世界の流れは、EV化(24)

確認の意味と言う訳でもないが、この記事もご一読願う。

 

 

EV市場、大手攻略へ トヨタは電池新工場で自前に活路

2021/10/19 12:43
日本経済新聞 電子版

トヨタは30年の北米市場のEV・FCV販売比率を15%と見込む

トヨタ30年の北米市場のEVFCV販売比率を15%と見込む   

【ニューヨーク=中山修志】トヨタ自動車18、グループの豊田通商と組んで米国に車載電池の工場を新設する計画を打ち出した。欧州ステランティスも同日、韓国・LG化学と北米で電気自動車(EV)向け電池を生産する計画を表明。EV普及を推し進める米国で主要自動車メーカーの戦略が出そろった。投資額や提携戦略にはばらつきも目立ち、EV需要の先行きに対する迷いも透ける。

 

トヨタは米国で2030年までに電池の生産に34億ドル(約3800億円)を投資する計画だ。第1弾として豊通と共同で129000万ドルを投じてリチウムイオン電池の工場を新設する。当初はハイブリッド車HV)向けの電池を生産するが、米国でのEV生産に備えてEV向け電池も視野に入れる。

 

日本ではパナソニックとの共同出資会社を通じて電池を生産しているが、米国では豊通と組んで「トヨタが主体的に運営できるかたち」(トヨタ)を整える。具体的な生産規模やどこに工場を設けるかは公表しておらず、今後、誘致を進める州政府などとの協議を本格化する。トヨタが海外で自前の電池生産設備を設置するのは初めてとみられる。

 

ステランティス18日、LG化学の電池子会社LGエネルギーソリューションと北米で合弁工場を建設すると発表した。建設場所は未定だが、4000億円規模を投資して24年からEVプラグインハイブリッド車PHV)向けの電池の生産する。

 

環境保護を重視するバイデン米政権はEVシフトを強力に推し進める。バイデン大統領8月、30年に米国市場に占める電動車(HV除く)を50%に引き上げる大統領令に署名。EV電池のサプライチェーン(供給網)構築を重点項目に挙げ、EV充電設備やガソリン車からの買い替え補助に1740億ドルを充てる方針も打ち出した。

 

トヨタの工場建設計画で、主要メーカーの戦略が出そろうことになる。中でもEVシフトにアクセルを踏み込むのが米ゼネラル・モーターズGM)とフォード・モーターだ。

 

GM25年までにEVと自動運転技術に350億ドルを投じ、35年にガソリン車の販売を全廃する目標を掲げる。独走する米テスラの量販車種「モデル3」を下回る3万ドルのEVを投入する方針も表明。メアリー・バーラ最高経営責任者CEO)は「EV戦略が実行段階に入り、収益が拡大する」と自信をみせ、30年に売上高を倍増する計画を打ち出した。フォードも韓国・SKイノベーションと組み、米国に複数の工場を建設する。

 

米新車市場に占めるEV比率は20年で1%台、2119月も2%台と、バイデン政権が掲げる目標との開きは大きい。GMやフォードは手厚い政府補助金を活用しながらお膝元の米国でEV需要を取り込む考えだ。一方、トヨタは得意のHVに軸足を残しながら徐々にEVシフトを進める現実路線を堅持する。18日の発表資料には「トヨタは継続可能かつ現実的な方法でカーボンニュートラルに貢献する」と盛り込んだ。

 

EVの性能や価格を左右する電池技術の提携戦略にも差がある。

 

GMやフォードは韓国系の電池メーカーとの合弁に傾斜する一方、トヨタは今回、外部からの調達ではなくグループを含めた内製を重視する姿勢を鮮明にした。電池メーカーとの合弁は量産によるコスト低減や先端技術への効率的な投資が見込める一方、独自技術の囲い込みや安全・品質面での難しさがある。

 

ガソリンの大型車人気が続いてきた世界第2位の米自動車市場で、政権や自動車大手が思い描くような消費行動の変化が起きるかは誰も見通せないのが現状だ。全固体電池などの次世代技術も浮上するなか、自動車大手幹部は「リチウムイオン電池にいまから巨額の投資をして回収できるのか」との迷いを隠さない。

 

グローバルで環境重視の流れが広がるなか、手をこまぬいていては変化に取り残されるとの危機感がメーカーにはある。EVと親和性が高いとされる自動運転技術でも出遅れるリスクがある。一方で、株式市場には「GMがニッチなEV開発を優先する結果、EVシフトに慎重なトヨタが北米のシェアを伸ばす」との見方もある。需要の読みと足元の戦略の巧拙が、将来の競争力を大きく左右する転換点にさしかかっている。


https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18C7T018102021000000/

 

 

パナソニックパナソニックとして、テスラ向けに新電池を開発している最中だ。トヨタと組んで電池工場を企画するほど暇ではないのではないのかな。

(続く)