トヨタが商標登録しているbZシリーズは、次の12種類である。
1. BZ
2. BZ1
3. BZ1X・・・・・・・・・・・・・・・・・bZSmallCrossover=コンパクト
4. BZ2
5. BZ2X
6. BZ3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・bZSDN=ミディアムセダン(or)
7. BZ3X・・・・・・・・・・・・・・・・・bZCompactSUV、≒C-HR=ミディアムクロスオーバー
8. BZ4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・bZSDN=ミディアムセダン(or)
9. BZ4X・・・・・・・・・・・・・・・・・bZ4X(発表済み)=ミディアムSUV、スバルではソルテラ
10. BZ4Xcompact
11. BZ5
12. BZ5X・・・・・・・・・・・・・・・・・bZLargeSUV=ラージSUV
右側に注釈のある車型は、前列にならなんだ5台ですぐにでも発売されると予想されるものである。
豊田章男社長は、2030年までに30車種・350万台と言っているので、上記の表はそのうちにすべて埋まることでしょう。
世界の流れがEV化へ向かっている現在の状況では、トヨタとしてもそれ相応にEVを導入していかなければならない状況に、ある意味、追い詰められていったということだと思うが、どのようにして豊田章男社長は、EV推進派に変わっていかざるを得なかったと言うことも、知りたいものである。
自動車産業は、現在、100年に一度の変革期を迎えている。いわゆる「新たな産業革命」を迎えているのであり、どんなことを
してもやり過ごすことはできない状況である。
地球環境問題が立ちはだかっているからである。
CO2を吐き出して走るICE・内燃機関を持つ車は、これからの社会では許される乗り物ではなくなったのである。と同時に忘れてはならないことは、エネルギー革命も同時に進行してゆく、と言うことでもある。
即ち再生可能エネルギーと原子力発電による火力発電の放逐である。我々はこのエネルギーセキュリティに関する問題にも、ぶち当たっているのである。
それら(EV化とエネルギー革命)がお互いに影響しあいながら、この「新たな産業革命」は進行してゆくことになる。
トヨタと言えども、その流れには(流されるわけではないが)乗らざるを得ないのである。
「業界の救世主」だった豊田章男社長はなぜ「EV推進派」に変貌したのか
2021/12/27(月) 16:15
EV関連に4兆円を投資すると発表したトヨタ自動車・豊田章男社長(NEWSポストセブン)
世界的なカーボンニュートラル(脱炭素)の潮流が加速するなか、自動車産業ではEV(電気自動車)へのシフトが加速している。そうしたなかこれまで「全方位戦略」と称し、ガソリン車、ハイブリッドやFCV(燃料電池車)など多様な選択肢を掲げ、EV化に遅れを取っていたリーディングカンパニー・トヨタ自動車もついに重い腰を上げた。これからトヨタ、いや、日本経済を支える屋台骨である自動車産業、ひいては日本そのものの未来はどうなるのか……。覆面作家にして経済記者、『トヨトミの野望』『トヨトミの逆襲』の著者である梶山三郎氏がレポートする。
* * *
「トヨタEV350万台販売 30年 世界目標大幅上げ 4兆円を投資」(『読売新聞』)
2021年の年の瀬も押し迫った12月14日、クルマのテーマパーク「メガウェブ」(東京・お台場のトヨタの施設)で、トヨタ自動車社長の豊田章男氏(65)がハデな説明会を開いた。翌朝の新聞主要紙は、トヨタが電気自動車(EV)の2030年における世界販売の目標を350万台に引き上げ、EV関連の研究開発費と設備投資合わせて4兆円を投入することを一面トップで報じ、NHKを筆頭にテレビニュースでも、「EVシフトに後ろ向きだったトヨタが動き出した」と大々的に取り上げたことは記憶に新しいだろう。
