更には60Lの水素タンクを10本前部屋根上に搭載しており、それでも約200kmしか走らないと言う。600Lの水素で200kmばかりの航続距離だと言うと、0.33km/L 、水素1Lで330mしか走らないと言う事か。1km走るのに水素が3Lも必要と言う事。かなりの水素食いだ。
セダンのミライの燃費が5.3km/L(650km/122.4L、他も70Mpaとして)なので、大型バスの燃費はそんなものか。一般の大型観光バスの燃費が3km/L当たりのようなので、FC-BUSの燃費はその十分の一程度と言う事で、相当に悪いのではないのかな。水素はそれなりにまだまだ改善の余地があるようだ。
まあ今のところ、唯一CO2を排出しない長距離運行ができるバスと言う事で、その存在価値をPRすることではないのかな。
トヨタは昨年、EUで燃料電池バスを初公開している。愈々EU版SORAのお出ましの様だ。実際の商業運行は、2020年の後半以降になるようだが。この燃料電池バスの燃費は、少し良いようだ。
トヨタが燃料電池供給、新型FCバス発表…バスワールドヨーロッパ2019
2019年10月21日(月)17時45分
トヨタ自動車(Toyota)の欧州部門は10月18日、ベルギーで開幕した世界最大のバスモーターショー、「バスワールドヨーロッパ2019」において、ポルトガルのバスメーカーのカエタノ・バス社が、トヨタの燃料電池システム搭載のFCバスを初公開したと発表した。
カエタノ・バス社は、カエタノ社の商用車の開発・製造子会社として、1946年から生産を開始した。最近ではEVバスを開発し、欧州各国で販売している。
また、カエタノ社とトヨタは1968年、商用車の欧州への供給拠点として「トヨタ・カエタノ・ポルトガル」を設立した。長年にわたり構築した信頼関係に加えて、バス開発と製造の実績を踏まえて、FCバスの分野に提携を拡大している。
カエタノ・バス社は、バスワールドヨーロッパ2019において、トヨタの燃料電池システム搭載のFCバスを初公開した。燃料電池スタックは、バスの屋根の上に搭載する。水素は、合計容量37.5 kgの5つの水素タンクから供給する。航続は最大400km。水素の充填は、9分以内に行える。
このFCバスは、『H2.シティゴールド』と命名された。2020年半ばに商業化されるまでの数か月間、ヨーロッパのさまざまな都市で試験運行を行う予定、としている。
https://response.jp/article/2019/10/21/327837.html?from=fullrl
水素容量37.5kgで、400km走ると言う。
水素の1L=0.0898kg(/N㎥)と言う事なので、
(http://www.iwatani.co.jp/jpn/business/industrialgas/products/004h2.html
Iwatani より)
37.5kg/0.0898kg/㎥=417.6㎥(L)、これで400km走るので、400km/417.6L=0.958km/L
と言う事で、平たく言うとこのEU向けのBUSは、水素1Lで958mの走行となろう。
ミライの燃費が5.3km/L(650km/122.4L)なので、EU向けバスは958m/Lとなる、約1kmと言う事か。
SORAが水素1Lで330mしか走らないから、大幅に水素燃費は改良されている、と言う事か。それにしても水素燃費は、お世辞にもよいとは言えないようだ。
間違いがあれば、何なりとご指摘願う。
但し、これは完全にCO2フリーのZEVタイプのバスである、と言う事を念頭に置くことである。ますますもって水素ステーション網の確立が待たれる、と言う事である。
先の東京モーターショーでは、ドイツのダイムラー傘下の三菱ふそうが「燃料電池トラック」のコンセプト車を出展していた。
小型トラック「Vision F-CELL」を初披露した訳だが、三菱ふそうは「eCanter」と言う小型の電気トラックを、2017年から発売しているので、商用車のZEV化にも熱心のようだ。
ただ「eCanter」は3tトラックで航続距離はたったの100kmなので、三菱ふそうとしても、FCトラックは是非ともものにしたい、ものであろう。しかも重い電池を載せている関係で、ディーゼルに比べて最大で積載量は400kgは減る、と言われているので、燃料電池トラックは是非とも必要なのであろう。
ただ「Vision F-CELL」の燃料電池トラックのFCシステムは、中国の「Re-Fire」と言う会社から調達していると言う。BMWもトヨタからFCスタックの供給を受けているようなので、ドイツには燃料電池を造るメーカーは今のところない、と言う事か。
この「Vision F-CELL」の燃料電池の発電能力は46kWと言うので、トヨタのMIRAIやSORAのものは、114kW(155PS)(SORAは2台)であるので、やや小柄なものであろう。それにしてもセダンのミライが114kWで小型とは言えトラックの「Vision F-CELL」が46kWと言うのは少し小さすぎないのではないのか、と疑問が湧くものである。それとも、一基ではなくて、四基以上搭載しているのかな。
東京モーターショー2019:三菱ふそうの燃料電池トラックは「コンセプトカーだが走行可能」
» 2019年10月28日 06時30分 公開 [朴尚洙,MONOist]
三菱ふそうトラック・バスは、「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日~11月4日、東京ビッグサイト他)において、燃料電池小型トラック「Vision F-CELL」を初披露した。同社の小型電気トラック「eCanter」に続き、電動技術を活用したゼロエミッションの商用車の将来展望を示すコンセプトモデルで、量産時期は未定だ。
「Vision F-CELL」と三菱ふそうトラック・バスのハートムット・シック氏(クリックで拡大)
「Vision F-CELL」の外観
同社 社長兼CEOのハートムット・シック氏は「当社は、2017年にeCanterの少量生産に踏み切ることで業界をリードしてきた。現在までに、日本、米国、欧州市場で140台以上を出荷しており、それらの走行距離は合わせて100万kmに達する」と語る。
この成功を基に、同社を傘下に収めるダイムラー(Daimler)は大型電気トラックを米国と欧州市場に試験的に投入している。「ダイムラーのトラック部門は電気トラックの技術で業界をリードしている。今後も、グローバルプラットフォームとして開発を進めて行く」(シック氏)という。
(続く)