日本人のルーツは縄文人だ、渡来人はない。(68)

2019年予定の「本番の実験航海」

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本番の実験航海の計画。与那国島は半径50kmまで近づかないと海上から見えない。
背景地図:菅浩伸 based on Gebco 08 Grid



私たちが最終的に再現したいのは、沖縄ルートの最初の関門である、台湾→与那国島の航路。この本番の実験航海は、強大な黒潮を越え、遠く水平線の下に隠れる島へ向けて、2~3日間に及ぶタフな航海になるでしょう。3万年前の舟としては、現時点で丸木舟が有力になってきています。帆は縄文・弥生時代ですら使われていた証拠がないので、旧石器時代の舟は漕ぎ舟であったはずです。このように研究と実験を繰り返した後、3万年前としてもっとも妥当なモデルを選んで本番の実験航海に挑みます。それをやり遂げたとき、祖先たちの海への挑戦の実態がわかってくるでしょう。



本番への準備

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黒潮の上で漕ぎ練習

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星を道しるべとする方法を学ぶ漕ぎ手たち



私たちの実験航海では、3万年前の条件になるべく近づくよう、時計・コンパス・GPSなどを持たず、風・うねり・太陽・星などを使って針路を探る航海をします。安全管理のために伴走船が同行しますが、古代舟に針路や位置を教えることはしません。

漕ぎ手たちは、不慣れな古代舟を長時間漕ぎ続けるトレーニングに加え、そうした古代航海術を学ぶ必要があります。そのほか、3万年前の実態を探るために、当時の舟を作る道具や、島で人口存続するために必要な移住者数、スーパーコンピューターを使って過去の黒潮を推定する研究など、様々な研究が、多数の協力研究者のもとで進められています。

誰もが参加できるプロジェクト

スリリングな3万年前の謎解き体験を、できるだけ多くの方々と共有できるよう、このプロジェクトは、私たちの試行錯誤や失敗も含めてオープンにしています。実験の資金はクラウドファンディングなどの寄付で頂いていますが、ご支援やご寄付で「会員」になられた方には、最新情報を定期的に配信し、時に直接・間接の交流の場でご意見も頂き、プロジェクトに深く関与して頂いています。皆様ぜひ、私たちと一緒に3万年前の謎を解きましょう!

https://www.kahaku.go.jp/research/activities/special/koukai/about/index.php


3万年前の謎と言えば、「3万年前の石器(刃部磨製石斧)」を使って丸木舟を作っていたことも、その一つではないのかな。

 

と言うのも、種子島の遺跡からは刃部磨製石斧などの各種の石器などが発見されているが、奄美群島以南の遺跡からはそのような石器は見つかっていないのだ(P160~)。

(続く)