この論考はなかなか難しい。小生にはよく理解できなかったが、次のようにまとめてみた。間違いがあれば、どんどん指摘訂正願う。
[概略まとめ]
脱炭素化計画
日本 2030年 CO2 エネルギー基本計画(日本案)
2030年 CO2 45%削減(2020年比)、再生可能エネルギーは50%(国連目標)
2050年 CO2 100%削減(カーボンニュートラル)
--→ 脱化石燃料化が必要。-エネルギーの構成問題を解決すること。
EV化などはその一部分、単にEV化してもダメ。
↓
化石燃料(石炭、石油)→グリーン燃料化(水素、バイオ、e-Fuel、メタン・アンモニア)
グリーン燃料開発のための技術開発必要
↓
CO2を45%削減するためには、 石炭・31%→11%
再生可能E・18%→50%(環境省案24%ではダメ)
-
エネルギー構成比
実績
日本案
国連目標
年
2018年
2030年
2030年
石炭
31%
28%
11%
石油
5%
3%
5%
36%
27%
25%
6%
20%
9%
再生可能Energy
18%
24%
50%
日本のエネルギー構成が上記の場合、単位電力当たりのLCAベースのCO2排出量
フランスはほぼ100%原子力発電のため、EVの電気はCO2フリーである。
イギリスは再生可能Eが日本よりも多いのであろう。
日本は化石燃料の比率が高い分、CO2の排出が多くなる。
-
CO2排出量
実績
日本案
国連目標
年
2018年
2030年
2030年
日本
EV・WtW
HV車581g/kWh
(97)
(70)459
(77)320
(53)
(56)仮に20%改善した値仏
50
(75)独
450
(75)英
290
(50)
( )内は単位電力当たりのLCAベースのCO2排出量とした時のEVのWtWでのCO2排出量であるが、2018年比では97対70g/kmでEVよりHVの方が、CO2排出量は少ない。
更には、2030年での日本案(エネルギー基本政策)でも、77対70g/kmでEVよりHVの方が、CO2排出量はすくない。
国連目標でのエネルギー構成でのCO2 45%減を満たしてようやく、EVのCO2排出量がHVよりも少なくなる。但し、HVのEngineがe-Fuelとなれば逆転して、HVのCO2排出量は少なくなるか同等となろう。
このようにLCAで見てみても、HVの方がEVよりも、CO2の排出量は少なくなる、と言うことが出来るのではないのかな。
従って、あらゆる措置を投入してEV拡大に走る政策は危険を伴うことになる。それよりも、補助金や充電網などにかける予算を、グリーン燃料の製造推進に回す方がよほど得策である、と記しているが、将に名言である。
更には、EVが普及することによって、電力事情が極端に変化することを忘れてはならない。EVが増加した分だけ電力を食うこととなり、さらなる発電所の建設が必要となってこよう。即ちCO2のことを考えれば、原子力発電所を更に作らなければならないこととなる。
日本の場合には、再生可能エネルギーを発電する場所や方法は、かなり限られてくるからである。太陽光発電、風力発電、水力発電と考えても、良い考えが浮かばない、と言うよりも、それほど大々的な再生可能エネルギー発電は、可能性がない、と言うことである。しいて言うのなら、洋上風力発電くらいであろうか。
ここでは、琵琶湖の60%の面積に風力発電設備を設置する案が提起されているが、その可能性はすこぶる低いと言わざるを得ないのではないのかな。
それよりも『・・・グリーン燃料〔水素やバイオ燃料、水素とCO2から製造される液体合成燃料(e-Fuel)、水素とCO2からメタネーションによって合成されるメタン、アンモニアなど〕に転換・・・』と提案されているように、グリーン燃料の製造と調達に舵を切ることが最適の政策となるものと思われる。
トヨタが水素エンジン車でレースに参戦しているが、これよりもe-Fuelの方が現実的である。
ちょっとした改造で水素エンジンは出来るが、水素タンクをたくさん積まないとそれなりの航続距離は、水素エンジンでは難しいのである。トヨタが2021.5.22~23の富士スビートウェイでの24時間耐久レースに水素エンジンのカローラで参戦したが、その時のH2の燃費は およそ0.33km/L,H2 と燃費は非常に悪かったようだ。しかも室内はすべて水素タンクで一杯だった。
水素ではなくてバイオ燃料やe-Fuelの方が現実的である、と言える。
と言った内容ではないかな。おかしいと気づいた点などあればどんどん訂正願いたい。
(続く)