中国武漢・新型コロナウィルス(14)

きっとこの石正麗研究員は、SARSウイルスかエイズウイルスを必要な部分だけ、コウモリのコロナウイルスに合体させて人間にうつるようにして、中国武漢新型コロナウイルスを作成したのではないのかな。もともとコウモリのこのコロナウイルスは、人間にはうつらないものであった。それを人間のたんぱく質に結合できるように人工でキメラを造り、人に感染するようにしたものではないのかな。そんな論調もたくさんあるようだ。

 

そんなウイルスが流出したのだ。恐ろしいことだ。だからこの軍の専門家は、「最悪な状況を覚悟する必要がある」と言ったのだ。人民解放軍のこの専門家は、このウイルスが人工のものだと言う事を、承知していたものと思われる。だからその厄介さは、十二分に理解していたわけだ。

 

しかも(後から紹介するが)中国政府は20199には、「新型コロナウイルスの発生による緊急演習」を実施していたと言うニュースもある。この演習がどんなものかは知らないが、と言う事は、20199月には新型コロナウイルスによる肺炎患者が出ていたものと推察できるし、それなりにこの新型コロナウイルスが恐ろしいものだと認識していたわけだ。ますます生物兵器臭さが増すと言うものだ。

 

だが、中国の「財新」と言う独立系の週刊経済誌には、この石正麗研究員の言い訳が載っている。

A4にして8ページにも及ぶ長文だ。「人工で製造することは不可能」と言うものであるが、但し誰も信用はしないであろう。

 

 

 

https://toyokeizai.net/articles/-/329766

新型コロナウイルス生物兵器論」は本当なのか

専門家見解「人工で製造することは不可能」

財新編集部  20200212

 

不安心理から真偽不明の情報も多数飛び交っている(写真:新華社/アフロ) img_a4b新型コロナf233527

新型コロナウイルスは人間が造った生物化学兵器だ」という言説が、中国の内外で広まり始めている。中国の独立系メディア「財新」の取材班は、疑惑の根拠とされる論文や国内外の専門家を独自に取材。生物兵器説の真偽を検証している。

陰謀論者は科学を信じません。私は国の専門機関が調査を行い、私たちの潔白を証明してくれることを望んでいます」。中国科学院武漢ウイルス研究所の女性研究員である石正麗は、24日、財新記者の取材に返信してこう述べた。「私自身の言葉には説得力がありません。私は他人の考えや言論をコントロールすることはできないのです」

本記事は『財新』の提供記事です

石正麗は、中国科学院の新興および劇症ウイルスとバイオセーフティーの重点実験施設の主任や武漢ウイルス研究所新興感染症研究センターの主任、河北省科学技術庁2019新型肺炎救急科学技術難関攻略研究プロジェクト」救急難関攻略専門家グループのグループ長を務めている。

 

新型コロナウイルス肺炎の感染拡大が厳しい状況を迎える中で、彼女の所属する実験施設が新型コロナウイルスの発生源ではないか、という「疑惑」の渦中へと巻き込まれた。

新型コロナウイルスは人間が造った生物化学兵器だ」「新型コロナウイルス武漢ウイルス研究所の実験施設から流出したものだ」……。新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、新型コロナウイルスと中国科学院が武漢に持つウイルス研究所との間に関連があるとソーシャルメディアで発信する人が後を絶たない。
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公開されている資料によれば、中国科学院が武漢に持つウイルス研究所は中国で唯一のバイオセーフティーレベルP4の実験施設を有している。石正麗は当該実験施設の副主任であり、バイオセーフティーレベルP3の実験施設の主任だ。

P4とは国際基準で危険度が最も高い病原体を扱えるバイオセーフティーレベル(BSL)の最高防護レベルを表し、高度に危険な研究やいまなおワクチンや治療方法が知られていない病原体を専門的に扱う研究施設で用いられる。

なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか

噂は人々の心の中に疑惑を植え付け、想像をかき立てた。例えば、なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか。なぜウイルスを人に伝えた病原体、つまり中間媒介に当たる宿主が見つからないのか。ウイルスのもともとの宿主はコウモリであり、そして石正麗の実験施設はまさにコウモリに関するウイルス研究における学術的な権威なのだ。

