日本のご皇室と英国王室(45)

納采の儀とは一般の結納に当たるもので、この場合は小室圭の使者が秋篠宮邸を訪れて、結婚を約束し結納の品を贈るものである。朝見の儀とは眞子さま天皇、皇后両陛下に感謝のあいさつを行う儀式である。

 

納采の儀は行えない」と秋篠宮が明言したことは、たんに「金銭問題」が小室圭、佳代家族に横たわっていると言うだけではなさそうだ。根本問題は、そのために小室圭や小室家が信頼できるものでないことが、彼らの発言や行動で秋篠宮家にははっきりと分かったと言うことでは無いのかな。次の論考を参照されるとよい。

 

 

眞子さまの結婚 「問題」は借金ではない 秋篠宮家が「納采の儀は行えない」と明言した理由
斎藤智子2018.12.1 12:58AERA#皇室#眞子さま

https://dot.asahi.com/aera/2018120100008.html?page=1

 

 

 

次に櫻井よしこ氏の論考を掲載して、この種の話の結論の代わりとしておこう。

 

 

 

【”愛子天皇”は是か非か】「悠仁さまを”差し置く”ことで起こる順位逆転の危険性」櫻井よしこ氏インタビュー

令和皇室、最大の”宿題”をどう考えるか

櫻井 よしこ

2019/12/02     source : 週刊文春デジタル



 121日、愛子さま18歳の誕生日を迎えられた。成年皇族になられるまであと2年と迫ったいま、皇位継承をめぐる議論が本格化しようとしている。最大の焦点は「女性天皇」「女系天皇」を認めるか否かだ。

 最近の各メディアの世論調査では、「愛子天皇」を可能とする「女性」天皇について、賛成意見が大勢を占めている。一方、伝統を重視する保守派はこれまで通りの「男系男子」による皇位継承を主張し、母方から天皇の血筋を引く前例のない「女系」天皇容認論に警戒感を強めている。あくまで”応急処置”的だが、皇族数の減少を食い止める策として、女性皇族が結婚後も皇族にとどまる「女性宮家」も検討課題に上がっている。

 この皇位継承の問題をどのように捉えていけばよいのか。政府や与野党幹部からの発言も続く中、「週刊文春デジタル」では、各界の識者に連続インタビューを行った。今回は、ジャーナリスト・櫻井よしこに聞いた。



 私の立場は、女系天皇女性宮家の創設には反対、何らかの形での旧宮家皇籍復帰は賛成、というものです。

 1022日に宮中で行なわれた、即位礼正殿の儀にお招きいただきました。わが国の歴史の深さを感じさせる素晴らしい式典でした。天皇陛下もご立派なお姿でした。2千人の招待客のうち、4百人ほどが外国の王族や元首でしたが、みなさん感じ入った様子でご覧になっていました。

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即位礼正殿の儀 ©JMPA

 皇室の伝統が長く保たれてきたことは、国民として本当に幸せですし、日本が誇るべき宝物だと実感しました。ご即位に関する儀式の一部を拝見しただけですが、それでも深い感銘を受けました。

 皇室や天皇陛下は、なぜ尊敬や憧憬の対象となっているのでしょうか。見た目がよいからでもなく、スポーツなどの一芸に秀でているからでもなく、ノーベル賞を取るような才能をおもちだからでもありません。個人の個性や能力を超えた次元で、お血筋を継いでいらっしゃるためでしょう。

 国民の幸せと、国家の安寧のために、さらに世界の平和のために祈り、言葉だけでなく行動でもお示しになってきたのが、歴代の天皇です。そのような価値観を、政治的権力とは無縁のお立場でずっと引き継いでこられた。そうした歴代天皇が同じお血筋で連綿とつながっています。

 第16代の仁徳天皇は、民のかまどから炊煙が上がらないのに気づいて、3年間の無税と労役免除をお命じになった。お住まいの屋根が壊れても、修理をなさらなかった。さらに3年待って、民のかまどから煙が立ち上るのを見て、「民の豊かさは朕の豊かさ、民の貧しさは朕の貧しさ」とおっしゃったといいます。

 国民と国家の安寧のために祈る純粋無垢な存在として、126代も男系男子で続いてきた万世一系天皇の歴史を、無条件で私たちはありがたいと感じ、一度も断絶することなく受け継がれてきたお血筋だからこそ、皆が納得するのではないでしょうか。

なぜ女系天皇ではいけないのか

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©文藝春秋

 女性天皇は過去に108方の前例があります。前例もありますから受け入れてもよいかしらと私は考えていましたが、よくよく状況を知ってみて考え直しました。たとえば推古天皇はなぜ、女性でありながら天皇となられたのか。

 男系男子がいなかったからではなく、逆に多すぎてどなたを天皇にすべきか――当時は現在のような明確な決まりがありませんでしたから――争いが起きそうになって誰も反対できなかった皇后が即位したのです。男系男子が多くいらした当時と現在は正反対です。男系男子が少ない現在、女性天皇を認めれば、あるいはそのままその方が天皇であり続け、お子さまも天皇になられるということになりかねません。すると、そこで女系天皇になり、天皇家が入れ替わることになります。

 現在の状況下では、女性天皇女系天皇につながる可能性がありますから、これはやはり、慎重に避けるべきだと考えます。

 もう少し具体的に考えてみましょうか。女性天皇を認めるとした場合、どうなるでしょうか。たとえば愛子さまが即位され、「愛子天皇」に男のお子様がお生まれになるとします。すると「直系の男子を差し置いて、次は悠仁さまでいいのか」という議論が起こるでしょう。本来は、悠仁さまを差し置いて「愛子天皇」が誕生したのに、そちらの“差し置いて”は忘れられてしまい、愛子さまのお子様を“差し置いて”になってしまう。順番が逆転してしまう危険性があります。

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愛子さま ©JMPA

 

  平安時代の藤原氏は、娘を盛んに皇后にし、生まれた天皇の外祖父として権勢を振るいました。次に、平家にあらずんば人にあらずの時代が来て、平清盛も娘を皇后にして、外祖父となりました。しかし驕る平家は、まもなく源氏に敗れて滅亡します。

 あの時代に女系天皇が認められていたら、皇室は藤原氏の血筋に変わり、次は平氏の血筋へと変わっていたかもしれません。時代が下って、織田の血筋の天皇や豊臣の血筋の天皇も誕生していたかもしれません。そうならなかったのは、男系の天皇にこだわったからです。つまり女系を認めてしまえば、その時々の権力に振り回されることにもなります。

 皇室に入る男性は皇室のお血筋を引いていなければならず、民間から入れるのは女性だけと限ったのは、古代の人々の知恵だったと思います。そのように私は考えていますから、女系天皇には強く反対します

 付言すれば、女系天皇を認めることは、秋篠宮殿下と悠仁親王殿下を廃嫡することになります。次の天皇とその次の天皇になる方々を廃嫡せよという主張は、本当に恐ろしいことです。女系天皇論者は、そこまできちんと認識しているのでしょうか、疑問です。


(続く)