カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(25)

こんにちは、AD高橋です。 

 

 2022年5月に発表され、夏に発売となった日産サクラ。軽自動車規格に収まるEVは大きな話題となり、「2022~2023日本自動車殿堂 カーオブザイヤー」、「RJCカーオブザイヤー」(軽EVの電動化技術が「RJCテクノロジーオブザイヤー」を同時受賞)、「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」(「K CAR オブ・ザ・イヤー」を同時受賞)と、2022年の賞レースを総なめにしました。 

 

 日本カー・オブ・ザ・イヤーのWEBサイトに掲載されている、サクラに満点を入れた選考委員のコメントを見ると、    

 

■価格(BEVを所有するハードルを下げた点) 

■脱炭素社会に向けた暮らしの変化に対する対応 

■軽自動車という“シティコミューター”としての役割に特化したこと 

軽自動車の概念を変える走行性能 

■SS(サービスステーション)過疎地の課題を解決するひとつの提案 

■上質なデザイン 

 

 などを評価した人が多くいました。 

 

変わる軽自動車の価値基準

 

 詳しい試乗リポートはフェルさんが書いてくれた本編を改めてお読みいただくとして(今回、いつにも増しておもしろく読んでいただけると思いますよ!)、街なかだけになりますが私も試乗する機会があったのでその感想を。 

 

 言うまでもなくサクラのボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1655mmで、軽自動車規格に収まっています。隣の席に座る人との距離感がタイトなので、「やっぱりサクラは軽自動車なのだな」と感じますが、インテリアの質感はとても軽自動車とは思えない仕上がりです。 

 

 中でもインパネ周りは日産のデザインランゲージである「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」という考え方を感じさせる、凛(りん)とした雰囲気にまとめられました。一人でドライブしている時は助手席との距離を感じずにすむので、軽自動車を運転していることを忘れそうです

 

 

 運転時の感触はしっとりなめらか。フェルさんがリポートしているように、重量がもたらす高級感があるのはもちろん、パワーが少ない軽自動車ならではの、アクセルを踏み込んだときの高回転まで回るエンジン音が聞こえないのがいい。クルマから「今、頑張っています!」という訴えがなく、発進時や上り坂でも余裕を持って走っていることが伝わってきます。 

 

 かつて軽自動車は価格も安いし、乗り心地などはある程度我慢するのも仕方がないという思いがありました。しかし現在スズキが多くのモデルに展開しているプラットフォーム『HEARTECT』につながる新プラットフォームを採用した4代目ワゴンR(2008年)や初代ホンダ N-BOX(2011年)が登場したとき、「このクルマの登場で、軽自動車全体の質感が大きく変わっていく」と感じました。サクラに試乗したときもこれと同じ印象を持ちました。 

 

 

 一方で街なかを周囲のクルマの流れに乗って走っているだけで、バッテリー残量はどんどん減っていく。EVに乗り慣れているとなんとも思わないでしょうが、撮影などでたまに乗る程度の私だと「わ、もう10%も減った。大丈夫かな……」と心配になったのも事実。最近は私が暮らす地域でもサクラを見かける機会が増えてきました。裏路地を走っているところも見るので近所に住んでいる方だと思うのですが、みなさんが自宅に充電設備を設置しているわけでもないでしょう。充電をどのようにマネジメントしているかは気になるところです。 

 

 そういえば本編に出てきた東京・大崎にあるおいしい鰯料理店は、もちろん現在も元気に営業中です。実は私、今の場所に引っ越してくる前は大崎に10年ほど住んでいたので、ちょいちょい利用していました。夜はもちろんランチもお薦め。近くを通ったらぜひ行ってみてください。ググればすぐにわかります! 

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00105/00255/?P=5 

 

 

この論考のコメントにも、航続距離に関するものがあったので、次に掲載しておく。

 

 

51件のコメントもっと見る 

 

ダメおやじ 

痴呆公務員 

>満充電で180キロメートル(WLTCモード
EVは実質表示の半分と聞きました。 

18時間前3返信いいね! 

 

ダメおやじ 

痴呆公務員 

5ページ中、最初の1ページがヨタ、最後の1ページが高橋さん。
残り3ページの半分が「充電難民」の話とか。。
余程大変だったのですね 

18時間前5いいね! 

 

ものぐさ太郎 

窓際Shine 

まさに身を挺して航続距離と充電場所の問題提起をされた記事ですね。
とても興味深かったです。 

16時間前11返信いいね! 

 

フェルディナント・ヤマグチ 

コラムニスト 

ありがとうございます。ご愛読感謝です!
 

16時間前6いいね! 

 

アビオエンジニア 

カバン持ち 

> 裏路地を走っているところも見るので近所に住んでいる方だと思うのですが、みなさんが自宅に充電設備を設置しているわけでもないでしょう。

ウチのご近所、EV使われている方は、My電柱+エコキュート比率が高いようです。建て替えとかリフォーム時に「クルマもやっちゃえ」って感じですかね。 

16時間前7返信いいね! 

 

ミシェルS 

堅気 

EVの航続距離の話は非常に興味深いです。私も次はEVかなと思いつつ、マンション住まい&機械駐で自宅に充電設備が準備できないのと、航続距離が不安で悩んでいます。
この連載、最近はユーザーインタビューが少ないですが、EVについては運用も含めて既存ユーザーの皆様を参考にしたいですね。
 

15時間前2返信いいね! 

・・・・・ 

ものぐさ太郎 

窓際Shine 

まさに身を挺して航続距離と充電場所の問題提起をされた記事ですね。
とても興味深かったです。 

16時間前11返信いいね! 

・・・・・ 

 

 

また、「それから、電欠不安に対するストレスは多分に慣れの要素があります。
EV慣れしていないけど発言力のあるライターさんは、充電の問題に触れるには細心の注意が必要だと思いますと言ったコメントもありました。

 

 

これは「BEVの普及にそれなりに支障がある問題(発言)だから、そんなにはっきりと指摘しないようにしてもらいたい」と言ったニュアンスが感じられますが、反対に「だからBEVの充電問題の解決に努力しなければならない」と言った力にもなるのではないのかな、とも思えるので、もっともっと積極的になってもよいものと思いますが、如何なものでしょうか。

(続く)