石正麗のチームはかつて2017年に、SARS重症急性呼吸器症候群)ウイルスがいくつかのコウモリを起源とする、SARSコロナウイルスが変異したものであることを突き止めた。

新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、石正麗のチームは123に、生物学論文のプレプリント・プラットフォーム(注:論文原稿を査読の前にいち早く公開するためのサーバー)であるbioRxivで、「新型コロナウイルスの発見とそれがコウモリを起源とする可能性について」という研究論文を発表した。

その研究の中で、新型コロナウイルス2003年のSARSウイルス(SARS-CoV)のDNA配列の一致率は79.5%雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスとの一致率は96%に達していることが明らかにされており、コウモリが新型コロナウイルスの起源である可能性が示されている。

この研究はすでに実験レベルにおいて新型コロナウイルスSARSウイルスの関連性を証明しており、またその起源がコウモリである可能性を示している。この論文は査読を終えた後の23、国際的なトップレベルの学術ジャーナル誌『ネイチャー』で発表された。

新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちら(画像をクリックすると週刊東洋経済プラス緊急リポートのページにジャンプします)

https://premium.toyokeizai.net/articles/-/22903?utm_campaign=MK%20wk-single_2002Caixin&utm_source=edTKO&utm_medium=article

 

外部からの疑惑と非難に直面した石正麗は、22微信WeChatのモーメンツで怒りに燃えて次のように反応した。「2019年の新型コロナウイルス大自然が人類の愚かな生活習慣に与えた罰だ。私、石正麗は自分の命をかけて保証する。実験施設とは関係がない。不良メディアのデマを信じて拡散する人、インドの科学者の信頼できないいわゆる学術的な分析を信じる人にご忠告申し上げる。お前たちの臭い口を閉じろ」と。 img_2c疫病都市5286

 

その後、石正麗は財新記者に対して、専門的な問題を専門家ではない人々とは議論したくないと説明し、「話が通じない」「無益で、時間の浪費だ」と語った。彼女はまた「私があなたに言えるのは、私たちが合法的にルールにのっとって実験活動を行ってきたということです」と述べた。

ソーシャルメディアにおける疑惑の声

最も早く石正麗の実験施設と新型コロナウイルスとを関連づけた言説の1つは、1月下旬のものだ。中国中央電視台CCTV)で2018年に、武漢ウイルス研究所が主導する科学技術チームがコウモリに起源を持つ新型コロナウイルスの一種(SADS-CoV)を発見した、と報道されていたのをある人物が見つけ、新型コロナウイルス2019-nCoV)との関連性があるのではないかと臆測した。

実際には、2018年に発見されたのは「豚急性下痢症コロナウイルス」で、新型コロナウイルスとは分類学上異なる種類のウイルスだ。二者のDNA配列の相似率は50%であり、そこには大きな隔たりがある。

それに続いて、別の人物が国際医学誌の『Nature Medicine』で2015119日に発表された石正麗が関与している研究論文を見つけた。当該研究論文は中国馬蹄コウモリで見つかったSARSに似たコロナウイルスの一種(SHC014-CoV)が疾病を引き起こす可能性に関するもので、研究者はSARSの遺伝子をリバースジェネティクス(逆遺伝学)の手法を活用して一種のキメラ・ウイルスを生成ならびに同定した。

簡単に言えば、このキメラ・ウイルスはSHC014の表面タンパク質とSARSウイルスの骨格によって構成されている。キメラ・ウイルスは人体の呼吸器細胞に感染できたので、人体細胞のキーとなるレセプターと結合して感染するのに必要な仕組みを、SHC014の表面タンパク質が備えていることが証明された。

キメラ・ウイルスはネズミの疾病を引き起こしたが、死に至らしめることはなかった。研究論文では、コウモリの間で現在流行しているウイルスがSARS-CoVSARSウイルス)の感染拡大を再び引き起こす潜在的なリスクについて述べられている。

指摘する必要がある点は、この論文には全部で15名の執筆者がいることだ。執筆者たちはそれぞれアメリカのノースカロライナ大学アーカンソー州やジェファーソン市の食品薬物管理局国家毒物学研究センターなどに所属しており、そのうちの2名が中国科学院武漢ウイルス研究所の研究者である葛行義と石正麗なのだ。

