日本のご皇室と英国王室(9)

同インタビューは英時間8日午後9時にITVで放送され、メーガン妃が王室に嫁いだ後、自由を失われたことで精神状態が悪化し「これ以上生きたくない」と思ったことや、アーチー君を妊娠中に王室メンバーから「生まれてくる赤ちゃんの肌の色」への懸念を示す発言があったことなどを激白していた。

9日の朝、モーガンは『Good Morning Britain』のお天気キャスター、アレックス・ベレスフォードとメーガン妃のことで口論になった。

ベレスフォードは「あなたがメーガン・マークルを嫌うのは分かっている。この番組で何度も明らかにしているからね。あなたとメーガンとは個人的に知り合いだったけど、彼女から縁を切られた。彼女が望むなら、その権利はある。それ以降は彼女が君について話したかな? 僕はそうは思わないが、あなたは彼女を中傷しているじゃないか」とモーガンを攻撃した。

するとモーガンは「これで終わりだ」と言って席を立ち、「私の悪口を言っても構わんが、私自身の番組で言うことは許さん!」と発言し、番組のセットから去った。

その後モーガンは席に戻ったが、ベレスフォードは「あなたのことをとても尊敬している」などと説明。2人が話し合いを行った後、モーガンはメーガン妃の父トーマス・マークルさんとビデオ通話を行うなどし、無事番組を終えた。

この日、英情報通信庁(オフコム)には41千件以上の苦情が寄せられ、2002年の設立以来3番目に多い苦情件数を記録したことで同庁はモーガンの発言を調査中だという。

ITVメンタルヘルスキャンペーン「Britain Get Talking」のパートナーであるメンタルヘルス慈善団体「Mind」は、モーガンの発言に「落胆させられた」と非難。モーガンは番組で「メーガンが自殺願望を感じていたかどうかは、私には関係ない」とコメントしていた。



一夜明けた英時間10日の朝、『Good Morning Britain』のオープニングではモーガン5年以上にわたって共演した司会者スザンナ・リードが彼へのトリビュートを伝え「全く違うものになるでしょうが、番組は続けていきます」と述べた。

一方でモーガンは番組開始時間に自身のSNSで、ウィンストン・チャーチル英元首相による言論の自由についての言葉を引用し、「メーガン妃の言葉は今も信じない。表現の自由のためなら死ぬことだってできる」と綴った。

SNSでは「ピアース、GMBはもう見ないよ。視聴率が下がるのを見ていよう。良い将来を祈ってる」、「お天気キャスターのために逃げるなんて、子供っぽい」「あなたの大ファンではなかったけど、何かにとりつかれたようだった。あの姿が恋しいよ!」と番組降板を惜しむコメントが多数寄せられた。

ちなみに英時間10日には「ピアース・モーガンを『GMB』に復帰させよう」と呼びかける署名活動が始まり、当日には7万人以上の署名が集まった。ちなみに「モーガンを『GMB』から降板させよう」との署名運動もあり、こちらには9万人以上が署名している。

画像は『Good Morning Britain 202139日付Twitter「‘I’ve been in situations where I haven’t called out racism based on how it’s been treated in the past.’」、2021310日付Twitter「‘Shows go on and so on we go.’」』『Piers Morgan 2021310日付TwitterOn Monday, I said I didn’t believe Meghan Markle in her Oprah interview.」』のスクリーンショット
TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

https://news.nifty.com/article/entame/showbizw/12239-994378/



 

まあ、そんなこんなで、ヘンリー王子とメーガン妃夫妻は英国王室から離脱することとなってしまった訳であるが、そこら辺の事情も少し見てみたいものだ。

 

概略のいきさつはつぎの通り、であろう。

 

 

2020.01.08 ヘンリー王子とメーガン妃は、インスタグラムで突然、「王室離脱」を発表した。

      この発表はエリザベス女王も知らされていなかった、と言う。

 

2020.01.13  エリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスで緊急家族会議(「ロイヤル・サミッ

       ト」)が開かれる。チャールズ皇太子・ウィリアム王子・ヘンリー王子で、メーガン

       は参加していない。

 

