世界自動車大戦争(91)

池田氏のこの言葉こそが正解であり、

 

 間違ってはいけないのは、バッテリーを使い切って、HVモードになることは負けではないということだ。むしろ使い切れないバッテリーのせいで価格が上がることが負けなのである。「毎日ぴったり使い切り」こそが真の理想で、使い残すくらいならむしろ多少HVで走った方が良い。

 

これが、クルマの環境にやさしい使い方なのである。

 

EVが安価で提供できるのなら問題はないが、世の中はそうは問屋が卸してくれないのである、EVのバッテリーは高すぎで、一般には手が出ない。手が出ないと言う事は、(EVは)普及しない、と言う事である。これでは環境対策には、一向に、ならないのである。

 

清水氏の言う通り、PHVの方が普及しやすいし、それだけPHVEV走行が増えると言う事である。

 

 

 

年間1万キロ走るユーザーにとって、日割りの平均走行距離は27.4キロに過ぎない。初代プリウスPHVEV走行距離は26.4キロであり当時のバッテリーの容量はわずか4.4kWhに過ぎなかった(2代目は8.8kWh68.2kmEV走行距離)

 

と言う事であるので、仮に2代目「プリウスPHV」(EV走行距離68.2km)のユーザーであれば、

 

年間走行距離  日当たり  PriusPHV  充電サイクル

10,000km     27.4km/d 68.2km  1/2.5

5,000km    13.7km/d 68.2km 1/5.0日    となるので、

 

プリウスPHVであれば、日常のクルマの使い方が買い物程度(年間5,000km程度)であれば、5日に1回の充電で済むことになる。

 

また例えば、往復70kmもの通勤であれば、毎日充電しなければならないことになり、はなはだ厄介なことになろう。

その場合は、通勤は大半がHV走行、買い物などがEV走行と言った使い方にならざるを得ない。

 

それでもCO2の排出は嫌だ、と言うことになれば、走行可能距離500km程度の能力のある電気自動車で、500/70=7.1で、1週間に1回の充電が必要になると言う事である。

 

このいずれの場合でも、充電設備が身近にあることが必要となろう。自宅にあればそれに越したことは無いが、勤務先などでそれなりに自由に8h程度使える充電器があることが必須事項となる。

 

 

と言う事は、そこまでしてEVを求めることが本当にエコなのか、と言う事を分析してみることも必要となるのではないのかな。

 

 

環境省では、「CO2排出係数」なるものを公表している、と言う。

 

 

これは、1kWhの電気を作るのに排出するCO2の量(kg)を表す指標である。

 

それによると、大手電力会社1kWhの電気を作るのには、0.5kgCO2を排出する、と言うことになっているそうです。

 

大手電力会社のCO2排出係数」 = 0.5kg-CO2/kWh

これに対して、日産「リーフ」は、40kWhの電池容量で、実用航続距離は200km程度だそうです。

 

カタログ値は、400kmだがアメリカでは240kmがカタログ燃費となっているそうです。そこで仮に

 

日産リーフ

 

電池容量 40kWh

航続距離 200km     と仮定すると、40kWh÷200km = 0.2kWh/km

 

と言う事で、日産リーフは、1kmの走行では0.2kWhの電力を使うことになります。

 

これに先の「CO2排出係数」を使うと、 0.5kg-CO2/kWh ✕ 0.2kWh/km = 0.1kg-CO2/km となり

日産「リーフ」は、1km走るのに0.1kgCO2を排出すると言うことになる、訳である。

 

これは、次の論考に書かれているものである。早速それらを参照願いたい。

 

 

 

 

 

 

電気自動車は本当にエコなのか、検証します

https://power-hikaku.info/column/ev-co2.ph

  •    文:管理人石井 2020217日更新

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  • 電気自動車は本当にエコなの?

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 「走行中の」二酸化炭素排出量がゼロの電気自動車。しかし発電の多くを火力発電に頼っている我が国では「電気自動車はエコではない」と主張する人も少なくありません。



 というわけで、実際の数値を元に電気自動車のCO2排出量を試算してみます。



 

 

  試算の前提



 まずは、試算をするにあたって前提となるデータをまとめたいと思います。



  EVの実際の性能



 まず重要なのが電気自動車の性能です。

 

車種

日産リーフZE1

電池容量

40kWh

カタログ上の
航続距離

400Km

実際の航続距離

200250Km程度



 新型の日産リーフの航続距離は、日本のカタログ表示では400Kmとなっていますが、アメリカのカタログ値(基準が異なる)では240Kmとなっています。



 この記事では、充電時の電気ロスやバッテリーの劣化なども考慮して「40kWh200Km走行可能」と仮定したいと思います。



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  発電時のCO2排出量



 発電時の二酸化炭素排出量については、環境省を通じて公表されている「CO2排出係数」を見るのが分かりやすいです。


(続く)