さて次は、北海道ルートだ。
北海道における最古とみられるの遺跡は、十勝平野にある「若葉の森遺跡」である。
この遺跡は、遺跡の焼土の放射性炭素年代測定によれば、およそ3万年前のものと言われている。北海道では最も古い遺跡であるが、その他の遺跡はおおよそ2万5000年前のものである、様だ。
海部陽介氏の「日本人はどこから来たのか?」(文芸春秋社)のP177には、古本州島での特徴的な台形様石器が、この遺跡を含む北海道の多くの遺跡から見つかっている、と書かれている。
このことから、北海道での旧石器文化は本州由来のものではないかと言う説がある。
しかし、2万5000年前頃から、細石刃と言う独特な石器が使われだしているから、北方からの文化の影響があったのではないか、と思われている。
それはさておき、「若葉の森遺跡」の説明文を次に載せておく。
若葉の森遺跡 『北海道最古の石器』 帯広の遺跡
■所在地:帯広市西16条南6丁目周辺
■遺跡の概要:2001・02年に道々改良工事に伴う発掘調査が行なわれ、旧石器時代の石器群と縄文時代前期~中期(約5千年~4千年前)の遺物が出土しました。
【旧石器時代の調査】恵庭火山灰の下層から9,700点ほどの黒曜石製の石器やこれを作ったときの剥片(カケラ)などが出土しました。石器と同じ地層から見つかった焼土の放射性炭素年代測定から、この遺跡はおよそ3万年前のものと考えています。この年代値は、今のところ北海道では最古のものです。
出土した石器は、音更(おとふけ)川の下流で採集したと思われる握りこぶし大の黒曜石の転礫を打ち割って作られた剥片が素材で、ほとんど二次加工が施されないことが大きな特徴となっています(写真3)。剥片が接合して元の状態まで復元できたものもあり、当時の石器製作技術も明らかとなりました(写真4)。
wakaba-pre_thumb |
wakaba-pre2_thumb出土 |
【縄文時代の調査】縄文時代前期~中期(6千~4千5百年前)の土器や石器などの遺物56,379点、小型の住居跡1基(写真5)、落し穴1基、土坑(穴)、礫の集中9ヵ所などの遺構が出土しました。土器は「若葉の森土器群」と呼んでいる前期後半~中期前半の平底土器群です(写真6)。この遺跡からは植物質の食料加工に使われた石器類(写真8)が多く出土し、この材料とするために持ち込まれたと考えられる礫が多量に出土したことから、当時の温暖な気候を背景に、植物質食料を集中的に加工していたものと推測されます。
wakaba-hp_thumb_1竪穴 |
wakaba.doki_thumb土器 |
wakaba-hakuhen_thumb_1石鏃 |
wakaba-suriisi_thumb_1石器 |
出土した遺物は埋蔵文化財センターで収蔵・公開しています
http://museum-obihiro.jp/occm/maibun/iseki-guide.htm#wakaba
石を砕いて細石器を作っていたようで、その砕いた岩片を集めると、一つの石となると言う。但し一か所かけているところがあり、この岩片が石器として使われた部分だと言う。
この時代の人たちも、それなりに相当苦労して石器を作っていた、と言うことである。
ご苦労のほどが偲ばれる、と言うものである。
まあ、素人の当てずっぽうで言えば、北海道の旧石器文化の最初は本州由来で、3万年ほど前に、津軽海峡を本州から渡ってきたホモ・サピエンスたちが築いたもので、それからおよそ5000年後の2万5000年前頃に、北方からの文化の影響を受けた、と言うことでは無いのかな。
(続く)