トヨタの2020年の世界販売台数は約953万台であり、この数字をベースにすると、世界販売の3分の1超をEVにするというわけだ。また4兆円のうち2兆円を、EVの重要部品の一つであるバッテリーに充てる。これも従来計画では1兆5000億円を投資する予定だったので、5000億円引き上げることになる。
この報道に接して、私は不思議な既視感(デジャブ)にとらわれた。というのも、巨大自動車企業を舞台にした拙著『トヨトミの逆襲』で主人公のトヨトミ自動車社長・豊臣統一(とよとみ・とういち)に、私はこんなことを言わせている。
〈お待たせしましたと申し上げたのは、と統一は喜色を浮かべたまま続けた。「この日に至るまで、あまりに時間がかかりすぎてしまったということです。私たちトヨトミ自動車は本日、自社開発によるEV『プロメテウス・ネオ』をここに発表いたします」 記者席がどっと沸く〉
小説のなかの記者発表は2022年4月10日。マフラーなどエンジン車部品を製造する多くのサプライヤー・下請け企業を抱えて身動きが取れず世界の潮流に周回遅れだったトヨトミ自動車が世間の度肝を抜く衝撃的な発表をしたという設定である。
だからなのか、メディアは衝撃的に伝えていたが、私はこの発表に何の驚きもなかった。率直な感想を申し上げると、トヨタがついにEVをめぐる“二枚舌作戦”をかなぐり捨てて、EVシフトへの戦いに世界最強の自動車メーカーとして公式に参戦表明したな、というところだろうか。
クルマのスマホ化
さて、“トヨタの二枚舌作戦”とは何か。トヨタはすでに水面下でEVシフトをしながらも、社長の豊田氏がEV嫌いな「エンジン車の守護神」を演じていたと、私は見ている。
EV技術には、電動車でもあるハイブリッド車(HEV)から転用できるものが多い。このため、HEVで最強を誇るトヨタはEVに関しての特許保有数は世界1位だと言われている。人材や資金力といったトヨタが保有する経営リソースを投入すれば、EVを造ることなぞ朝飯前だろう。
すでにトヨタの生産現場も開発現場も、EVシフトに向けて動いていた。たとえば、2020年1月にはトヨタ最大の国内エンジン生産拠点である下山工場(愛知県豊田市)の製造ラインを2本から1本に削減したほか、その前年にはエンジン車には付き物の燃料噴射装置の事業は、トヨタと系列のデンソー、愛三工業の3社にまたがっていたのを愛三に集約する計画を打ち出していた。
さらにエンジン車には欠かせないプロペラシャフトなどの鍛造品を造る三好工場(愛知県みよし市)を、同じようなものを生産している系列のジェイテクトに売却しようと動いていた。しかし、この計画は事前に漏れて社員の反発にあい、労務問題に発展する動きが出ていたために取りやめたが、このように水面下では来るべきEV時代に備えて生産体制の変更に着実に取り組んでいたのだ。
また、EVシフトの核心の一つは「クルマのスマホ化」にある。この点でもトヨタはすでに手を打っている。
EVで先行するテスラのクルマは、車体そのものは古くなっても、自動車内部のソフトウエアは無線技術によって常に更新され、最新技術がダウンロードできるようになっている。これはスマートフォンが、OSをアップデートすれば、新しい機能やサービスが使えるようになるのと同じことだ。この技術を「Firmware update over the air」と呼び、自動車業界ではその頭文字を取ってFOTAやOTAと呼ばれている。
この数年以内に、米アップルが自動車産業に殴り込みをかけてくると言われているが、いわゆる「アップルカー」の強みの一つが自社のiPhoneで培ったOSをアップデートするノウハウをクルマにも転用してくることだろう。「スマホ化」とは、一言でいえば、クルマが今まで以上にソフトウエアのカタマリになって、それを巧みに制御できるかどうかがクルマの性能や使い勝手を左右する流れが加速するということだ。
この数年以内に、米アップルが自動車産業に殴り込みをかけてくると言われているが、いわゆる「アップルカー」の強みの一つが自社のiPhoneで培ったOSをアップデートするノウハウをクルマにも転用してくることだろう。「スマホ化」とは、一言でいえば、クルマが今まで以上にソフトウエアのカタマリになって、それを巧みに制御できるかどうかがクルマの性能や使い勝手を左右する流れが加速するということだ。
(続く)