今一度、高速リニア関係の解説を紹介しよう。
高速リニア開発でしのぎ削る日本と中国-輸出潜在力は大きいとの見方
River Davis2020年11月25日 10:13 JST
日本と中国が高速リニアモーターカーの整備を巡り競い合っている。大きな輸出潜在力を持つリニアの技術力を示そうとしている。
リニアの磁気浮上式鉄道は強力な磁石を使って摩擦に頼らず超高速で浮上走行する。短距離や試験的なリニアはわずかながら既に稼働しているが、日中は世界初の都市間を結ぶ長距離路線の開発にしのぎを削っている。
山梨県にある全長43キロのリニア実験線
JR東海は建設費が9兆円に上るリニア中央新幹線計画で2037年までに東京-大阪を結ぶことにしている。日本では主に山岳部でトンネルを掘る必要があるため、コストは高めになる。環境への影響を巡る地元自治体との関係など開発に遅れが生じる可能性がある課題は数多くある。
一方、中国による1000億元(約1兆6000億円)規模のプロジェクトは上海-寧波間で杭州を経由する形で予定されている。出だしで何回かつまずき、35年ごろまでの完了が見込まれている。
広東省清遠市の中・低速リニアの建設現場(9月)
日本と中国は計画通りにそれぞれのプロジェクトをうまく披露できれば、こうした次世代技術の輸出を目指す両国を後押しすることになると鉄道の専門家らは話す。世界で2兆ドル(約209兆円)を超える規模と試算される鉄道インフラプロジェクト市場でシェアを争う。
日本の新幹線を研究する英カーディフ大学のクリストファー・フード教授は、「磁気浮上式技術は非常に大きな輸出潜在力を持ち、日中の国内プロジェクトはこの技術がいかに海外でうまく展開できるかを示すショーウインドーのようになる」と語る。
JR東海が目指しているリニア技術の輸出先の1つが米国だ。ワシントンとニューヨークをつなぐリニア整備の地ならしを進めるため、パートナーと協力している。第1段階のワシントンとボルティモア間だけでも100億ドルのコストがかかると見積もられている。JR東海によれば、リニアなら現在3時間を要するワシントンとニューヨークの移動時間を1時間に短縮できる。
中国で最初の高速リニア試作車両(青島市、2019年)
ただ、リニア技術は政府の強力な支援なしでも有望な輸出項目になるのか疑問を呈するアナリストもいる。ブルームバーグ・インテリジェンスのアジアインフラ担当アナリスト、デニス・ウォン氏によると、必要とされる電力や変電所のタイプが原因で磁気浮上式鉄道に関連する建設費は通常の高速鉄道に比べて2、3倍に達する可能性がある。
ウォン氏は「どちらのプロジェクトがコストをよりうまく正当化できるのかが重要だ」と指摘。この点は「誰が最初にたどり着けるのか」よりもはるかに大切だと述べた。
山梨県で展示されている試験車両(11月)
原題:China and Japan Race to Dominate Future of High-Speed Rail (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-11-25/QK9P1XT1UM1201
リニア新幹線の営業時期は、これまでの計画では次の通りであったが、
東京~名古屋 2027年開業予定
上海~杭州~寧波 2035年 〃
東京~大阪 2037年 〃
と言ったところであったが、川勝平太の謀反で東京~名古屋間の開業予定は何時になるか、皆目見当がつかない状況となっている。
(続く)