世界の流れは、EV化(86)

石油産業の拠点として栄えてきたヒューストン・・・と記されているそのヒューストン市が、「エネルギー転換を目指すために二酸化炭素CO2)の回収・利用・貯留(CCUS水素事業に注力していく」と、一念発起して脱炭素の街に変貌しようとしているのだ。

 

それと言うのも、町中に「CO2用のパイプライン網がすでに整っている」と言うことで、地球温暖化のもととなるCO2を、同市の各企業から回収してメキシコ湾の海底に埋め込む事業を始めるのには好都合であるようだ。

 

海底に埋め込んだCO2が大気中に漏れ出すことのないように願いたいものだが、そうでもしないと地球の温度上昇を1.5℃以内に抑えられない、と言うことである。当面はCO2を出さないに越したことはないがそれは不可能なことなので、出したCO2は回収して地中深く埋める、と言うことぐらいしか今は出来ないようなので、そうするより他はないのだ。

 

 

日本でも、それと似たようなそんな動きが始まっている。日本の場合はCO2を出さない運動と言ったところか。大規模に「水素」を利活用しようとする動きである。それも東京などの中央ではなくて、地方の中部圏からの動きである。

 

 

中部圏における大規模水素利活用へ 中部圏水素利用協議会と岐阜県、愛知県、三重県および名古屋市や経済団体が連携

編集部:谷川 潔   202222117:37

 

2022221日 発表

トヨタ自動車も加盟する中部圏水素利用協議会


 
221日、トヨタ自動車が会員として参画する「中部圏水素利用協議会」は、中部圏における水素の大規模な利用・活用を目的として、岐阜県、愛知県、三重県および名古屋市に加え、名古屋商工会議所中部経済連合会中部経済同友会と「中部圏における大規模水素社会実装の実現に向けた包括連携協定」を締結した。

 包括連携協定締結式に臨んだのは、愛知県知事 大村秀章氏、岐阜県知事 古田肇氏、三重県知事 一見勝之氏、名古屋市河村たかし氏、名古屋商工会議所 専務理事 内田吉彦氏、中部経済連合会 専務理事 小川正樹氏、中部経済同友会 専務理事 田中喜好氏、中部圏水素利用協議会 会長師茂樹

 この締結の背景には、「2050年のカーボンニュートラル」を目指す中で「水素社会」の実現は重要な役割を担っており、大規模水素のサプライチェーン構築に向けては政府・自治体・経済界・産業界が一体となった取り組みが必要となるという認識があり、中部圏は多様な産業が広く展開していることから協定締結に至った。

 この協定に関する連携事項としては、以下の3項目を挙げている。

・水素の輸入・貯蔵・供給・利用を促進するためのインフラ整備や計画の策定等の各種取り組み
・水素の利活用促進に資する取り組み
・その他、水素社会の早期実現のために必要な取り組み

 

 

(略)

 

 

 

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1389996.html

 

 

 

この(略)の部分には、プロジェクター用の画像があり、次のようなことが書かれている。

 

1.中部圏の魅力、意義………・水素のサプライチェーン構築が容易

 

2.水素量促進の取り組み・・・・・・・・・・工場、コンビナート、発電所等で利用可能

 

3.実現のための課題と役割・・・・・・・行政、業界、経済界、金融界の連携がある。

中部圏水素利用協議会が中心

 

詳しくはこの画像を拡大してみることをお勧めする。

 

 

ヒューストン市もやがては二酸化炭素CO2を出さない水素などの燃料へと切り替わってゆくことでしょうが、この中部圏での動きも、水素を利用・活用することでCO2を出さない活動である。要は水素と言うエネルギーを利活用することにある。JERAなどではすでに碧南火力発電所で、石炭に水素を混ぜて燃やす活動を始めている。

 

ただ水素を直接運搬・貯蔵するには技術的、コスト的に問題が沢山あるため、水素をアンモニアNH3として利用している。

 

JERAとは、JapanEnergyera(時代)からそれぞれの語を組み合わせて作った造語である。

東京電力(の子会社)と中部電力が出資する発電会社であるとWikipediaには記載されている。

 

 

 

大型の商用石炭火力発電機におけるアンモニア混焼に関する実証事業の採択について

2021/05/24

 株式会社JERA(以下「JERA」)および株式会社IHI(以下「IHI」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)の助成事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/アンモニア混焼火力発電技術研究開発・実証事業」に共同で応募し、このたび、採択通知を受けました。

 

 水素を低コストで効率良く輸送・貯蔵できるアンモニアは、エネルギーキャリアとしての役割に加え、火力発電の燃料として直接利用が可能であり、燃焼時にCO2を排出しない燃料として、温室効果ガスの排出削減に大きな利点があると期待されています。

 

 本事業は、今後の環境負荷の低減に向け、大型の商用石炭火力発電機において石炭とアンモニアの混焼による発電を行い、ボイラの収熱特性や排ガス等の環境負荷特性を評価し、アンモニア混焼技術を確立することを目的とした実証事業で、事業期間は20216月から20253月の約4年間です。

 

 本事業では、両社は、JERA碧南火力発電所4号機(発電出力:100kW)において、2024年度にアンモニア20%混焼を目指す計画です。JERAアンモニア貯蔵タンクや気化器等の付帯設備の建設やアンモニアの調達を、IHIは実証用バーナの開発を担当し、今後、設計や工事を進めてまいります。

 なお、大型の商用石炭火力発電機において大量のアンモニアを混焼する実証事業は世界初となります。

 

(略)

 

https://www.jera.co.jp/information/20210524_677

(続く)