このことは韓国のバッテリー製造に関する基礎的な技術に不安があることを示している、とこの論考は喝破している。しかも韓国企業では「安心と安全を支える基礎的な製造技術」がなっていないとも言っている。
サムスンSDI製のバッテリーでも火災が発生しているという。こちらは米Fordや独BMWの車が被害を被(こうむ)っているという。
「韓国企業が生産するバッテリーの発火問題は、韓国企業がわが国企業と同等の技術を確立できていないことを示唆する。」と言っているが、我が国の企業もいつ同じような目に合うかもしれない、と褌を締めなおしてもらいたいものだ。慢心してはいけない。
GMはこのLGエナジーソリューション社製のバッテリーでは、相当の損害をこうむっているはずだ。損害だけならいざ知らず、EV化で経営再建を図ろうとあがいている最中である。そんな時のボルトEVの火災発生である、経営的にも相当な打撃であろう。
リコールの損失をLG化学に請求するという。当然であろう。
GMがシボレー・ボルトのリコール損失約1100億円をLG Chemに請求すると表明
2021年8月24日 by Rebecca Bellan, sako
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米国の自動車メーカーであるGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ、GM)は米国時間8月20日、バッテリーの製造上の欠陥による火災の危険性を理由に、電気自動車(EV)であるChevrolet Bolt(シボレー・ボルト)のリコールを拡大した。
そしてGMは、バッテリーセルの製造パートナーであるLG Chem(LGケム)に、10億ドル(約1097億円)相当の損害賠償を求めることも発表している。
関連記事:GMがシボレー・ボルトEVに3度目のリコール、欠陥バッテリーから火災のおそれ
https://jp.techcrunch.com/2021/08/21/2021-08-20-general-motors-issues-third-recall-for-chevrolet-bolt-evs-citing-rare-battery-defects/
GMがこの車両に対して行った3回目のリコールのニュースを受けて、LG Chemの株価は米国時間8月23日に11%下落し、60億ドル(約6582億円)の市場価値を失った。またGMの株価は市場終了時に1.27%下落した。
LG Chemのバッテリーが自動車メーカーのリコールにつながったのは、今回が初めてではない。2021年初め、現代自動車(Hyundai)が同様のバッテリー発火の危険性があるとして8万2000台のEVをリコールたが、その費用は約8億5190万ドル(約934億7000万円)に上ると推定されている。現代自動車の共同バッテリー事業は、9月の新規株式公開(IPO)を準備しているLG Chemの、バッテリー専門部門であるLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)とのものであったが、専門家によれば今回のリコール費用のためにIPOが延期される可能性があるという。
GMが行ったバッテリーの不具合調査では、陽極タブの破れや曲がったセパレーターなどの、バッテリーセルの不具合が見つかっている。今回のリコールは、LG Energy Solution製のバッテリーを搭載したフォルクスワーゲンAG ID.3 EV で火災が発生して1週間後から始まった。2021年に入ってから、フォルクスワーゲンやテスラは、LG Chemブランドのパウチ型リチウムイオンバッテリーセルから、CATLやサムスンSDIのようなプリズム型のバッテリーセルに移行する動きを始めている。
このリコールによって、GMには北米で販売できる完全な電気自動車がなくなり、電気自動車の販売が伸びているTesla(テスラ)や他の自動車メーカーに対抗することができなくなる。販売台数の減少、安全面でのリスク、さらにはより優れた技術が登場する可能性があることから、GMは他のビジネスに向かうかもしれない。
だが今はまだ、一緒にやるべきことが残されている。GMは、シボレー・ボルトEVおよびEUVに搭載されている欠陥のあるバッテリーモジュールを、新しいモジュールに交換すると発表しており、これが10億ドル(約1097億円)の損失の原因になっているとしている。これは、2020年11月に発生したボルトのリコールのためにGMがすでに支出している8億ドル(約877億8000万円)に加えての支出となる。エネルギーストレージの調査会社であるCairn ERA(ケアンERA)のデータによれば、バッテリーパックは電気自動車の中で最も高価な部品であり、平均して1kWhあたり約186ドル(約2万円)かかっている。GMは1kWhあたり約169ドル(約1万9000円)を支払っており、ボルトは66kWhのバッテリーパックを搭載している。
なお、LG ChemとGMが問い合わせに回答していないため、4月に両社が発表した、米国2カ所目のバッテリー工場をテネシー州に建設する計画を、進めるつもりがあるのかどうかは不明だ。この合弁会社はUltium Cells(アルティウム・セルス)という名で、70GWh以上のエネルギー生産を目指すとされていた。
(続く)