森保ジャパン、8強入りならず(10)

セルジオ越後】日本は何も達成していないのに“ハロウィンパーティー”のような盛り上がり…同じことの繰り返 

し。反省会をしないと成長はないよ 

 

サッカーダイジェストWeb編集部  2022年12月08日 

 

カタール・ワールドカップでベスト16敗退に終わった日本代表で、チームを率いた森保監督の進退に注目が集まっている。

 

セルジオ越後日本は何も達成していないのに“ハロウィンパーティー”のような盛り上がり…同じことの繰り返し。反省会をしないと成長はないよ 

 

私は森保監督が続投するにしろ、そうでないにしろ、日本代表監督は日本人がいいのではないかと思っている。スムーズに選手とコミュニケーションを取れるから、そのほうが通訳も必要ないし、スタッフが減る。無駄な部分に予算を組む必要はないんじゃないかな。 

 

今後も森保監督がそのまま日本を率いるのでなないかと予想している。強いチームに勝ったと世間は満足しているようだし、協会も世論を見ながら監督の続投や交代を考えている部分はあるかもしれない。 

 

ただ、優勝を経験した国に勝ったと騒いでいるようでは、これまでと何も変わらない。スペインは2010年の南アフリカ大会以降、優勝をしてないし、ドイツは2大会連続のグループステージ敗退。今大会のこの2か国は、全盛期とは全く別のチーム。過去の実績だけで、相手が強いと決めつけるのもいかがなものかなと感じる。 

 

プロなんだから、重要なのはノルマを達成できたか、そうでないか。結果的にグループステージと決勝トーナメントを合わせて、2勝2敗の五分だよね。目標がベスト8なのであれば、何が足りなかったのかという反省会をもっとすべき。「よく頑張った」という盛り上がりで、反省の機会が消えてしまったのが残念だよ。 

 

目ざしていたのは強いチームに勝つことなのかな。そこを突き詰めていかなかったら成長もなにもないよ 

 

日本には、にわかファンが多くて、選手の帰国時の空港での出迎えはファンがアイドルを迎えに行くような感じだった。前回、決勝トーナメント1回戦でベルギーに逆転負けを喫してベスト16敗退となったロシア大会とまったく同じことが起きている。「感動をありがとう」ってね。 

 

ベスト8以上を目ざしていたわけだから、結局、何も達成できていないのにね。ただ4年に1回、フィーバーが起こるだけでは、本当の意味で日本サッカーの成長には繋がらない。例えると、年に1回盛り上がって終わればすぐに関心がなくなる渋谷のハロウィンパーティーだね。 

 

僕は日本に50年住んでいるから、ずっと見てきたけど、同じことの繰り返し。みんなは気が付いていないけど、本当に何も変わっていないんだよ 

 

【著者プロフィール】 

 

セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、77歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレで活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。 


https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=122613 

 

 

元日本代表FWの「城彰二」も、森保ジャパンの「目標未達」に対して批判というよりも提言を述べている数少ない一人である。 

 

そしてカタールW杯は4戦・2勝2敗の五分五分で、ベスト8を達成できなかったから、森保ジャパンは百点満点で50点だと酷評している。 

 

まあ目標を達成できなかったわけだし、しかもその分析・評価も出来ていないことを理由としている。さもありなん。 

 

 

「森保監督でW杯ベスト8は無理」「続投は

おかしい」城彰二が提言する“森保ジャパ

ン限界説”と、次期監督に推す“3人の名

将”

 

城彰二が見るカタールW杯とサッカー日本代表 #6 

城 彰二  2022/12/13 

 

 カタールW杯をベスト16で終えたサッカー日本代表。ドイツ、スペインと強豪を撃破してグループステージ1位突破の快挙を成し遂げたが、目標としていたベスト8には届かなかった 

 

 元日本代表FWで、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二は、カタールW杯での日本代表の戦いぶりをどう評価するのか。そして、4年後のW杯に向けて改善すべき点をどのように捉えているのか、話を聞いた。 

 

 

カタールW杯をベスト16で終えたサッカー日本代表 ©JMPAこの記事の画像(69枚) 

 

 

◆◆◆ 

 

カタールW杯の森保ジャパンは50点 

 

――カタールW杯、4試合を戦った森保ジャパンの評価を採点するとどうなりますか。 

 

城彰二(以下、城) 50点ですね。ドイツ、スペインに勝ってグループステージを首位で突破したのは、まぎれもなくすごいことですし、本当に歴史的なこと。でも、森保ジャパンの目標は何だったのかというと、ベスト8ですよね。結局、ベスト16で敗退し、目標を達成できなかったことについては大きなマイナスです。 

 

――日本では森保ジャパンの歓迎ムードが高まっています。 

 

 世間的には、ドイツ、スペインに勝ったからOKみたいな感じになっている。けど、日本は過去にもベスト16まで行ったことがあるんです。森保監督はその上を目指すと公言していたけど、それを成し遂げることができなかった。目標を達成できていないことに関しては、もっと厳しい視線を向けていくべきだと思いますけどね。 

 

スペイン戦では劇的な逆転勝利で決勝トーナメント進出を決めた ©JMPA 

 

――日本の今後の課題として、攻撃面での構築をあげる選手が多かったです。 

 

 森保監督は、攻撃をどう考えていたんでしょうね。三笘(薫)や伊東(純也)ら個の能力だけで勝負させようとしていて、W杯では2人、3人が連動して動いたり、ダイレクトプレーで数人が絡んだりする攻撃がほぼなかったんです。そうすると、個の能力で勝てなくなったら、それで終わりになってしまう。試合を見る限り、攻撃面はかなり物足りないですし、うまくいっていなかったと思います。 

(続く)