「日本学術会議」は親共・容共組織(47)

過去の事例はどうだった?

今回のリニア裁判同様に、環境権、人格権の侵害を訴え、事業差し止めを求めたのは、19824長良川河口堰反対訴訟だ。地域住民20人が、水資源開発公団を相手取り、工事差し止め訴訟を提起した。「科学裁判」の様相を呈したが、12年後の1994年に岐阜地裁は訴えを棄却する判決を出した。

判決では植生を復元し、魚道を設けることで環境への重大な影響を避けられるとし、河口堰が公共の利益をもたらすなどと判断した。当初は流域の漁業関係者を中心とした利害を伴う反対運動だったが、補償の同意が得られると、1988年から本体建設工事が始まった。市民団体らによる「無駄な公共事業」「環境破壊」のシンボルとしてマスメディアが連日取り上げ、大きな社会問題に発展した。



実際には、河口堰の「治水」や「利水」の役割がダムと違ってわかりにくく、地域住民が必要性を理解できなかったことが問題を大きくした。その後、河口堰のたもとに資料館「アクアプラザながら」を設置、洪水防止や塩害防止の役割が小学生でもわかるようになった。また、近くにはリゾート施設「なばなの里」が建設され、開閉する河口堰自体が観光スポットとなった。

近年、風水害の被害が続き、長良川河口堰が地域住民にとって欠かせない施設と認識され、河口堰を中心にさまざまな観光の目玉ができたことで、地域振興につながった。リニア「静岡問題」との違いははっきりとしている。

川勝知事は「リニアトンネルは静岡県には何のメリットもない。地域振興なり、地域へのメリットがあるのかといった、基本的な考え方がJR東海にはない」と述べている。この主張に従うなら、JR東海がまず取り組むべきは地域貢献」をどうするかである。

川勝知事も法廷で証言?

金子社長は4月の第1有識者会議で「南アルプスの環境が重要だからといって、中央新幹線の着工が認められないのは法律の趣旨に反する」などと述べた。金子発言からは、リニアは国家的プロジェクトであり、静岡県が大井川の水環境問題などで高いハードルを課すのはおかしいという考えが見え隠れし、「地域貢献」をまったく無視してきた。本当にそれでいいのか。

静岡地裁のリニア工事差し止め提訴は非常に長引き、その後棄却される可能性が高い。とはいえ、もし裁判が始まり、原告側証人として川勝知事が「私はリニアの大推進論者だが、自然破壊につながるJR東海のリニア工事は認めない」などと主張すれば、形勢逆転も期待できる。静岡県JR東海の対立が激しくなればなるほど、反リニアの県民が増えていくことは間違いない。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/374441?page=4

 

 

この川勝知事の言う六つの疑問点をつらつら見るに、川勝平太の言う水資源や環境に関する項目は、小生の見る限りでは、(2)と(4)の2項目だけである。厳密には(2)だけである、と思われる。

 

他の4項目は、水問題や環境問題とは直接的には関係がない、と思われる。

 

これでは、「リニア中央新幹線」に完全に反対している、という立場を表明したものと受け取られても仕方がない。

 

きっと、川勝平太は口では賛成と言いながら、本心は反対の立場なのでしょう。リニアは現状では、無用の長物との見立てをしている。

 

 

リニアが無用の長物かどうかは別にしても、川勝平太の言う水資源問題については、国の有識者会議は「トンネル工事による水影響は決めて小さい」と、結論付けているのである。

 

 

 

リニア工事「水利用への影響小さい」 国の有識者会議

2020/10/27 21:16
日本経済新聞 電子版

リニア中央新幹線の静岡工区を巡る国の有識者会議は27日の会合で「トンネル掘削工事による大井川中下流域の水利用への影響は極めて小さい」との方向性で一致した。静岡工区はトンネル掘削による大井川の流量減少を懸念する静岡県と、JR東海が対立。国土交通省が設けた同会議で4月から議論し、同社の新たなデータの解析結果の報告をもとに判断した。

JR東海はトンネル工事の地下水への影響は少ないとしていたが、より詳細なデータが必要と指摘されていた。そのため同社は地下水の化学的な成分を分析し、上流と中下流の地下水は直接関係ないとの報告をまとめた。

有識者会議は化学的な成分の分析は今後も継続してモニタリングする必要があるとした。掘削に伴う湧水の川への戻し方については次回以降の会議で議論される。静岡県有識者会議でJR東海が提出する資料の流量の計算方法に問題があると主張してきた。本体工事は始まっておらず、工区の遅れで2027年の開業予定は困難となっている。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6553126027102020EE8000

 

 

 

年が明けても川勝知事は、意気軒高だ。結構なことである。元気が何よりである。

 

知事は早速、菅総理に「静岡工区の問題が解決するまでは、事業を凍結する必要がある。」との書簡を送っている。

 

静岡工区のトンネル工事の差し止めに止まらず、リニアの工事そのものの凍結が必要だと訴えたのだ。

 

これは大事(おおごと)だ、ただでさえ大問題なのに、これでは「超」のつく大問題となってしまう。

 

 

 

静岡知事、リニアで首相に書簡 静岡工区の事業凍結訴え

2021/1/4 16:01
日本経済新聞 電子版

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静岡県川勝平太知事は4日の記者会見で、リニア中央新幹線の静岡工区の未着工問題を巡り菅義偉首相に書簡を送ったことを明らかにした。JR東海が同県で計画するトンネル工事について「南アルプスの自然を守り、住民の理解を得ることが明確になるまで事業凍結を宣言するのが望ましい」との考えを伝えたという。

静岡工区はリニアの工事を始めたいJR東海と、南アルプスの生態系や大井川の流量に影響を及ぼすと懸念する県とで意見が対立している。調整役を買って出た国が昨年4月に有識者会議を設け、議論を重ねている。

川勝知事は会見で「凍結を考える意思決定者の1人は国策と言われている以上、首相になる」と指摘した。「もう1人は環境相で自然環境保護に関連し工事の許認可権を持っている」とも語り、小泉進次郎環境相との会談にも意欲を示した。

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB044DM004012021000000

(続く)