と言う事は、値段も相当に安く相当数売れているHV車のほうが、EVよりもかなり環境にやさしい、と言う事が言えそうだ。
プリウスとリーフの国内販売と価格は次の通り。
プリウスHV リーフEV HV/EV
2019年 125,592台 19,789台 6.3倍
2018年 115,462台 25,722台 4.5倍
価格 3,234,000円 4,056,800円 上から2つ目のグレードを選択
モデル(Aプレミアム) (X-vセレクション)
販売台数は、次から借用した。価格はそれぞれのホームページより。
プリウスは、
トヨタ プリウス 新車販売台数推移
2020年3月6日
https://kuru-ma.com/prius_hanbaidaisu/
リーフは、
日産リーフの登録台数(国内)
http://greenmute.com/leaf_daisu.html
HV車のプリウスの方が相当売れていると言っても、絶対数を見ないとその程度が判らないと思い、調べてみた訳だが、プリウスのほうが一桁多い販売台数で、価格もそれなりにお得となっているから、CO2の環境問題に関しては、EVは何にも、と言ってよいほど、環境には(HVほど)優しくない、と言う事ではないのかな。
それなら、何もEV、EVと騒ぐことは無い、と言う事だ。だからトヨタは騒いでいない、と言う事か。
まあ「HV憎し」、「トヨタ憎し」と、どこもかしこも(EUも中国もアメリカも)HV外しをやっているわけだが、これではどこも環境に悪影響をもたらすことをやっている、と同じことではないのかな、特に中国は。
日産リーフは、2019年3月に累計販売台数が40万台となった訳だが、上記の数字を見ると、それがどれほど環境に良いことかと言うと、ただそれだけのこと、と言う事なのである。
何と言っても、トヨタのHV車は、初代のプリウスが1997年10月に「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで発表(発売は12月、COP3も12月京都でした。)されてから20年たった2017年1月に、世界販売台数が1,000万台を超えている。この20年間でのCO2の削減量は、累計で7,700万トンの達していると言う。
とてつもない量となる。それでも地球は異常気象に悩まされている。今は中国・武漢のコロナvirusで頭がいっぱいであるが、環境問題がこの地球で最重要課題となっている、と言っても過言ではないのである。
プリウス20周年の軌跡、燃費向上とCO2排出量削減のスゴイ成果
2018-01-15 05:08
“トヨタHV効果”でCO2排出量が
毎年平均400万トン程度も削減
1997年12月、世界初の量産ハイブリッド車(HV)としてトヨタ・プリウスが発売された。2017年は、プリウス誕生20周年。このアニバーサリーに、トヨタは歴代プリウスに関する技術の変遷をメディア関係者に披露した。
興味深いデータとして、CO2排出の削減量がある。1stモデル発売から17年1月にHV累計販売台数1000万台を達成するまでの20年間で、CO2排出削減量は累計7700万トンに達するという。自動車交通による日本全体のCO2排出量は、16年時点の推定で年間約2億トン(全国地球温暖化防止活動推進センター調べ)。プリウスが発売された97年当時は約2億4000万トンだった。“トヨタHV効果”による排出削減量が7700万トンだから、毎年平均400万トン程度が削減された計算になる。
1stプリウスは、国土交通省審査値の燃費が当時の10.15モードで28.0km/リットルだった。最新プリウス(4thモデル、15年デビュー)の国土交通省審査値の燃費データは、JC08モードで、40.8km/リットルである。JC08モードは、10.15モード比で燃費値が10%程度低下する。したがって、1stモデルと最新モデルを単純に比較はできない。それでも、モードの違いを考慮して計算すると、4thプリウスは20年前の1stモデル比で約35%の燃費向上になる。
これだけ燃費効率がアップした理由について、トヨタは「モーターの進歩、制御機構および制御プログラムの進歩、バッテリーの進歩、エンジン本体の熱効率の進歩、HVシステム重量の軽減、タイヤの低転がり抵抗化など、さまざまな部分での改良の積み重ね」と説明している。...
たとえばモーターは、1stモデルが最高出力30kWでコア体積5.1リットルだったのに対し、現在は53kWで2.2リットルと高出力化と同時に小型化している。コア体積1リットル当たりの出力は5.9kWから24.1kWへと、約4倍になった。これに電圧を加えた出力密度で見ると、約4.2倍である。
バッテリーパックの小型軽量化も燃費の向上に貢献している。1stモデルの前期型は、単1電池を6本つなげたような円筒形電池を240本使って288V(ボルト)を得ていた。体積は約95リットルだった。2ndプリウスから昇圧システムが導入され、これが改良されて、現在のバッテリーパックは後部座席の下に収納できる約30リットルの体積になっている。体積比でいえば、68%の小型化になる。
この背景にはパワー半導体の発達があり、初期型モデルと現在を比べると、システム電圧で2倍、素子面積当たりの損失は79%も削減されている。
1stプリウスから現在まで、HVを担当してきたベテラン技術者にプリウスのエピソードを聞いた。すると、こんなコメントが返ってきた。
「1stモデルの後期型から米国に輸出を開始したが、冬季に気温が低くなるニューヨークで、ニューヨークタイムズ紙に『暖房を入れるとそれほど燃費がよくない』と評価された。じつはその点が最も危惧したところなので、痛いところを突かれたと思った。そこからエアコンの改良と室内の断熱を徹底的に研究した。2ndモデル(03年)で世界初の電動コンプレッサー式インバーターエアコンを採用し、3rdプリウス(09年)は排熱回収機を導入した。現在のモデルは、PHV(プラグインハイブリッド車)にガスインジェクション機能付きのヒートポンプエアコンを採用した。HVの改良は空調機能の改良の歴史でもある」
独自のエアコン改良で
暖房時の燃費低下を克服
じつは、こうしたエアコンの改良はエアコンメーカーに全面的に依頼するスタンスをとらず、トヨタが積極的に開発にかかわっていた。
ヒートポンプエアコンという技術で、室温が下がると急激に消費電力が大きくなるという欠点を克服した。現在は、室内がマイナス10度のときにエアコンを作動させても、省電力で運転できる設計になっている。
トヨタは、“2050年にトヨタ車からのCO2排出総量を10年実績比で90%削減する”という目標を設定している。これは、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)のようなCO2排出ゼロのクルマに置き換えるという意味ではなく、内燃機関(エンジン)を積んだHVとPHVをラインアップの中心に据えながら、高効率化を追求し、CO2排出量を抑えるという意味だ。
すでに「5thプリウスの商品企画は始まっている」というトヨタが、どのようなHVの発展を見せてくれるか、じつに楽しみである。
(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)
https://diamond.jp/articles/-/155738?page=2
(続く)