中国武漢・新型コロナウィルス(27)

さて次は「Japan Forward」と言う英語ニュース・オピニオンサイトに掲載された「中国は20年に渡り生物兵器の研究をやってきた」と言う論稿を紹介しよう。

 

これは2020.4.13の週刊正論編集部でも紹介されているものであるが、探してみると、その他いろいろなところでも紹介されているものである。

 

 

中国の軍事研究者たちはこの20年、生物兵器開発に注力してきた

Monika Chansoria 2020.04.08 11:22 pm

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中国の独立系メディア「財新」は、中国の研究所が201912月末までに謎のウイルスを非常に高い感染力の新たな病原体として確認していたことを明らかにした。ウイルスは、後にCOVID-19として識別された。しかし、研究所は当時、さらなるテストの中止、サンプルの破棄、そして情報を可能な限り秘匿するよう命じられた。

 

今回のパンデミックの発信地である中国・武漢の衛生当局は、202011日以降、原因不明のウイルス性肺炎を特定するサンプルを破壊するよう研究所に要求したのだ。中国政府は、人から人への感染が起きている事実を3週間以上も認めなかった。

 

「財新」は、非常に重要な初期の数週間に、こうした致命的で大規模な隠蔽工作が行われた明確な証拠を提示し、それによって大流行、すなわち、その後、世界に広がり文字通り「世界閉鎖」を引き起こした大流行を制御する機会が失われたと結論付けた

 

『超限戦』−ルールを超えた戦争

 

 20年以上前から中国では軍事研究の分野で、西側諸国によって定められたルールを超えた戦争の準備をすべきであるとの主張がなされてきた。今、改めてそれらの文献を検証するのは意義があることだろう。

 

1996中国人民解放軍空軍の2人の将校、喬亮(少将)王湘穂(大佐)は、台湾を威圧するために行われた軍事演習に参加した。演習は、台湾総統選挙の準備が行われている最中に実施された。すぐに米国はこの地域に2隻の空母部隊を派遣し、世界は、東アジア地域における大国の勢力争いが復活したのを目の当たりにした。

 

それをきっかけに、2人の将校たちは中国東南部の福建省にある小さな村で研究を始めた。そして、最終的に、『超限戦:対全球化時代戦争与戦法的想定』(ルールを超えた戦争:グローバル時代における戦争と戦法の評価)と題した著書を解放軍文芸出版社から共著で出版した。(1999)

 

超限戦』の中心的主題は、中国が「自衛のためにすべての境界と規制を超える戦争」を行う準備をすべきであるということだ。喬亮と王湘穂は著書の中で、既存の戦争についてのルールや国際法、国際協定は、西側諸国がつくり、米国が新時代の軍事技術と兵器の競争をリードしていると主張する。20年以上前に書かれた本の中で、喬亮と王湘穂は、巨額な開発費を要する最先端の兵器が中国経済の崩壊を招きかねないと言及した。

超限戦→https://www.kadokawa.co.jp/product/321802000143/

手段を選ばぬ戦争の革命

 

Unrestricted Warfare(際限なき戦争)』と題した英訳版はさらに、地理的な安全は時代遅れの概念であると述べた。そのうえで、国家の安全保障に対する脅威は、国境を越えた侵略からではなく、非軍事的行動からもたらされる可能性があると強調。安全保障には、地理、政治、経済、資源、宗教、文化、情報、環境、そして地球に近い範囲の宇宙空間が含まれなければならないと主張した。

 

化学兵器生物兵器、地雷の禁止など、戦争を規制する法を受け入れるか否かは、自国の国益に合致しているか否かに左右されていると力説。大国は他国をコントロールするために、化学兵器生物兵器を禁じていると言明した。

 

これらの議論から導き出される核心は、中国は西側諸国が数十年かけて作り上げた国際法や規範に縛られることなく、自由に意思決定をし、戦争の手段を選択すべきであるということだ。『超限戦』は、枠にとらわれず思考せよ、と主張している。

 

最も重要なのは、『超限戦』が敵の脆弱な部分を予想外の方法で狙うことを目的とした非対称の戦争交戦者間の戦力、戦術などが大きく異なる戦争の概念を強調した点だ。これには、ゲリラ戦争やテロ行為、ネットワークへのサイバー攻撃が含まれる。

 

喬亮と王湘穗は、戦闘以外の行動を含んだ戦争、そして非軍事と軍事行動を組み合わせた「戦争の革命」が必要だと訴えた。戦争は、ステルス戦闘機と巡航ミサイルの融合にとどまらず、生物化学や財政、そしてテロ行為を含むかもしれないという憂慮すべき主張を展開した。

 

バイオテクノロジーの優位性獲得戦争

 

10年以上後の201010新華社通信から出版された『制生権戦争』(バイオテクノロジーの優位性獲得戦争は、生物工学が未来の戦争に与える影響について論じた。
https://www.epochtimes.jp/p/2020/03/52666.html



中国人民解放軍第三軍医大学の主任医師である郭継衛教授によって書かれたこの本では、伝統的な軍事的思考の衰退に焦点を当て、軍事的思考の新たな傾向、目に見えない戦場、そして予期せぬ変化に着目した。

 

その後、2015に、当時の人民解放軍軍事医学科学院の院長であった賀福初は、生物工学が国防上の新たな戦略的指揮において高い地位を占めるだろうと論文で主張した。これは生体素材から、「脳を制御する」兵器にまで及ぶ。その後、賀福初は、北京に本部を置く軍の最高レベルの研究所、人民解放軍軍事科学院の副院長に就任した。

 

201510の軍機関紙「解放軍報」で言及されているように、過去20年間の中国の文献は、生物工学、工学、情報技術の相互統合が将来の軍事革命の新しい戦略的ドクトリンになる可能性を強調している。これらの文献は一貫して、生物の兵器化が非伝統的な戦闘様式とともに新時代の戦闘の中心になるだろうと述べている。

(続く)