ロシアのウクライナ侵攻(29)

プーチン氏、核兵器「必要に応じて使う」と発言 欧米のウクライナ軍事支援をけん制

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27日、ロシア・サンクトペテルブルクでの議会関係者との会合で演説するプーチン大統領(AP)

 ロシアのプーチン大統領は27日、「特別軍事作戦」と称するウクライナ侵攻に関して、第三国が積極的に介入した場合は「電光石火の素早い対抗措置を取る」と警告した。「ロシアは他国にない兵器を持っており、必要に応じて使う」とも述べ、核兵器の使用も辞さない構えを示し、ウクライナへの軍事支援を強める欧米を強くけん制した。

 

 プーチン氏は第2の都市サンクトペテルブルクでの会合で、北大西洋条約機構NATO)の介入が受け入れがたい戦略的脅威になった場合に「必要に応じて使う」と発言した。米国防総省のカービー報道官はプーチン氏の発言などについてロシア側を「無責任だ」と非難した。

 

 ロシア大手紙コメルサントは「核戦争の脅威が迫った冷戦期を思わせる」と、発言について指摘した。プーチン氏は2月上旬、フランスのマクロン大統領に対して、ウクライナNATOに加盟すれば「核戦争になる」とも発言しており、侵攻を開始した同24日にも核使用の可能性を示唆した。

 

 ラブロフ外相も4月25日、核戦争の危機は「深刻かつ現実的で過小評価すべきではない」と発言した。

 

 ロシア国防省は20日、核弾頭搭載可能で、米国のミサイル防衛網(MD)を突破できる新型大陸間弾道ミサイルICBM)「サルマト」の発射実験が成功したと発表。プーチン氏は「ロシアを脅かす人たちに再考を迫るだろう」と述べている。

 

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これに対して米国は、「ウクライナがロシアに対して善戦して民主的な独立国家として存続し、ロシアについては、二度とこのような戦争が出来なくなるほど弱体化させること」を望んでいるようだ。

 

要は、「ウクライナの独立ロシアの弱体化と凋落」である。

 

アメリカとしては、ロシアが二度とこのような戦争のできない国となれば、まことに好都合なことである。中国だけに集中して、事を進めることが出来るからである。

 

だからアメリカとしては、ウクライナへの軍事支援は、ロシアを徹底的に叩きのめすほどの武器の供給はやりたくない筈だ。だから80kmほどの砲弾距離の榴弾砲しか供与しないである。

 

ウクライナ戦争が続けば続くほど、ロシアの浪費は続くことになる。そして米国内の軍需産業は潤うことになる。

 

ロシアが凋落してゆくようにと、ウクライナで損耗し続けてゆくことを、計画してあのような言葉を発したとなれば、バイデンもまれにみる策士となろう。但し、この企てが成功すれば、のことではあるが。だからバイデンとしては、早々にこのウクライナ戦争は終わらせたくない筈だ。バイデンは、ロシアには長期間ウクライナで浪費を続けさせたい、と思っているはずだ。

 

但し、当初からこのように策略していたかどうかはわからないが。ことの状況次第で、これ幸いと考え方が変わっていったのではないのかな、と小生は思っている。

 

 

 

米「ウクライナ戦争の目標はロシアの弱体化」、ロシア「核戦争のリスクは深刻」

 

2022/4/27(水) 9:54配信

 

 

米国がウクライナ戦争における自分たちの目標は、ロシアが二度とこのような戦争を起こせないよう弱体化させることだという点を明確にした。ロシアは、「核戦争」と「第3次世界大戦」のリスクに言及し、米国を強く牽制した。戦争が長期化の道に入り、米ロ間の間接戦という今回の対立の本質が次第に明確になってきた形だ。

 

米国のロイド・オースティン国防長官とアントニー・ブリンケン国務長官4月)25ウクライナウォロディミル・ゼレンスキー大統領と前日に会談を終えた後、ポーランド南東部に移動し、米国の記者団との質疑応答に応じた。オースティン長官はその際、「今回の戦争での米国の目標」は何かという記者の質問に、「ウクライナには自分の領土を守れる民主的な主権国家として残ることを望み、ロシアについては、ウクライナを侵攻したようなことができなくなるほど弱体化するのを見ることを望む」と述べた。オースティン長官は26日、ドイツのラムシュタイン空軍基地での約40カ国の国防相と同席した会議で、「ウクライナの抵抗は自由世界にインスピレーションを与えた。あなた方は明らかに戦争で勝つことを信じており、ここに集まった私たち全員もそうだ」と述べ、世界各国により多くの軍事支援を要請した。

 

 米当局者らは、オースティン国防長官の25日の発言は今回の戦争で米国が最終的に望むものが何かについての考えが進化していることを示していると、ウォール・ストリート・ジャーナルに語った。戦争開始直後、米国はウクライナがロシア軍に対抗し騒乱と暴動を続けられるよう助けるという計画だった。しかし、ロシアがキーウ(キエフ)占領に失敗し、3月末から東部・南部地域の掌握に目標を変えると、ロシアを持続的に苦しめ軍事力を弱める方向に向かっているという指摘だ。ニューヨーク・タイムズも、米国がウクライナ戦争に対するメッセージを強硬にしているとして、単に侵攻を挫折させるのではなく、ロシアを弱体化させ今回のような軍事的侵略をこれ以上できないようにしていると報じた。

 

 オースティン長官の攻勢的な発言に対し、ロシアは核戦争3次世界大戦を再び取りあげ、米国に対する警告のレベルを引き上げた。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はこの日、ロシア国営放送「チャンネル1」のインタビューで、「現在、核戦争のリスクは実在しており、非常に深刻なレベルにある。過小評価してはならない」と述べた。ただし、「人為的に核戦争のリスクが高まるのは見たくない」とし、「ロシアは核戦争のリスクを下げるために努力している」と述べた。

 また、「すべての人が第3次世界大戦は容認しないという呪文を唱えている」が、第3次世界大戦のリスクは実在すると警告した。米国が第3次世界大戦にまで戦争を拡大することはありうるとして、ウクライナに兵力を直接は投入していなくても、ロシアにとっては、兵器を供給する行為も報復を呼びうる「敵対行為」であることを明確にしたのだ。実際、ラブロフ外相は、「北大西洋条約機構NATO)は事実上、代理人を通じてロシアとの戦争に乗りだしており、代理人武装させている」と述べ、西側がウクライナに支援した兵器は「(ロシアの)正当な攻撃目標」だと声を高めた。アナトリー・アントノフ駐米ロシア大使も国営放送「ロシア24」の番組に出演し、「米国が火に油を注いでいる。私たちは、米国がウクライナに兵器を注ぎ込む状況は容認できない」と述べた。

 

 一方、中国外交部の汪文斌報道官は、26日の定例会見で「第3次世界大戦が発生することを望む者はいない」と述べ、関連各国に自制を要請した。これまで、ウクライナ戦争の早期終決に努めてきたトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領も「戦争を中断させ確固とした平和を定着させるために、できるすべてのことを行うと述べた」と、トルコ大統領室が明らかにした。

 

チョン・ウィギル、シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/4ad7ecf5de7d9548bab92cf6d735aa5a5ef1b4f8

(続く)