カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(56)

雪国に住むEVオーナーの声と豪雪地帯でのEVシェア 

 

 

ノルウェーの都市別の積雪量とBEVシェア(画像:OFVとWeather Sparkデータより八重さくら作成)     

 

 国内で量産EVが一般発売されてから10年以上がたち、SNSなどで情報を発信する雪国のEVオーナーも増えている。例えば数年にわたり日産リーフやテスラ・モデル3を乗り継ぎ、Youtubeで生の声を届ける雪国のEVオーナーは 

 

「過去に内燃機関車で一酸化炭素中毒になりかけたことが、EVに乗る理由のひとつ」 

 

という。加えてEVなどに使われるモーターはミリ秒単位での緻密な制御が容易であり、積雪路や上り勾配などで「二輪駆動のEVでも四輪駆動の内燃機関車に匹敵するほど」グリップが向上することで、そもそも「立ち往生するリスクも下がる」としている。 

 

 毎年のように一酸化炭素中毒による死亡事故が報道されながらも、一向になくなる気配がない。原因は明確ながらも発生時に気付くことが難しく、根本的な対策の難しさを証明しているといえる。2022年12月に日本海側を襲った大雪の影響で停電が発生した際も、暖を取るために自宅前に置いた内燃機関車の自動車内にいた女性が亡くなるという痛ましい事故が発生した。一酸化炭素中毒とみられる。 

 

 一方で時を同じくしてSNS上では、大雪に伴う立ち往生で約18時間にわたり足止めされたテスラ車が、一酸化炭素中毒を一切心配することなく車内で暖房をかけながら動画を観賞し、立ち往生解消後はそのまま出発できたという報告も。SNSでは科学的な根拠や統計データなどのエビデンスを一切考慮せずに「凍死する」などと指摘されているが、前述の通り電池の残量が半分程度あれば暖房を使って1日程度シートヒーターのみであれば数日間は安全に過ごせることが実証されている。 

 

 また、雪国を含む世界で、数百万台のEVが販売された現在でも、筆者の知る限りEVが原因となった凍死事故は一件も報告されていない。雪国でもEVが受け入れられていることは販売状況からも明らかであり、例えばノルウェー道路連盟(OFV)の集計によると、北欧ノルウェーではBEVが2022年の新車販売の79.3%を占めている。 

 

一部では「ノルウェーは雪が少ない」「北部や雪の多い地域ではEVシェアが下がる」という声もあるが、間違いだ。例えばWeather Sparkの統計によると、ノルウェー北部の都市トロムソでは1月の平均降雪量が412mmに達するが、同地域でもEVシェアは78.3%(OFVより)と同国全体と遜色ない。 

 

 積雪量の多いトロムソでは確かに2021年までは他の地域と比べてEVシェアが低かったものの、これは積雪量によるものではなく、他都市との距離が長いにもかかわらず、充電インフラの整備が遅れていたためだ。トロムソでは他の国や地域と同様、乗用車だけでなくタクシーや大型トラックなど、商用車でのEVの採用事例も増えている。 

 

 一方で、日本で最も降雪が多いとされる山形県において、1か月あたりの最大平均積雪量が最も多い新庄市では301mm(Weather Sparkより)となっている。気温の差について指摘する声もあるが、ノルウェーでも寒波が来れば氷点下20度以下まで下がることも珍しくない。無論、さらに低温となるフィンランドスウェーデン、カナダなどにも多くのEVオーナーがいる。 

 

山形県新庄市を超えるトロムソのような豪雪地帯でもEVが売れている事実や、実際に雪国でEVに乗っているオーナーの声を無視して、「寒冷地や雪国では使えない」「立ち往生したら凍死する」と叫び続けるならば、本来なくせるはずの一酸化炭素中毒による死亡事故も、なくせないだろう。印象や想像だけでなく、実際のデータや科学的なエビデンス、オーナーの生の声に耳を傾けてほしいと、切に願う。 

 

https://merkmal-biz.jp/post/32172 

 

 

1.BEVが増えても電力不足にはならないだろう。 

2.BEVで豪雪地帯で立ち往生しても、十分しのげる。 

 

と言うことは理解いただけたことと思うが、鵜呑みにしない方がよかろう。 

 

さて、BYDの「六価クロムが塗布されたボルトナットの使用について言及しておく。 

 

BYDサイドとしては、「六価クロム」が使用されていても通常の使用方法では何ら問題がないとしているが、本当かどうかは怪しいものであるが、そうであれば使わないでほしかったものである。「六価クロム」は問題である、と言うことに管理が行き届いていないということの方が、問題ではないのかな。 

 

BYDと言う会社の管理の悪さを問題としている訳ですよ、BYDさんよ。 

 

 

BYDの「六価クロム」問題で影響が拡大、乗用EVも調査 

2023年2月27日(月)13時54分 

 

日野が発売予定だったポンチョZ EV         

 

BYDが、電気自動車バス(EVバス)に六価クロムを使用している問題が拡大している。 

 

BYDジャパンは、日本国内で販売しているEVバスのボルトやナット類の防錆剤として、六価クロムを含んだ溶剤を一部使用していることを正式に認めた。ただ、同社では車両製造後、通常の車両運用では、乗員や乗客、整備メンテナンス担当者に影響はないとしている。また、廃車時も同社が指定するリサイクル事業者を通じて六価クロムの無害化処理を行った上で処分するため、環境への影響もないとしている。 

 

六価クロムは、自動車への使用は法令では禁止されていないものの、日本自動車工業会使用について自主規制している。このため、日野自動車はBYD製EVバスを日野ブランドで国内販売する予定だったが、日本市場への投入計画を凍結した。 

 

BYDジャパンは1月から日本市場に投入した乗用車については、顧客の安全・安心のため、中国の親会社BYDと連携して六価クロムが使用されているかの調査を現在進めているとしている。 

 

BYDジャパンでは、2023年末に日本国内で納車を予定している新型EVバスは、日本自動車工業会の自主規制に準拠した素材で車両を製造し、販売するとしている。 

 

一方、西武バスは新座営業所の路線バスに、BYD製大型EVバスを2台導入し、2月27日運行する予定だったが、六価クロムの問題から運行開始の延期を決定した。運行本数は削減しないとしている。 

 

https://response.jp/article/2023/02/27/368027.html 

 

 

日野自動車はBYDから輸入しているEVバスの「ポンチョZEV」の発売を凍結しているが、BYDの乗用車の「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」については「EU ELV指令」に準拠しているとして、「六価クロム」は使われていないと発表しているが、本当かどうかは怪しいものである。

(続く)