母と共に信仰を捨て、朴氏から離れたサム氏
自らの出自の秘密と「真の家庭」の矛盾を知ったサム氏は、母と共に信仰を捨て、朴氏から離れた。アメリカ在住のサム氏は85歳になった病身の母を看病しながら暮らす。安倍元首相の殺害と、統一教会批判が高まる現状について尋ねた
。
「絶対に許されない犯罪です。同時に、この悲劇を防げなかったのだろうかと考えます。統一教会に人生を壊された同じ立場の者として、できれば山上徹也容疑者に厳しい刑を科さないで欲しい。彼と同じように苦しんでいる2世信者が大勢いると知って欲しいし、彼らを救うために立ち上がって欲しいと思います。
日本人の信者は一刻も早く教団から出て下さい。韓国人の幹部は日本を愛していないし、あなたたちのことなど少しも考えていない。お金、若さ、優しい心を利用しているだけです」
統一教会は日本にとって、北朝鮮と同じ脅威です。北朝鮮は核とミサイルを持ち、統一教会はマインドコントロールという武器を使うのです」
サム氏について統一教会は「韓国家庭連合の草創期に入会し、米紙ワシントンタイムズ社長や韓国文化財団理事長などを歴任した朴普熙氏の3男です」と回答している。
9月9日発売の「文藝春秋」では、サム氏のインタビューを掲載。また信者たちが「真の家庭」と崇拝する文鮮明ファミリーの実態をレポートする。
https://bunshun.jp/articles/-/57145
ここで「サムエル・パク氏」が言っているように、統一教会とは、人間の悩みを癒してくれるような本来の宗教の役目を果たすという機能は皆無で、専ら「金集め」だけが目的の組織なのである。
サム氏が、「あなたたちのことなど少しも考えていない。お金、若さ、優しい心を利用しているだけです」と言っているように、「金集め」だけが唯一の目的なのである、それも無法な手を使って。
カードで借金をしてでも、献金させているのである。
次の論考は「統一教会」の「金集め」の実態が簡潔に述べられていますので、ぜひご一読願う。
カードで借金してでも献金しなさい…元信者の証言「旧統一教会の本性」と「安倍一族との近すぎる関係」
多田 文明 2022/07/12 12:15
安倍晋三元首相の銃撃事件で、逮捕された山上徹也容疑者は「『統一教会』に恨みがあり、安倍元首相が近しい関係にあると思ってねらった」と供述していると報じられている。実際に「世界平和統一家庭連合」(旧・統一教会)は、山上容疑者の母親が信者だったことを認めている。母親が熱心な信者だった頃に、同じく信者だったというジャーナリストの多田文明氏が、自身がみた旧統一教会の実態を振り返る――。
© PRESIDENT Online 2006年7月24日、小泉内閣の閣僚が国民と直接対話する「タウンミーティング」の5周年記念行事に参加した安倍晋三官房長官(当時)
安倍晋三元首相(享年67)が(2022.7.8、11時31分頃)凶弾に倒れました。手製の銃で襲撃した山上徹也容疑者(41)は「母親が宗教団体にのめり込んで破産して、家庭が崩壊した」「安倍氏はその宗教団体のつながりがあり、恨みをもっていた」と供述していると報じられています。
強い殺意を抱いた理由が、この「宗教団体」にあるとすれば、二度とこうした痛ましい事件が起こらないために、ぜひともお伝えしておきたいことがあります。
7月11日午後、「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)が都内ホテルで会見を開き、山上容疑者の母親が「統一教会」の信者であったことを明らかにしました。
母親は1990年代に信者として所属していました。実は、筆者(57歳)も、1987年から約10年間「中の人」でしたので、活動時期が一部かぶります(面識はない)。
筆者は大学4年生の頃に、友人を通じて統一教会であることを告げられないままに、自己啓発セミナーに誘われました。それをきっかけに、就職などの先行きの不安を煽られるような形でしだいに思想を植え付けられ、入信することになりました。
「宗教団体である」という正体を隠した手法で誘われて、この自己啓発のサークルが、実は「統一教会」と知らされた時には、もはや入信せざるを得ない状況でした。だまし討ちに遭ったような形で、信者として長きにわたり、心と体をからめ捕られた時期があるのです。
この団体は、韓国人である文鮮明氏を教組として創設されました。1980年代には霊感商法事件などが全国で起きて、大きな社会問題にもなりました。また1992年8月25日に、韓国で行われた教組によって伴侶を決めて行われる合同結婚式には、歌手の桜田淳子氏も参加するなど、世の中を大いに騒がせました。
そうした騒動から、時間が流れた今、なぜ凶悪な事件が起こってしまったのでしょうか。
その背景について、筆者が一時期「中の人」だったこと、また、ジャーナリストとしてこれまで詐欺行為をするような危険な思想組織に多数潜入してきて、その状況を見聞きしてきた体験も踏まえてお伝えしたいと思います。
(続く)