国境炭素税、すなわちEUの言う国境炭素調整措置(CBAM)として、実施されようとしている。
CBAMとは、Carbon Border Adjustment Mechanism で自国と同等の排出負担を課す措置のことである。
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK056SZ0V00C21A2000000/?n_cid=NMAIL006_20210212_H)
と言うことは、(物の生産には)再生可能エネルギーの活用と原子力発電の利用拡大が、必須となってくる可能性が大なのである。
CO2削減、55%減へ2030年
EUのCAFE規制によれば、企業単位で、車両平均重量毎にCO2の排出量平均値の基準が決められている。それを達成できなければ、クレジットと呼ばれる罰金を支払わなければならないことになる。
欧州の排気ガス規制のEURO7では、乗用車のCO2排出量の企業平均値を、2021年比2025年は15%減、2030年は37.5%減とすることを決めた。
1) ~2020年 130g/km
2) 2021年~ 95g/km プリウスは78g/km
3) 2025年~ 81g/km?(15%減)
4) 2030年~ 59g/km?(37.5%減) プリウスPHVは28g/km→55%減 としたい。
この数字はいわゆる車両重量による企業平均値であるので、小型車が沢山売れたり、また重いSUVが沢山売れたりして平均車両重量が変わってくれば、その平均値も変動することになっている。
CO2の排出量は、ガソリンなどの消費量に比例するので、これは、将に燃費競争
なのである。トヨタが単独でもHV車でル・マン24時間レースに出場するのも、如何に燃費を良くするかの実験をしていると言う事なのでしょう。
と言ってもこの2030年の数字は、HV車でも到底達成できるものではないので、当然PHVやFCV・EVを強制的に導入せざるを得なくなるわけである。ある意味トヨタのHV外しの目標値だとしても、間違いないでしょう。EUでは、ディーゼルでしくじってしまったので、今はトヨタのストロングHV車が売れまくっているようなので、ある意味、頭にきていると言う事で、敢えてHV外しの目標値を設定したと思ってもさしつかえなかろう。
まとめ
・EUでは、2030年以降では、ICE(内燃エンジン)は禁止となり、当然HV車も禁止となる。
・したがって、ZEV車しか販売できない。EVとFCVとHICE(水素)だけとなる。
しかもアメリカのバイデン大統領は、「パリ協定」の合意を満たせない国からの製品に「炭素調整料」を課すと公約している
アメリカのZEV規制
IVM 2.9 3.8 4.7 5.6 6.5 7.4 8.3 9.2%
(TZEV+1/5ZEV)
TZEV: Transitional(過渡的)ZEV 又は Transient(一時的) ZEV で、PHEV(PHV)を指す。
ZEV : Zero Emission Vehicle 排ガスゼロ車でBEVとFCV(とHICE)
HICE: Hydrogen Internal Combustion Engine ?、水素エンジン
IVM: Intermediate Volume Manufacturer
バイデンが新車に占めるZEVの割合を、2030年に50%に引き上げる目標を、2021.8.5に大統領令として発令した。GHG(Green House Gas)を'20年比で60%以上削減できるので、バイデン政権の目標と合致する。
Big3は2030年までにZEVを40~50%にすると発表。加州と他11州は、2021.4.21に、2035年までに全新車をZEV(EV、FCV、 PHEV)とする方針を発表している。
(注)ニューヨーク州、マサチューセッツ州、メーン州、コネチカット州、ロードアイランド州、ワシントン州、オレゴン州、ニュージャージー州、ハワイ州、ノースカロライナ州、ニューメキシコ州
GMは'21.1.28に、2035年までに全車種をZEVに切り替えると発表。2040年までには全世界でCN (Carbon Neutral)を実現を目指す。
まとめ
・米国では、2030年には新車の半分はZEV(EV、FCV、 PHEV)としなければならない。
・加州など12州は、2035年には、全新車をZEVとする方針。新車販売の4割りを占める
⇒2035年には大半の新車は、ZEVとならざるを得ない。PHEVは残る筈だが、どうなるか?
(続く)