日本人のルーツは縄文人だ、渡来人はない。(37)

ハリソン夫妻の掘ったニアのウエスト・マウスからは、4万8千年前~3万5千年前に相当する最下層の地層や他の地層からも人類が食したと思われる様々な動物の骨が出土している。淡水産の貝や魚類、更にはまたしてもサルの骨も出土している、と書かれている(P76)。また複数の穴も発見されており、それらはナッツ類の渋みやえぐ味を取り除くあく抜きのためのものであった可能性が高い、とも記されている。

 

このように南ルートをたどったホモ・サピエンスは、陸域である熱帯雨林地域で創造的な活動をしていたことになる。このように創造的な活動が出来たからこそ、後に彼らは日本にまで辿り着くことが出来たのであろう。

 

42000年の旅路・・ボルネオ島のニア洞窟

2014-03-29 | その他先住民族

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朝日新聞「日曜版」「日本人の起源」2011・05・01


アジアに最初に入ってきた人たち、日本人の遠い祖先が住んでいた巨大な洞窟を訪ねた記者の記事です。
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その洞窟は、とにかく巨大だった。
体育館のようにだだっ広く、奥に向かって小高い丘になっている。
その先は真っ暗で何も見えない。
高いところでアナツバメやコウモリが舞っている。
不思議と怖さはない。

むしろ、大きなゆりかごのなかにいる気分だ。
40000年ほど前、ここに「祖先」たちがいたかと思うと、洞窟の奥の暗闇に向かって「会いに来たよ」と走りだしたくなる。
マレーシア・ボルネオ島のニア洞窟。
私がここを訪れたのは、「祖先」の足跡をこの目で確かめたかったからだ。
2人の人類学者・国立科学博物館海部陽介沖縄県立博物館藤田祐樹に同行してもらった。

東京から首都クアラルンプール、そしてボルネオへ。
2日かけて、ブルネイとの国境の町ミリに入った。
そこから車で2時間ほど走り、ようやく「ニア国立公園」の入り口に辿りつく。
ニア川を渡し舟で渡り、鳥や虫の声を聞きながらジャングルを歩くこと1時間。
石灰岩の切り立った崖にぶつかり、木で出来た階段を5分ほど登ると、「さあ、我らが故郷にようやく到着だ」と、洞窟の前で案内役のサラワク博物館長が歌うように言った。

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ここで1958年人間の頭がい骨が見つかった。

深さ2・5メートルの地中に眠っていたため、「ディープスカル」と名付けられた。

2000年、サラワク博物館や英ケンブリッジ大の合同調査団が4年かけて発掘。

現場の地層や「ディープスカル」を再検証し、約42000年前20才前後の女性と特定した。

東南アジア最古の現生人類だったのだ

(続く)