日本人のルーツは縄文人だ、渡来人はない。(73)

海部陽介の「日本人はどこから来たのか?」(文芸春秋社)のP179には、「細石刃」という文化が突如としての現れている、と記述している。

 

 

先ずは、「細石刃とその使い方」を見てみよう。

 

細石刃とは、同上の書のP179には、次のように記載されている。

 

細石刃は文字通り石刃のミニチュア版で、幅が5ミリメートル、長さは数センチメートル程度の大きさだが、ガラス質の黒曜石のような割れ口の鋭い石から作られる。その使い方は巧妙で、植刃器と呼ばれるへら状の角製品を用意し、その縁に彫り込んだ溝に細石刃をいくつも埋め込むのだ。そうすれと、軸が角なので折れにくく、刃は黒曜石なので切れ味が良いと言う2つの特性を兼ね備えた、狩猟用の槍先ができる。

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この特殊な文化が、日本列島では2万5000年前頃の北海道に、突如として現れた。細石刃の技術は九州や本州にも出現するが、それは2万年前以降のことなので、本州から北海道へ伝わったものでないことは明らかだ。

 

 

次に北辰塾☆情報局からの「細石刃とその使い方」を示そう。

 

 

 

北辰塾☆情報局

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細石刃とその使い方

 

http://ghokushin.blog73.fc2.com/blog-date-20170403.html

 

 

 

序にナイフ、槍などの例も示しておこう。

 

 

ナイフ形石器・尖頭器・細石刃
(『ビジュアル版 旧石器時代ガイドブック』提隆=新泉社)

 

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http://yamaaruki.sakura.ne.jp/14/140831-yawata.htm

 

 

 

この細石刃文化は、2万5000年前頃北海道に突如として現れた、と記述されている。

 

これはシベリアから渡って来たものであろう、とも記されている。

 

その理由と言うのは、3万年~2万年前の間に氷期が進行し寒さが厳しくなっていた時期であり、北から南にホモ・サピエンスたちが移動してきたので、その一部が当時は大陸と陸続きであった北海道に渡ってきたことは十二分に考えられる、と書かれている。

 

細石刃はその彼らがもたらしたものであろう、きっとそうである。

 

と言うのも、北海道で発掘された縄文人ミトコンドリアDNAが、ロシア極東地域に暮らす少数民族のウリチ、ウデヘ、二ヴフなどの先住民族と同じで、東南アジア系には見られないものだから、北海道へ北からのホモ・サピエンスたちの移動があった証拠なのであろう(P182)。

だから、北海道縄文人は北東アジアからやって来たホモ・サピエンスたちの子孫であろう、と結論付けられるのである。
(続く)