カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(1)

クルマ業界も何かと大変だ。欧州委員会は、2035年には、排気ガスを出すクルマは販売してはならない、と言うお達しを出したようだ。アメリカでも日本でも、同じような状況だという。これは大変なことだ、ガソリンエンジンは使うなと言うことになる。 

 

もちろんトヨタの得意なハイブリッド車HEVも、並みのBEVと同じくらいのCO2排出量となるがエンジンがあるからダメと言うことになる 

 

これでは、いわゆる「移動の自由」が奪われてしまう(とは、大袈裟だが)。 

 

と言うことは、ガソリン(ディーゼルも)を燃やしてエンジンを動かすクルマの新車は、売れなくなってしまう。序(ついで)だが、だから中古車は値上がりすることになる。 

 

・・・ 

しかし国際社会では、先進各国が次々と脱ガソリン車に向けての方針を打ち出しています。以下は諸外国の状況です。 

 

英国:ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止
 

フランス:2040年まで化石燃料車の販売を禁止
 

中国:2035年をめどに新車販売を環境対応車(EVやハイブリッド車など)のみとする
 

米国:カリフォルニア州 2035年までに州内での新車販売の全てを排気ガスを出さない「ゼロエミッション車」にする
 

カナダ:2035年までにガソリン車やディーゼル車といった内燃エンジンを搭載する新車の販売を禁止
※2021年7月記事作成時点 

 

2021年6月に英国で開催された『G7コーンウォールサミット』の共同宣言では、脱ガソリン車の目標時期は明示されなかったものの、「ディーゼル車およびガソリン車の新規販売からの移行を加速させ、ゼロエミッション車の導入を促進する」という宣言がなされました。 

 

その翌月となる2021年7月、EU欧州連合は気候変動対策を理由に、2035年以降の新車販売においてハイブリッド車を含むガソリン車やディーゼルの販売を実質的に禁止する方針を表明。これに関連して、EUでは脱炭素への取組みが不十分な国からの輸入品に「炭素国境調整措置」(事実上の関税措置)を導入するとしています。
ただ、ヨーロッパは国々によって事情が大きく異なることから、欧州自動車工業会はこの方針に反対姿勢を示しており、EU内でも意見が割れている状況です。・・・ 

 

https://www.toshibatec.co.jp/products/office/loopsspecial/blog/20210820-68.html#:~:text=諸外国の状況  

 

 

ガソリンを燃やして動力を作り出す機械を、発動機・エンジンEngineと言うが、通称・内燃機関ICE(Internal Combustion Engine)と呼ばれている。 

 

ICEは、密閉した筒の気筒・シリンダーCylinderの中でガソリンを燃やして(爆発させて)、ピストンを上下に動かして、動力伝達回転軸・クランクシャフトと言う頑丈なシャフトを回転させて、ピストンの往復運動を円運動に作り変える装置である。 

 

その回転を歯車・Gearの一杯詰まった変速装置・トランスミッションでその回転を早めたり、遅くしたりして、(簡単に言うと)タイヤの付いた車軸・シャフト(FF/ドライブシャフト、FR/リアアクスルシャフト)にその回転を伝えてタイヤを回(まわ)して、クルマを前や後ろに移動させる。このことによって人は、クルマが動いて移動することが出来ることになるし、力があるので人と共に荷物なども運ぶことが出来るのである。 

 

ちなみに、ボイラーなどは反対に外燃機関External Combustion Engineとよばれている。しからば、電気自動車・EVはなんと呼ばれるのであろうか。不燃機関とは呼ばれてはいない。さしずめバッテリー電気自動車・BEVと言うことでしょう。電気で動くクルマと言うこと、もちろん電気で直接車輪が動くわけではなくて、電気でモーターを回転させて車軸を回転させるのである。 

 

また内燃、外燃、その他のエネルギー装置は「原動機」と言うそうだ。その他とは、風力や水力、油圧・空気圧などの力でエネルギーを得る装置などだという。 

 

そして、クルマのことを一般にはautocarと言うが、難しい英語では、 Automobile(オートモビール、auto(自動)なmobile(モバイルorモビール)・動く物、と呼ばれている訳である。 

 

よく口の端に上がる言葉・mobilityとは、動くこと、その装置、移動することを意味する。 

 

トヨタ豊田章男社長がよく言う「Mobility company」とは、移動を提供する会社・移動を助ける企業、と言った意味なのでしょう。「クルマ屋(クルマを作る会社)よりも、幾分、と言うよりも、もっと広い意味で、クルマ移動を提供する(助ける)会社、と言った意味となるのでしょうか。移動することの他にさらなる価値を求めるということで、単に移動するだけではなくて移動することに別の用途を付け加えて、一つのクルマと言う移動体だけではなくて、移動中に別の仕事(といっておこう)をすることが出来ることになるような仕掛けが出来上ってくる、と言うことなのでしょう 

 

 

そのうちに実用化するであろう、空飛ぶクルマも一種のクルマであり、クルマに含めることが出来そうであるが、汽車・電車、船、飛行機、ロケットなどもモビリティに含まれるでしょうから、敢えて「クルマで」とした訳であるが、トヨタが鉄道会社や造船会社などにはならないだろうから。 

 

クルマが動くことによって、人は(ある程度)好きなところに行けるのであるし、物を運ぶこともできるので、これが(狭い意味での)移動の自由(と言うよりも移動を助ける)と言うことである。しかしながら、移動の自由を得る代償として、クルマ・ICE車はエンジンの排気ガスを、常時排出することになる。 

(続く)