2020.01.18  エリザベス女王が声明を出す。
      「私と家族は、ハリー(ヘンリーの愛称)とメーガンの若い家族として新しい人生

       を築きたいと言う願いを全面的に支持します。」

       「サセックス公爵夫妻」と言う表現ではなかった。殿下・妃殿下も使わせない。

 

2020.01.19  ヘンリー王子は、沈痛な面持ちで「他に選択肢がなかった」と心境を吐露。

 

2020.02.19  「ハリー王子とメーガン妃は331に王室の公務から正式に退く」と報道官

       が発表する。

 

2020.03.31  ヘンリー王子とメーガン妃は、高位王族から退く。定住地は米国となる。

 

2021.02.xx  ヘンリー王子とメーガン妃は、正式に英王室から離脱した。

 

2021.03.07  米CBSテレビで、人気司会者のオプラ・ウィンフリーのヘンリー王子とメーガン

       妃の離脱後の初のインタビューが放送された。

 

2021.03.26  モナコ公アルベール2世(63)が「公共の電波で身内の恥ずかしい話をするな」

       と異例の苦言。

 

 

間違いがあればどんどんと指摘願うが、ヘンリー王子の王室離脱の理由は、おおむね次の2つであろう。

 

(1) 妻であるメーガン妃に対する人種差別やメディア・主にタブロイド紙のプライバシーの

  侵害や誹謗中傷が酷かったこと。

 

(2) 母である「ダイアナ妃」に対する王室の取り扱いに対する嫌気、即ち母の死に関する王室

  に関与の疑いが拭えなかったことである。

 

 

12才で愛する母を亡くしたヘンリー王子にとっては、母の死の原因を作ったチャールズ皇太子の立ち居振る舞いに対しては、言うに言われぬわだかまりを持ち続けていたことでしょう。

 

チャールズ皇太子のいる王室には、それほど未練はなかったはずだ、と推測される。

 

そのわだかまりが、メーガン妃に対する誹謗中傷で、ヘンリー王子の体内で沸騰してしまったものではないのかな。だからこそ結婚を機に、生まれ育った家を捨てたのであろう。

 

そんな論考も見受けられる。まあ、言ってみれば、ヘンリー王子のそれなりに清い(かどうかは知らないが)決断であった、ものと思われる。

 

これに対して秋篠宮眞子さまは、自ら皇室を離脱する決断ができるのか、はなはだ疑問である。

 

 

 

ハリー王子はなぜ王室を離脱するのか。本当に全部「嫁」メーガン妃のせいなのか。イギリスの未来は。

今井佐緒里 欧州/EU・国際関係の研究者・執筆家・編集者2020/2/20() 16:52

 

 

2月19日、ハリー王子とメーガン妃は、331日に王室の公務から正式に退くと、二人の報道官が明らかにした。引退に伴い、バッキンガム宮殿にある執務室も失うという。

 

結局、パートタイムの王族活動など許されなかった。

 

問題は原因である。なぜハリー王子は、イギリス王室の離脱を決意したのか。

 

既に山のように理由は言われている。

 

メーガン妃に対してのプライバシーの侵害がひどかった。内容も誹謗中傷の域に入るものだった。メディアだけではなく王室関係者も、メーガン妃に対する人種差別がひどかった。

 

メディア報道とパパラッチのせいで母親を亡くしたヘンリー王子は、これらが耐えられなかったのだ――と。

 

そして、王室とヘンリー王子の肩をもつ人々は言う。「あの女のせいで」。

 

確かにメーガン妃の言動は、伝統を重んじる王室ファンの眉をひそめさせるものがあった。

 

でもだからといって、全部「嫁」のせいなのか。

 

ヘンリー王子は、妻のために、今までの地位を捨てるというのか。

 

報道は妻であるメーガン妃のこと、今までのいざこざ、そして二人はどうやって生計を立てるか(つまりお金の話)の、ほぼ3点に絞られている。

 

しかし、筆者はイギリス人でもないし、会社員でもないフリーの執筆者なので、思ったことを自由に書きたいと思う。「そこまでして王族の地位を捨てるのは、必ずヘンリー王子の意志であるに違いない」と。

 

この原稿は、むしろ作家として個人の意見を述べたものであることを、ご了承の上お読み頂きたい。

(続く)