執筆者の中で、葛行義は偽型実験を担当し、石正麗はSHC014棘突起タンパク質のDNA配列とプラスミドを提供している。実験の計画と実施はどちらもノースカロライナ大学チャペルヒル校の実験施設で進められた。

疑問を呈する人々はこの研究を根拠として、新型コロナウイルス4年前の実験によって改変されたウイルスであり、実験施設から流出したという可能性について論じている。

彼らはまた、『ネイチャー』の経験豊富な記者デクラン・バトラーDeclan Butler)が2015年に書いた記事や、パスツールPasteur)研究所のウイルス学者ウェイン・ホブソンSimon Wain-Hobson)がかつて述べた「もしウイルスが流出したなら、その拡散する経路は誰にも予測できないだろう」という言葉を引き合いに出している。

その後、この都合よく背景と前後の因果関係を切り取られた情報は、ソーシャルメディア上で広められた。石正麗と彼女のチームを「実名で通報」したり、直接顔を合わせて問いただしたりする人々さえいた。ここで述べておかなければならないのは、それらの疑惑を呈した人々はいずれもウイルス関連分野の専門家ではなかったということだ。

財新記者は『ネイチャー』のバトラー記者が書いた上記の記事を調べてみた。実際には、バトラー記者の記事は中立的な立場で、彼は異なる2つの見方を両方とも引用しており、「機能獲得性研究」が引き起こした議論について詳述している。

ウイルスの「機能獲得性研究」とは、実験施設の中で病原体が持つ毒性や拡散の容易性を増強するか、またはウイルスの宿主の範囲を拡大し、ウイルスの特性を研究し、新しい伝染病として評価する研究手法を指す。

バトラー記者の記事によれば、ある専門家はこの種の研究に反対している。例えば、ウェイン・ホブソンがそうした実験に反対する理由は、この種の研究には何ら有益な点がなく、コウモリの体内に潜む野生のSHC014ウイルスが人間にもたらすいかなるリスクをも明らかにするものではないと考えているからだ。

アメリカのラトガース大学に所属する分子生物学者であり、ワクスマン微生物研究所の実験施設主任でもあるリチャード・エブライトRichard Ebright)は、「この種のプロジェクトのもたらす唯一の成果は、実験施設の中で新しい非自然的なリスクを作り出すことだ」と考えている。ウェイン・ホブソンとリチャード・エブライトは共に「機能獲得性研究」を長年にわたって批判している研究者だ。

報道によれば、アメリカの国立衛生研究所NIH)は、201310月から、この種の研究に対するすべての援助を一時的に停止しているが、この実験が当該機関による審査期間中は継続されることを許した。この種のプロジェクトには研究を停止させるほどのリスクが認められないとNIHが結論を下したからだ。

実験は病原体を識別する助けになる

だが、この種の研究には確かに有益な点があると考える学者もいる。例えば、研究組織「生体健康連盟」の総裁であるピーター・ダザックPeter Daszak)は、この種の実験が取り急ぎその危険性を考慮しなければならない病原体を識別する助けになり、いっそうの関心を集めることができる、と考えている。彼は例を挙げて、もしこの研究が行われなかったなら、SHC014ウイルスは今でも脅威とは見なされていなかっただろうと述べている。

科学者たちはこれまで、分子の水平モデリングとそのほかの研究に基づいて、このウイルスが人には感染しないと考えていたが、実験によって初めてこのウイルスがすでに人のレセプターと結合できることが明らかにされたのだ。ピーター・ダザックはかつて石正麗のチームと一緒に協力して科学研究を行ったことがある。

国内の生物化学の専門家の1人が財新記者に解説してくれたところによると、バイオセーフティーを保証できるという前提のもとで、この種の病原体の機能獲得性研究は、ウイルスの作用や拡散の仕組み、特性をいっそう深く認識し、未知のウイルスをよりよく予防するのに役立つそうだ。

「細菌についての研究は相対的に進んでいますが、動物に由来するウイルスについてわかっていることはまだまだ多くありません。もしウイルスを研究するなら、獲得性の機能研究が確実に必要とされるでしょう。ただし、各種の流出を防止しなければなりません」と、その専門家は語っていた。「科学はもろ刃の剣なのです」と。

 

(続く)