のせめぎ合いはEVの世界市場の趨勢を決定づけることにもなりそうだ。

(湯沢維久)



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52743570Y9A121C1L91000/?n_cid=SPTMG053

 

 

このトヨタEVUX300eは、

 

2020年春に中国で発売し、

2020年夏には欧州、

2021年前半には日本でも発売される予定である。

 

トヨタHVで電動化の技術を磨き各種の知識も蓄積しているので、いつでもEVは市販できると豪語していたが、(豪語している割には危ういようだが)C-HR-EVU-300eを投入し、いよいよそれが本格化すると言う事だ。

 

もともとトヨタは全方位で、HVPHVもそしてFCVEVも研究開発しているので、いつEVを出すのかと疑問視されていたが、いよいよその疑いも払しょくされると言う事か。

 

果たして中国で売れるのか、注目したいところだ。

 

このクルマは九州は福岡県の宮田工場で生産するようで、タイミング悪く中国でのEVへの補助金が減額されて、EVの売り上げが鈍っている時の投入となる。2020年は、トヨタにとって、ある意味勝負の年となろう。


(続く)