そして北極圏内にもホモ・サピエンスの遺跡が存在しいる。その遺跡の存在しているところは、ロシアのヤナ湾の北極海から僅か140kmほど内陸に入ったところである。当然北極圏である。
地図を見ると、レナ川とインジギル川の間にヤナ湾があり、そこにヤナ川が注いでいる。
ヤナRHS遺跡はそのあたりである。
炉跡も沢山見つかっており、ある発掘地点からは7000点以上の石器、1500点以上の骨角器、おびただしい数の動物の骨が発掘されていると、その書のP98には記述されている。
骨、角、象牙で作られた道具としては、槍先や錐などの他に特質すべきは、糸を通す小さな穴が開けられた縫い針が26点と、それを収納するための骨の”ケース”までも見つかっている、とP99には記述されている。
しかもアクセサリー類も豊富で、ビーズ、ペンダント、髪飾り様の象牙製品、など多数だ。
公表されている充実した信頼できる年代測定値は、なんと3万3000年前となっている。
但しその後氷期の寒さが増してくると、彼らは寒さを避けて南下したようだ。そして寒さが和らいで温暖になった1万5000年前には、再度シベリアへと出向いていった様だ。
Wikipediaによればヤナ川は2ヵ所にあるようで、当然ここで言うヤナ川は北極海にそそぐ川を言う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤナ川
次の論考には、
動物の骨で作られたケースに収められた縫い針(マンモスの骨などで作製)の写真が載っているので参考までに、ご一読願う。
NHK-Gスペシャル 「人類誕生」 2018-07-15 11:00:53
https://ameblo.jp/aauasks/entry-12390913753.html
・・・・・・・
□ なぜ極寒の地に進出できたのか?
北緯70度、ロシアの極寒の大地に、ヤナRHSという3万2千年前の遺跡が見つかった。
石器時代のホモ・サピエンスが、他の人類たちが辿り着けなかった北極圏にも進出していた証拠だ。
熱帯生まれのホモ・サピエンスにとって、極寒の地は過酷な環境であった筈。
なぜ進出し、どうやって耐えたのか。
その謎を解くカギとなる道具が、ヤナRHSから見つかった。
サピエンスは、画期的な発明品を武器に、寒い土地でも豊かに暮らしていた可能性があると言う。
サピエンスの偉大な力を明らかにする。
・・・・・・・・・・
北の方からやって来た初期の人たちの痕跡はどうか。
シベリアのストゥデョノエ2遺跡、当時は陸続きだった北海道。千歳市・柏台1遺跡・・・2万5千年前の石器・細石刃(さいせきじん)。
当時の地球は氷河期の真っ只中だったが、極北にはマンモスなど巨大動物が多く生息していた。
極寒の地で生きることを可能にした道具とは。マイナス40℃の北極圏ロシア・ヤナRHS遺跡でロシア科学アカデミー: ウラジミル・ピトゥルコ博士が発見。
(続く)