排気ガスには、諸々の有害な物質を含んでいるので、今や目の敵とされているが、特に二酸化炭素・CO2は地球温暖化の元凶とされ、世界中からそれこそ最大の「目の敵」にされている。
そんな観点から、現在ではCO2を排出しないクルマ、電気自動車・EVがもてはやされているのである。
しからば、世界ではどれほどのCO2が全体で、排出されているのか。
「EVシフトの危険な未来 間違いだらけの脱炭素政策」(藤村俊夫著・日経BP社)によれば、
2015年 CO2排出量 325億トン(世界で)
・発電、燃料生産 42% 136.5t
・輸送 24% 78.0t → 内自動車は75%、58.5t と多い。
・産業 19% 61,7t
・住居 6% 19.5t
・サービス 3% 9.7t
・その他 7% 22.7t
国別にみると、2019年の337億トンのうち、
中国 28% 94.0億t
米国 15% 55.5億t
インド 7% 23.6億t
ロシア 5% 16.9億t
日本 4% 13.5億t
あの中国が米国の2倍ものCO2を排出していながら、「我が国は後進国だから、排出の制限はする必要がない」とうそぶいているのだが、2020年は中国発の生物兵器である新型コロナウィルス(※)の影響で経済活動が停滞したため、CO2の排出は(世界的にも)やや減少しているが、通常に戻ればCO2の排出量は更に増大するであろう。
(※)この件は当ブログの「中国武漢・新型コロナンウィルス」 ('20.04.21~)を参照願う。
CO2の増加は、由々しきことである。
ちなみに、
日本でのCO2の排出量は次の通り。
日本での運輸部門での比率は、2019年・18.6%で、世界の比率24%と比べて、幾分低くなっている。
これはHEV車の比率が他国よりの高いことに起因しているのであろう。
環境省のホームページより(https://www.env.go.jp/press/110272.html)
数字を披露と次のようになる。
2019年度
CO2排出量(単位百万トン)
〔シェア〕
合計 1,108 百万トン
〔100%〕
エネルギー起源 1,029
〔92.9%〕
産業部門 385 2020年度
(工場等) 〔34.8%〕 → 〔33.8%〕
運輸部門 206
(自動車等) 〔18.6%〕
業務その他部門 192
(商業・サービス 〔17.4%〕
・事業所等)
家庭部門 160
〔14.4%〕 → 〔16.0%〕
エネルギー転換部門 86.0
〔7.8%〕
発電所・製油所等 89.7
〔8.1%〕
電気熱配分統計誤差 -3.7
〔-0.3%〕
非エネルギー起源 78.9
〔7.1%〕
工業プロセス及び 45.0
製品の使用 〔4.1%〕
廃棄物(焼却等) 30.8
〔2.8%〕
その他(間接CO₂等) 3.0
〔0.3%〕
2020年度の数字は→で示した部分のみが大きく違った数字となっていて、他の項目の数字は似たり寄ったりであったので、掲載はせず。
2020年度はコロナ禍であったので、経済が停滞し「産業部門」がおちこみ、「家庭部門」がやや拡大したということで、他の項目はさほどの変化は見られなかった。
それにしても、日本での運輸部門では2億6百万トン、19%ものCO2を排出していることになる。
世界的にみれば、少ない方ではあるが、2億トン余のCO2を排出し全体の2割を占めているということは、多いのか、少ないのかと言えば、各項目の割合を眺めれば、多いと言わざるを得ないものであろう。
しかも運輸部門は我々の生活に密着している部分が多く、直接排気ガスを(空気として)吸っていることになるので、クルマの排気ガスの削減は待ったなしと言った状態なのである。しかも地球温暖化の元凶でもある。
だから、EUでも、排ガス規制は年々強化されている。
(続く)