纏向遺跡と邪馬台国(日本古代史の謎)(45)

さて火遠里命(ホオリ、山幸彦)は、綿津見之神の宮で3年間過ごしたことになる。 

 

豊玉毘売命はホオリの命の子供を身ごもることになる。そのため、子供を産むために、海の中の龍宮から海辺に上がってきて、(以下は「読み解き古事記 神話篇三浦祐之著のP293による。) 

 

鵜の羽根を萱カヤにして産殿を作ったが、産殿を葺き終わらないうちに、トヨタマビメの腹があわただしくなって、耐えられなくなった。それで、産殿にお入りになった。そして、もうすぐ生まれるという時に、その夫に申して言うには、「すべて、よその国の人は、子を産むに際しては、本の国の姿で子を生みます。それで、わたくしも今から本の身になって子を産みます。お願いですから、どうぞ私を見ないでください」と 

 

 

どうぞ私を見ないでください」と言われれば、どうしても見てしまうのが人情と言うもの、神話などでは定番のもので、ホオリの命はこらえきれずに中をのぞいてしまう。 

 

すると豊玉毘売命はワニの姿で子を産んでいた。日本にはワニはいないので、このワニはサメのことである 

 

「見ないで」と言われて「見なかった」としたら、とても味気ない話に終わってしまうので、当然のぞき見してしまうことになるものなのである。 

 

伊邪那岐伊邪那美の話と同じ流れであるが、ホオリの命は追いかけられるのではなくて、今回は、豊玉毘売命は「自分の姿を覗き見てしまわれたこと、これは耐えられないほどに恥ずかしいことです。」を申し上げて御子を残して、綿津見之神の宮へかえってしまわれた。 

 

そこでお生みになった御子を、「天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命」(あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえず)と言う。 

 

しかし豊玉毘売命は「覗かれたことを恨んではいたが、恋心も強く」、「御子を養育する縁」として、妹の「玉依毘売」(たまよりびめ)をホオリの下へ送 

ってくる。 

 

そして、あまつひこひこなぎさたけ鵜葺草葺不合命は、叔母の玉依毘売」(たまよりびめ)を妻とすることになる。 

 

そして四柱の神を生むことになる。 

 

長男 五瀬命・いつせ・・・・・・神武東征で、矢に当たり死亡する 

二男 稲氷命・いなひ・・・・・・ハハの国(綿津見神の宮であろう) 

三男 御毛沼命・みけぬ・・・・・海のかなたの常世の国へ行く 

四男 若御毛沼命・わかみけぬ・・神倭伊波礼毘古カムヤマトイワレヒコ 

                神武天皇となる 

(続く)