カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(57)

ATTO 3」は既に販売が開始されているが、しばらくは様子見の方がよかろう。 

 

 

BYDが乗用車の“六価クロム”使用調査について報告、「欧州の廃車指令に準拠」と説明 

2023年02月28日更新

 

BYD、乗用車の「六価クロム」使用に関する文書を公開

 


日野 ポンチョ Z EV                              

 

中国の自動車メーカーであるBYDからEVバスの供給を受ける日野がEVバス『ポンチョ Z EV』の発売凍結を発表し、その理由として発がん性物質の「六価クロムが使用されていることが報道されました。 

 

報道を受け、BYDは2023年2月23日に自社のWebサイトで文書を公開。BYDが日本国内で販売しているEVバスへの六価クロム使用を認めたうえで、健康および環境への影響はない旨を文書内に記し、2023年に販売を開始する乗用車についても調査を開始。 

 

その後、2023年2月27日に、「当社乗⽤⾞に関するお知らせ」の文書を追加で公開しました。 

 

2023年末納車分については「自工会の自主規制に準拠」「乗用車は、EU ELV 指令に準拠」と報告

 

BYD乗用車 

 

BYDが調査にもとづく報告として公開した文書では、「BYDの乗用車は、EU ELV 指令に準拠」と記載され、すでに販売を開始した『ATTO 3』のほか、今後販売を予定している『DOLPHIN』や『SEAL』についても、この指令に準拠していると説明し、ユーザーの安全や地球環境に影響を及ぼすことはないという考えを示しています。 

 

また、日本自動車輸入組合(JAIA)が、国内に輸入される加盟各社の自動車がEU ELV 指令に適合していることを確認していると説明しました。 

 

EU ELV 指令」は、欧州連合が施行した、使用済み自動車が環境に与える負荷を低減するための指令です。六価クロムを含む有害物質の使用禁止や、使用済み自動車から取り除く部品の指定など、効率的なリサイクルによって廃棄物を減らすことを目的にしています。 

 

なお、EU ELV指令の対象には乗員9名以上の車両と、車両総重量3.5トン以上の物流車両が含まれないため、日野が発売を凍結したBYDから供給を受ける小型EVバス「ポンチョ Z EV」はEU ELV指令の対象外となります。 

 

https://car-moby.jp/article/news/automotive-industry-news/byd-explains-that-the-use-of-hexavalent-chromium-is-in-compliance-with-eu-elv-release-27th-feb2023/ 

 

 

EU ELV 指令」のELVとは「End of life vehicle」のことで、廃棄物である車両を意味し、自動車部品や材料などに「鉛、水銀、カドミウム六価クロム」が含まれていてはならないと規定されているし、廃棄に際してはそれらを含む部品は取り外して保管しなければならない、としている。また当然のことではあるが、燃料、オイル、ガス、バッテリー、キャタライザーなども取り除き確実に保管しなければならないことになっている。 

(廃車指令、https://ja.wikipedia.org/wiki/廃車指令#内容 などを参照のこと。) 

 

 

BYDの言う「BYDの乗用車は、EU ELV 指令に準拠」しているということであれば、六価クロムなどは使われていないことになっているが、そうであれば、明確に「六価クロム」は使われていない、と追記すべきではなかろうか。 

 

はっきりと「そのように言っていない」と言うことは、「六価クロム」が使われているかいないかはっきりしていない、と言うことではないのかな。一応書面上は「EU ELV 指令」に準拠していると成ってはいるが、実際に実車に使われていないことが確認できていない、本当に「EU ELV 指令」通りの作業が行われているかどうかの確認はとれていない、と言うことではないのかな。 

 

EU ELV 指令」に準拠した作業が行われているのであれば、小型EVバスに対しても、横展がなされていなければならない筈ではないのかな。 

 

筈がはずのままとしたら、BYDの乗用車も怪しいものだ。 

 

それもそうだが、BYDのバッテリーEV頻繁に燃えているし、韓国のヒョンデの電気自動車「アイオニック5」もかなりの頻度で燃えているようなので、こちらの方も大問題ではないのかな。 

 

それこそ、しばらくはと言うよりも、かなりの期間、BEVの購入は様子見の方がよかろう、と言いたくなるものだ。 

 

自宅車庫でマイカーのBEVが火災にでもなってしまったら、自宅まで失ってしまうことになりかねないからだ。 

 

当分はBEV、特には中国製や韓国製の電気自動車は、やはり購入は見合わせるべきなのであろうか、と言うことではあるまいか。 

(続く)