④そのほか
灯油・LPガス・都市ガスを利用した暖房器具は、エアコンとくらべてすぐに暖まる、外気温に影響されにくいなどの特徴があり、とりわけ寒冷地域では引き続き需要が残る可能性があります。こうした場合にも、灯油などの代替燃料として合成燃料を利用できます。また、産業用ボイラーの燃料としての活用も考えられます。
合成燃料の残る課題とこれから
現在、合成燃料がかかえている課題のひとつは、製造技術の確立です。今の製造技術には製造効率の問題があり、効率の向上が課題となっています。革新的な製造技術としてさまざまな方法が研究開発の段階にあり、今後の実用化が期待されています。
合成燃料のもうひとつの課題はコストです。現状では化石燃料よりも製造コストが高く、国内の水素製造コストや輸送コストを考えると、海外で製造するケースがもっともコストをおさえることができると見込まれています。しかし、合成燃料のコストは、「脱炭素燃料である」という環境価値をふまえて考えるべきものです。既存の燃料と単純な比較をおこなうことは適切ではなく、将来性のある代替燃料として研究開発を続ける必要があります。
合成燃料の技術開発・実証は欧米を中心に急速に広がっており、石油会社・自動車メーカー・ベンチャー企業などによるプロジェクトが数多くたちあがっています。日本国内でも積極的な姿勢が重要となっています。サイエンスの観点からの技術開発にくわえ、エンジニアリングの観点から商用化のための高効率で大規模な製造技術・体制の確立を両輪として、産学官で技術開発に取り組んでいく必要があります。
今後10年間で集中的に技術開発・実証をおこない、2030年までに高効率かつ大規模な製造技術を確立、2030年代に導入拡大・コスト低減をおこなって、2040年までに自立的な商用化を目指すという計画が立てられています。
脱炭素燃料としての国際的評価の確立、海外で合成燃料が製造された際のCO2削減分の捉え方など、制度面でも議論が必要です。課題がまだ残る合成燃料ですが、環境価値だけでなく、国内での大量生産や長期備蓄が可能なことからエネルギーセキュリティの向上にも役立ちます。
今後の研究開発の進展が期待されます。
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/gosei_nenryo.html
そうこうしているうちに、ソニーが「EVを販売することを本格的に検討する」と発表して、大いにマスコミを賑(にぎ)わしている。
一体全体、ソニーは「クルマづくり」をどのようにとらえているのか、少なからず疑問があるところである。クルマを大量に造って売りたいのか。
ソニーの意図するところは、ソニーかすでに手の内化している技術・製品・コンテンツなど、例えばセンサー、音響、映像、AIなどのITなどを使って、クルマのソフト的使い勝手を商品化して提供していこう、と言うことなのであろう。当然ソフトはEVとの相性は良いものと思われるが、クルマ本体(ハード)との関係も重要なこととなるので、どのようにマネージしてゆくのか。
ソニーがクルマ本体も手掛けることが出来れば、それに越したことはないが、どのような事業形態となるかは、非常に興味あるところである。
小生の疑問とするところは、それ(ソフト)が全くの新しいものなのか、それともすでに巷では具体化されたものでそれをクルマに適用しようとしているのか、それともその過程のものか、どのようにソニーがとっかかってゆこうとしているのか、が(小生には)よく見えないことである。
ソニーは、「セーフティ」、「アダプタビリティ」、「エンターテイメント」などの横文字を使ってそのことを表現しているが、それはいわば「もの」であってクルマへの適用の仕方を表しているものではない、と思われるからである。問題は、クルマにどのように載せてゆこうとするのか、と言うことではないのかな。