日本のご皇室と英国王室(6)

メーガン妃の「黒人差別」発言 デーブ氏が「彼女の発言は信用できない」と断言する理由

国際 2021317日掲載

 

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/03170602/?all=1&page=1

 

 

デーブ・スペクター氏(他の写真を見る



信憑性は……?

 (2021)37日夜アメリカの3大ネットワークCBSテレビは、「Oprah with Meghan and Harry: A Primetime Special」を放送した。

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 反響は大きく、日本のメディアもすぐに報じた。例えば「TBS NEWS」は8日、「英ヘンリー王子&メガン妃 離脱後、初インタ『私は黙らせられた』」との記事を配信している。

 司会のオプラ・ウィンフリー67)は黒人女性。彼女の「オプラ・ウィンフリー・ショー」は、1986年から2011年まで放送された長寿番組として知られる。

 日中のトーク番組で、人気だけでなく、質の高さでも知られていた。「史上最高のトーク番組」というアンケート調査では、今でも上位にランクインされる。

 オプラは米大統領選の出馬すら取り沙汰されたこともあった。そんな名司会者が聞き手となり、メーガン妃(39)は、長男のアーチーくん(1)を出産した際、英王室内部から「どれくらい肌の色が濃くなるのかという懸念」が示されたと明かしたのだ(文末:註1)。

 文字通りの爆弾発言であり、今でも世界中で議論を巻き起こしているのは言うまでもない。

 その一方で、日本での報道は、問題の本質に迫ったものはない。海外の報道を翻訳したものでも、表面的な記事が多いようだ。

 例えばAFP=時事は310日、「人種差別疑惑で英女王が声明 懸念と対処を表明」との記事を配信した。

自己憐憫の固まり

 記事の中には、エリザベス女王94)の《回想の中には一部異なるものがある》や、《王室により内密に対処される》との発言が載っている。「メーガン妃の発言に信憑性があるのか」と疑問を示している部分もあるのだ。

 だが、見出ししか読まない日本人の読者が、「メーガン妃の発言は事実らしい」と受け止めても不思議ではない。

 欧米のメディア事情にも精通しているデーブ・スペクター氏は、この問題に関しては一貫してメーガン妃に厳しい指摘をしている。

 例えば、「バイキングMORE」(フジテレビ系列・平日・11:55)での発言は、次のような記事として報じられた。

「デーブ・スペクターさんメーガン妃発言に『差別があったから米国に帰るなんて笑い話』『信ぴょう性がない』」(中スポ/東京中日スポーツ・電子版:311日)

 改めてデーブ氏に取材を申し込むと、「メーガン妃の発言には、完全にウソと判明しているものが少なくありません」と解説する。

「あの特番の本質は、自己憐憫の固まりと化したメーガン妃が、『私って可哀想でしょう?』と全世界に向けてアピールしたに過ぎません。仮にも英王室の一員となるならばイギリスの伝統や文化に従うべきだと誰でも分かります。分かっていなかったのはメーガン妃だけだったのです」


忍耐力の欠如

 メーガン妃は1981年生まれの39歳、ヘンリー王子は84年生まれの36歳。彼女には離婚歴がある。

 ヘンリー王子と結婚する前は女優として活動し、国際女性デーにスピーチを行ったり、慈善活動にも熱心だったり、日本で言う“意識高い系”の女性だという。

「率直に言って、女優としては二流でした。少なくともイギリス国民が、ヘンリー王子の結婚相手としてイメージしていた女性とは、相当なギャップがあったのは事実でしょう。王室との軋轢は、肌の色は関係ないと思います。彼女が白人であっても、この結婚はミスマッチだったのです」(同)

 眞子さま29)の婚約者である小室圭氏(29)とは言わないまでも、女優の松居一代63)を彷彿とさせるキャラクターのようだ。

 デーブ氏は英王室を「ルールの固まり」と形容する。日常生活で公務が占める割合は決して少なくない。必要があれば、イギリスの地方都市に赴き、小さな除幕式にも出席しなければならない。

アメリカ人でもイギリスに惹かれ、現地に住む人はいます。しかし、メーガン妃はそういう女性ではありませんでした。彼女はイギリスに対する“愛国心”を全く持ち合わせていないのです。そんな女性が王室に嫁ぐとなれば、まずは自分が無知であることを自覚し、ある程度は我慢すべきでしょう。メーガン妃は忍耐力が足りなかったと言わざるを得ません」

ファクトチェック

 おまけにメーガン妃と英王室の“ミスマッチ”によって、ヘンリー王子も王室を離脱することになってしまった。

「『メーガン妃だけが王室を出るならまだしも、ヘンリー王子も巻き込んでしまった』という指摘は、彼女にとって最も弁解のできない“弱点”です。そのため彼女は、何としても夫婦の王室離脱を正当化しなければならなかった。インタビューの内容は、たとえ事実だったとしても、かなり大げさにして発言したのだと考えられます」

 デーブ氏が一貫して「メーガン妃の発言にはウソが多い」と指摘しているのは、氏の推測ではない。イギリスでは、彼女が出演したインタビュー番組の“ファクトチェック”が行われているのだという。

「イギリスの高級紙などが、メーガン妃の発言が事実に基づいたものか調査しています。一例を挙げれば、番組で彼女は『自由に海外渡航ができないよう、英王室はパスポートを取り上げた』と語っています。これは完全なウソで、彼女は結婚してからも自由に海外旅行を満喫していますし、英王室でパスポートがなくとも国外へ出られるのはエリザベス女王だけです。つまりメーガン妃のパスポートは、セキュリティの必要上、王室の担当者が預かったというだけに過ぎないのです」(同・デーブ氏)


(続く)