日本人のルーツは縄文人だ、渡来人はない。(67)

  次に科博の実験航海の概要説明文も載せておこう。

 

3万年前の航海 徹底再現プロジェクト https://www.kahaku.go.jp/research/activities/special/koukai/about/index.php
分かっているのは、彼らが移住に成功したこと。わからないのは、どうやって来たか。 沖縄ルート、難関の大航海の再現実験

 

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想定される3万年前の地理と3つの渡来ルート  

 

最初の日本列島人は、3万年以上前に、海を越えてやって来ました。それは、アフリカを旅立ったホモ・サピエンスが、陸域を越えて海にも活動域を広げながら、世界中へ大拡散した壮大な歴史の一幕。中でも島が小さく遠く、世界最大の海流である黒潮が横たわる琉球列島への進出は、当時の人類が成し遂げた最も難しい航海だったと考えられます。

「最近になって明らかにされてきた、この祖先たちの海への挑戦を、できる限り詳細に解き明かしたい――」
私たちはそんな思いに駆られて、このプロジェクトを立ち上げました。ここでは彼らの大航海を研究し、さらに海の上で再現(実験航海)することによって、未知の世界を切り開いた祖先たちの知られざる姿に迫ります。

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琉球列島と台湾の主な旧石器時代遺跡と現在の黒潮の流路  黒潮流路と遺跡
背景地図:菅浩伸 based on Gebco 08 Grid   



総勢60名の研究者・探検家・運営スタッフが協力する一大プロジェクト。遺跡に残っていない舟は、候補となる草・竹・木のものを試作し、海上テストを行って、絞り込んでいきます。さらに当時の地理・海流、移住者数、帆の有無など、様々な研究を進めて、3万年前の「徹底再現」を目指します。

これまでの活動

2016 草束舟の実験 与那国島

 

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与那国島に自生しているヒメガマという草を、ツル植物で縛って舟を作りました。そして男女の漕ぎ手が、時計やGPSを持たすに、風や波などから方角を読みとって西表島を目指すテスト航海に挑みました。   

2017-2018 竹筏舟の実験 台湾f:id:altairposeidon:20201027172056j:plain


台湾との共同体制の下、竹の舟の実験を行ないました。浮力・安定性と耐久性にも優れた舟ができましたが、期待したほど速度が上がらず、黒潮を越えるには課題が残りました。

 

2017-2018 丸木舟の実験 台湾f:id:altairposeidon:20201027171931j:plain

3万年前の石器(刃部磨製石斧)で大木を切り倒し、くり抜く実験を行なったところ、この道具で丸木舟が作れることがわかりました。これから海上での機能性をテストしていきます。

 

(続く)