『一首鑑賞
日々のクオリア』 より借用する。
読みは、
『やくもたつ いづもやへがき 五・七
つまごみに やへがきつくる そのやへがきを』 五・七・七
「八雲立つ」は八重の雲が湧き起こる意で、出雲をたたえる枕詞。
「八重垣」は幾重にもめぐらされた立派な垣。
出雲に降(くだ)った須佐之男命(スサノオノミコト)が櫛名田比売(クシナダヒメ)を妻とする新婚のうた。妻を籠もらせるための八重垣をつくろうよ、という意味。
『古事記』の最初に出てくる歌でもあり、のちの『古今和歌集』の「仮名序」には、
このスサノオの歌から歌の三十一文字が定まったと書かれていて、
つまり、この歌が、いちおう、日本最古の短歌であり、三十一文字の歌の原型ということになっている。
https://sunagoya.com/tanka/?p=19782
これはスサノオが、クシナダヒメとの結婚の喜びをうたった歌だと言われているが、この五七五七七の形式の歌は、それほど古くはないと言われているので、後ほど追加されたものではないかと言われている(「読み解き古事記 神話篇」三浦祐之著(朝日新聞出版)P144~5)。
ということで、スサノオはすがすがしいしい気持ちになったとして、出雲の国の須賀というところに宮を作って住むことになる。今の「島根県雲南市大東町須賀」だという。須賀神社が祀られている。下記参照のこと。
https://kojikinohanasi.hatenablog.com/entry/790718-yakumotatsu
より借用した。
そして時代は過ぎて、スサノオから七代目に、「大国主神」が誕生するのである。
「大国主神」にはそのほかに、「大穴牟遅神」(オホナムヂ)、「葦原色許男神」(アシハラノシコオ)、「八千矛神」(ヤチホコ)、「宇都志国玉神」
(ウツシクニタマ)などと言う別の名がある。一般的には、オオナムヂから「大国主神」に成長していって君臨するといった道筋だという。
(続く)